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日々感謝。1200kmのへんろ道。【45日目:再び徳島県へ】

お 遍 路

2020.12.3(木)
香川県東かがわ市 晴れ☀後曇り☁ 14/6℃

歩き人たかちです。

無事に歩き終えて結願しました。これから2日かけて1番霊山寺へ戻り、その後高野山へ向かいます。

1番霊山寺まで39km。1日で歩こうと思えば歩けますが、早朝の大窪寺でゆっくりしたかったので、最後にへんろ宿「おんやど 森本屋」に泊まることにしました。距離としては6番安楽寺がちょうど良いですが、満室。最後に安楽寺の通夜堂に泊まろうと思いましたが、次の日早く出発する必要もないのでへんろ宿にしました。

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大窪寺の余韻に浸る

6時半に朝食をお願いしていて、1階へ降りると逆打ちの男性が丁度出発するところでした。女将さんと一緒にお見送り。

朝ごはんも美味しかったです。朝食時は女将さんといろいろお話しました。高野山の話になり、88ヶ所回って八十窪に宿泊した人は、高野山のど真ん中にある「天徳院」という宿坊に半額で宿泊できると聞きました。なんと!GO TOより安い!!

高野山の宿坊はどこも高価で、奥の方に1軒ゲストハウスがあるのでそこにしようと思っていましたが、半額ならば天徳院に泊まりたい。 

*天徳院*

高野山 別格本山 天徳院 | 『和空』 修行と宿坊のポータルサイト
当院は高野山のほぼ中央、総本山金剛峯寺の目の前に位置し、山内唯一、重要文化財の庭園を有し、書院造りの和室から、風光明媚な四季折々の眺めを堪能していただける宿坊寺院です。工夫を凝らした精進料理、凛とした空気の中で行われる朝の勤行、緩やかに流れる時間…どうぞ高野山にお参りいただき、静寂で、安らかななひとときをお過ごし下さい...

*高野山のゲストハウス「kokuu」*

高野山ゲストハウス Kokuu(コクウ)- Koyasan Guest house Kokuu -
伝統ある高野山にたつ、新しいタイプの宿泊施設。高野山ゲストハウス Kokuu(コクウ)は世界中から訪れる旅人のためのゲストハウスです。

31日という早さで結願した人の話、聞いた中では最年長91歳のお遍路さんの話など、今日も朝から楽しいへんろ話。

途中でおばあちゃんが来て、最後に記念撮影。そういえばへんろ宿の方々と写真撮らなかったなとちょっと後悔しています。

7時過ぎに出発。早朝の大窪寺に浸ってから行くのでYさんには先に歩いていてもらいました。

すでに車が一台ありましたが、昨日とは打って変わって静かな大窪寺。住職さんたちが掃き掃除をしていました。

朝日を浴びるしーんとした境内。空気が澄んでいて、とても落ち着きます。再度手を合わせて、1番霊山寺に向かってまた歩き始めました。

国道ルート側の門。

やはり朝一のお寺はいい。すっきりと、静かにお別れ。

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ただいま徳島県

*大窪寺~ファミリーマート:15.3km*

国道と県道で一気に山を下ります。

白鳥温泉方面の道。

屋根がこんもりした休憩スペースがありました。「もりもり五名(仮)」とはなんのことなのか。

3番金泉寺への案内がありました。10番方面の場合はこの道へは行かずにそのまま国道を下るのですが、Googleを見てもこの道がどこを通って行くのかイマイチよくわかりませんでした。おばあちゃんに「ずーっと国道!」と言われているので、国道の続きを。

大窪寺もどんどん遠くなる。

しばらく歩くと「與田寺」への案内。ここ経由で1番へ戻ろうか散々悩みましたが、1番へ戻る最後の峠「大阪峠」の情報があまりなく、荒れていたら嫌だな~と思って結局寄らないことに。

徳島県に戻って参りました。

そのままずーっと下って行くとYさん発見。山の紅葉を眺めていました。「山が綺麗だね〜北海道はもう雪が降ってるよ。」と。

国道、県道はダンプカーがかなり頻繁に通りすぎて行きました。いつもこんなに通るのか?と話していましたが、途中に採石場があり、出入りが激しかったです。

橋の上で石を乗せたトラックが通ると、コンクリートがドクン!ドクン!と揺れる揺れる…

下っていると逆打ちのお遍路さんが一人いました。逆打ちの場合88番に戻る人はいるのかな?と思っていましたが、最後にそれは大変だから、1番からスタートして1番で終わりにするのか。

「お、高速だね」とか「焼山寺はあのあたりかな?」と話しながら大分下ってきました。山を下る間は何もないので、下山した最初のファミリーマートで休憩。

というか、徳島暖かい…

香川県に入って急に寒くなりましたが、徳島県に戻ってきたら暖かい。もはや暑い。12月で暑いとか言ってる自分もどうかと思うけど。

Yさんが珈琲とドーナツをお接待してくださいました。ここに来て初めてコンビニのイートインスペース。なんだかんだ全然使わなかった。

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へんろ仲間との別れ

*ファミリーマート~安楽寺:12km*

安楽寺まで逆打ちをするわけですが、Googleに従って歩いたのでへんろ道とは若干異なる道を歩いていました。

徳島県はがむしゃらに歩いていたので、今度はゆっくりと風景を見ながら。

「あそこが切幡寺ですね」とか言いながら。

香川県は用水路が発達しているということをテレビで見たとYさん。車椅子の人が落ちてしまったり、いろいろ問題があるから用水路の蓋をするという議論があるけど、農業関係などで簡単にはできないらしい。確かに用水路は多いという印象でした。ただ被せるだけな気もしますが、そう簡単ではないのか。

札幌では野焼きをするのはダメらしく、四国の至るところで野焼きをしている光景が不思議だったと。あとは「洗濯物もあんなに堂々と外に干すんだね~」と。Yさんの自宅周辺ではあまり干されていないようで…東京でも結構堂々と干しているけど、地域によっていろいろあって面白い。

公園でちょっと休憩。

他愛のない話をしているとあっという間に6番に到着。

最後にもう一度通夜堂を見てみました。ん~やっぱり通夜堂で良かったかな~と、この鐘の下で寝なかったことをちょっと後悔。最後くらいテント無しの野宿をすればよかった。

通夜堂を初めて見るYさんは「へえ~こんなところに寝るのか~」と感心気味。でも自分が宿でぬくぬくして温泉入っているのに、知り合いがここで寝ていたら落ち着かないとのこと。

Yさんは安楽寺を予約できたので、ここで本当にお別れ。北海道への飛行機も予約してあるから、明日1番へ戻ったらそのままフェリーで九度山へ向かうとのこと。

Yさんには本当にたくさんお世話になりました。町石道を歩いて、無事に高野山で満願できることを祈ります。

私はここから5km先のへんろ宿へ。

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最後までお接待

*安楽寺~へんろ宿森本屋:4.8km*

森本屋は5番地蔵寺の目の前にある宿です。1番からは12kmくらいで、初日軽めにスタートするお遍路さんが利用するようです。

結局食べなかった、たらいうどん。

安楽寺からは遍路道。懐かしい道。逆へ向かうへんろ道はやはり景色が違います。

歩き始めは暑かったんだよなー。

国道を歩いていると、停まっていた車から「ちょっと!ちょっと!」とおばちゃんに呼びとめられました。

「ジュースでも飲んで!」と言って200円のお接待。わざわざ車を停めて待っていてくれました。昨日結願して1番へ向かうところだと話すと「おめでとう!」と笑顔が溢れます。見ず知らずの人の結願を一緒に喜んでくれて、平和ってこういうことだよな・・・最高の文化だ、本当に。

宿の手前のコンビニで食料を買っていると、女性に「今日はどこで寝るんですか?」と声を掛けられました。野宿スタイルを見て心配したようです。昨日結願して今日は近くの宿に泊まることを話すと「あ~そっか!よかった、もう寒いから。おめでとうございます!」と顔が緩みました。帰り際にみかんのお接待。最後まで頭が下がります。

宿に向かって歩いていると、野宿スタイルの学生らしき男の子。「こんにちは。」と挨拶すると緊張気味に「こんにちは。」と返されました。私も、歩き始めはあんな風に緊張感を纏っていたのか。マットは持っているけどテントは入ってなさそうなザックの大きさ。この時季にテント無し野宿スタイルは強い。心の中で応援します。

15時ちょっと過ぎに宿に到着。

おんやど森本屋は明治33年創業とのこと。

宿はすごく綺麗で、洗濯は無料。個室とドミトリーがあります。ドミトリーは一室で、女性が初めに予約をしたら女性専用に、男性が先なら男性専用になるとのことで、異性が被らないようにしていると言われました。

チェックイン時はおばあちゃんが対応してくれて「お茶飲んでね。」と仕切りに進める可愛いおばあちゃんでした。

すぐにお風呂を沸かしてくれて、大きめの家族風呂で手足を伸ばします。

Yさんからお礼のメールが届き、野宿のMさんは明日結願とのこと。宿を迷っていたので、八十窪を勧めたところ早速予約していました。明日はたったの8km弱で終了。お寺の点が線になるのを楽しみに眠ります。

*おんやど 森本屋*

はじめての方へ | おんやど 森本屋 | 徳島県板野郡
徳島 板野のおんやど森本屋は、四国八十八ヶ所巡り 第5番札所・地蔵寺前の民宿です。古民家を改装した清潔で和モダンな空間で、田舎ならではの心に向き合うおもてなしで旅人をお迎えしております。 お遍路さんも観光の方も、どうぞお気軽にご利用ください。

★本日の歩行距離:32.1km

★累計:1184.8km

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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コメント

  1. 結願おめでとうございます。

    アップされるのを楽しみに、毎回楽しく読ませていただきました。

    歩き遍路の「楽しさ」「感謝」は、歩いた人しか体験できない羨ましさです。

    私も8年前から車で2~3泊の区切り打ちで満願した際、1番札所にお礼参りに巡拝したら
    「おめでとうございます。又始めたくなりませんか?」
    と言われ、まさにその言葉通り「四国病」に罹患し、以来毎年秋から春にかけて車で5巡し、
    先日6巡目の1回目を打ち終えました。

    2巡目は別格20ヶ寺も併せて巡拝し、その話を母の実家で話したら、
    「うちにも何か赤い印を押したものがある!」と叔父が見せてくれ、
    見たら3代前の叔父が、明治24年に四国遍路をした納経帳でした。
    その叔父は病弱だったらしく、27歳で四国遍路を巡拝し37歳で亡くなっているとの事。

    叔父は「四国88ヶ所の遍路」とは知らなかった様で、大変驚き、杖も保管していて見せてくれました。
    そこで、3巡目はその納経帳を借りて95ヶ寺で納経していましたが、2ヶ寺は無くなっていました。
    納経の際、それぞれのお寺でその納経帳を見てもらいましたが、アルバイトの方は殆ど関心が無いようでしたが、お寺の関係の方は、そのお寺に保管してある貴重な資料も見せていただき、ますます四国病をこじらせて現在に至っています。

    私は加齢による膝痛で歩き遍路は出来ないため、皆さんの歩き遍路ブログを羨ましく、楽しく、有難く読ませて頂いています。

    ありがとうございます。
    楽しい旅を続けてください。

    • 天根様

      コメントありがとうございます!

      そう言っていただけると、ブログに記録して良かったと嬉しく思います。ありがとうございます。

      6巡目、素晴らしいですね!おめでとうございます!本当に、四国病の先輩方がたくさんいらっしゃって、尊敬します。今更ながら、折角なら別格も回れば良かったと思っているので、また機会があれば2巡目は108箇所で別の景色を見てみたいです。

      明治24年とは、非常に貴重な納経帳ですね。とても険しい道のりだったのではないでしょうか。歴史ある納経帳と杖に触れられること、また、それらを通してお寺の方々と深く交流されていて羨ましいです。天根様のお遍路にも、とても素敵な物語が詰まっていることと思います。

      どんな手段であれ、お遍路はかけがえのない経験だと思います。天根様も、お身体に気をつけて、さらに楽しいお遍路の旅を続けて下さい!本当に、ありがとうございます。

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