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【春の花】花を知って山歩きを愉快に♪低山から高山植物まで、季節ごとの山の花をまとめた花図鑑

登 山 T I P s ・ 雑 記

歩き人たかちです。

短い季節の時間の中で己の命を燃やす山の花。厳しい環境に耐えながら、全力で、可憐に咲き誇る姿に心を打たれます。

山の花を知ることで、足元の景色がとっても愉快に♪自分自身の学びも含め、今まで出会った山の花を中心に、季節ごとにまとめてみました。

長い冬が終わり、雪解けとともに顔を出す春の花。ふわふわの新芽とともに山を彩り、命のエネルギーが溢れる季節です。

*おおまかに春夏秋でわけていますが、山域や標高で花期は前後します。
*見聞きした情報も記載しているため、誤っている可能性もございます。

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参考文献

◾︎ 高橋勝雄著「野草の名前[春]和名と由来と見分け方」,ヤマケイ文庫,2018年2月
◾︎ 菱山忠三郎「高尾山の花と木の図鑑」,主婦の友社,2017年7月
◾︎ 森乃おと「草の辞典」,雷鳥社,2017年1月

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ア〜サ行

アカヤシオ[ 赤八汐 ]

石裂山 / 4月20日

◾︎ ツツジ科ツツジ属 / 4〜5月
◾︎ 花言葉「柔らかい視線」「愛の喜び」

栃木県や群馬県に多く自生し、栃木県の県花であるツツジの仲間。ヤシオツツジの一種で、他にはシロヤシオ、ムラサキヤシオがあります。

赤城山では「アカギツツジ」とも呼ばれている花。葉が出る前に花が咲き、淡くて柔らかい、とてもかわいいピンク色。


アズマイチゲ[ 東一華 ]

出典:pixabay

◾︎ キンポウゲ科イチリンソウ属 / 2〜4月
◾︎ 花言葉「静かな瞳」

1本の茎に1輪の花(一華)を咲かすアズマイチゲ。純白の花びらに見えるのは萼片。日が当たりる落葉樹林を好んで自生。東日本で発見されたことにより命名されましたが、日本全国に自生。

花だけ見るとキクザキイチゲと区別がつきにくいですが、アズマイチゲは花の下にぐるりと茎を囲む総苞葉(葉が変形したもの。花の下側に輪状に集まる)がついています。葉は茎ではなく、根っこから直接のびていることも特徴。


アツモリソウ[ 敦盛草 ]

出典:photoAC

◾︎ ラン科アツモリソウ属 / 5〜6月
◾︎ 花言葉「君を忘れない」

竹籠を布で覆った武具である"母衣"に見立てた名付けられた花。思わず触りたくなるようなまんまるのフォルム(唇弁)と、庇のような萼片、だらりと垂れる花弁が見る人を惹きつける。穴の空いた部分から虫が出入りする仕組み。

出典:photoAC

アツモリソウよりも唇弁が横長で、ボテッとしたフォルムの「ホテイアツモリソウ」。盗作の多いアツモリソウは絶滅危惧種となっているものも多いですが、ホテイアツモリソウも"特定国内希少野生動植物指定"を受けています。

出典:photoAC

クリーム色がとても愛らしい「レブンアツモリソウ」。北海道の礼文島のみに自生する絶滅危惧種。6月下旬に礼文島を訪れたときは花期が終了していましたが、次回はぜひ見てみたい。

昔は子どもたちが唇弁を潰して遊ぶほど、礼文島のあちこちに自生していたとお聞きしました。


アマドコロ[ 甘野老 ]

出典:photoAC

◾︎ クサスギカズラ科アマドコロ属 / 4〜5月
◾︎ 花言葉「元気を出して」「心の痛みの分かる人」

クリーム色の先端は葉と同じ緑色で、優しい色合いをした釣鐘型の花。ちょっと揺らしてみたくなる。

根にはひげがあり、くねくねと曲がっている。そんな姿を老人に例えられた。「野老(野の老人)」と書いて"トコロ)"と読む。根には甘味があるためアマドコロ。

色も形もナルコユリと似ていて見分けがつかなかったが、2〜5個くらい花をつけるナルコユリに比べ、アマドコロは1〜2個。また、ナルコユリの茎は丸いが、アマドコロは角張っている。葉はナルコユリの方が細いというが、このあたりは基準がわからないので、花の数や茎がわかりやすいかなと。


イカリソウ[ 碇草・錨草 ]

奥高尾 / 4月13日

◾︎ メギ科イカリソウ属 / 2〜4月
◾︎ 花言葉「君を離さない」「旅立ち」

見事な錨型がそのまま名の由来になっているため覚えやすい。色は紅紫色〜白色で、花びらと萼片が同色のものが多い。写真は咲きはじめなので、ピンクとムラサキを混ぜた淡い透き通るような美しい色合いだった。スーッと細長くのびる"距"の先には蜜をため込んでいる。


イチリンソウ[ 一輪草 ]

南高尾 / 4月25日

◾︎ キンポウゲ科イチリンソウ属 / 3〜4月
◾︎ 花言葉「追憶」「久遠の美」

1本の茎にはいつも1輪の花。一華草(いちげそう)や一夏草(いっかそう・いちげそう)などと呼ばれていたが、"ニリンソウ"に合わせて改名されたのではないかと。

ニリンソウの群生に混ざって咲いているが、背丈は20〜30cmとニリンソウよりも高く、花も一回り大きいため目立つ。葉の切れ込みも深い。


イワウチワ[ 岩団扇 ]

荒島岳 / 5月22日

◾︎ イワウメ科イワウチワ属 / 4〜5月
◾︎ 花言葉「春の使者」

葉には光沢があり柄がついて丸い。それが団扇の形に似ている。低山の山林や岩混じりの斜面を好んで自生。柔らかいピンクが足元を彩っている。


イワカガミ[ 岩鏡 ]

尾瀬 / 7月1日

◾︎ イワウメ科イワカガミ属 / 4〜7月
◾︎ 花言葉「忠実」

山地から高山の岩場、湿原などに自生するピンクの特徴的な形の花。葉は厚くて光沢があり、鏡に見立てられた。高山植物の中でもよく知られる花である。

多くはスッとのびた茎の先に俯き加減の花を咲かせているが、上記の写真のイワカガミはこちらを見ているようで思わずパシャリ。白い部分が目玉のようで、映画泥棒に見えてしまった。


エンレイソウ[ 延齢草 ]

尾瀬 / 6月1日

◾︎ シュロソウ科エンレイソウ属 / 3〜4月
◾︎ 花言葉「奥ゆかしい美しさ」「叡智」

名の由来は諸説あるが、"延齢草根"という胃腸薬として使われてきたことが有力なようである。山地や林道脇の森の斜面に咲いている。

3枚の大きな葉の中心に、小ぶりの花を一つ咲かせる。はじめは「エイレンソウ」と間違えて覚えていたが、"齢を延ばす花"と漢字で覚えれば間違えない。

尾瀬 / 7月20日

花が咲いていなくても葉で一目瞭然。花後は緑の実をつけ、黒っぽく変化していく。


カキツバタ[ 杜若・燕子花 ]

尾瀬 / 7月1日

◾︎ アヤメ科アヤメ属 / 5〜6月
◾︎ 花言葉「高貴」「思慕」「幸せは必ず来る」

カキツバタは着物を染める花として古くから使われていた。布に押し付けて染めていたため、"掻付花"や"書付花"の漢字が当てられ、これらが語源だと思われる。

湿地帯や沼、池などの水辺を好み、紫と白のシンプルな色合いが上品で美しい。アヤメなどとごっちゃにされがちだが、アヤメのような網目や黄色は入っていない。また、アヤメは乾いた場所を好む。

尾瀬では水芭蕉が終わり6月に入ると、ワタスゲとカキツバタの共演が始まる。ミズバショウのシーズンが終わると人が一気に少なくなるが、個人的にはこの時期が一番美しいと思う。

短期で尾瀬の山小屋で働いたときの様子を写真にまとめているので、よろしければ下記をご覧ください。 


カタクリ[ 片栗・片籠 ]

出典:pixabay

◾︎ ユリ科カタクリ属 / 3〜4月
◾︎花言葉「初恋」「寂しさに耐える」

球根にはデンプン質が多く、かつては片栗粉がつくられていた。名の由来は諸説ある。山地の湿った雑木林に群生する、春を告げる花。気品のある紫色。

種子ができてから花が咲くまで、なんと7年もかかる。温度が高いほど花びらが反り返る仕組みで、曇りや雨、寒い日などは閉じたまま。天気が良くて暖かい、日の当たる時間帯が◎。春のハイキングで毎年逢いたい花だが、花粉の時期というのが悩ましい。


キクザキイチゲ[ 菊咲一華 ]

尾瀬 / 5月30日

◾︎ キンポウゲ科イチリンソウ属 / 2〜4月
◾︎ 花言葉「追憶」「静かな瞳」

菊のような花びらと、1輪の花をつけることから名付けられた。北海道〜九州まで自生するアズマイチゲと違い、キクザキイチゲは近畿以北、標高の高い涼しい場所や多雪地の落葉樹が生える斜面などに自生する。

日が当たると花が開き、朝晩や雨天の日は閉じている。白、ピンク、淡紫色など色も多彩。アズマイチゲとの違いは、上記アズマイチゲの説明文参照。


キジムシロ[ 雉蓆・雉筵 ]

礼文島 /6月25日

◾︎ バラ科キジムシロ属 / 5〜6月
◾︎ 花言葉「明るく輝いて」

山や山村の道端に咲く、5枚の明るい黄色にほっこりするキジムシロ。花が終わると、葉は放射状に大きく広がる。それは雉が休めるほどになり、"ムシロ"(敷物)として使うだろうというユニークな名の付け方。当時の人々が身近な自然をよく観察し、ともに暮らしていたことを感じる花。


キバナイカリソウ[ 黄花錨草・黄花碇草 ]

至仏山 / 7月1日

◾︎ メギ科イカリソウ属 /4〜5月
◾︎ 花言葉「君を離さない」「旅立ち」

花の色は黄色というよりも、クリーム色のようや黄淡色。北海道〜近畿の日本海側に自生し、イカリソウよりも花期は1ヵ月ほど遅い。形は同じく錨型で、見つけると「おっ!」と思う。


ギンリョウソウ[ 銀竜草 ]

八ヶ岳 / 7月11日

◾︎ ツツジ科ギンリョウソウ属 / 4〜8月
◾︎ 花言葉「そっと見守る」「はにかみ」

一度見たら忘れられない不気味で美しい花。腐葉土のある森の中にひっそりと咲いている。寄生植物で葉緑素を持たず、葉もないため光合成は行わない。透き通る白色で、姿が銀の竜に見立てられた。別名がいろいろあり、その一つが"ユウレイタケ"。幽霊のような姿でもあり、葉がないためキノコに思われたよう。

俯き加減だが、ぜひ、花の中を覗いてみてほしい。

2022年11月、ギンリョウソウの新種が発表されました。その名は「キリシマギンリョウソウ」。少し赤みを帯びる色合いで、こちらの幽霊も見てみたい…

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キンラン[ 金蘭 ]

出典:photoAC

◾︎ ラン科キンラン属 / 4〜6月
◾︎ 花言葉「華やかな美人」「眠れる才能」

金色でラン科だから"キンラン"。春のラン科の中では草丈が高く、お椀形の花が3〜12個ほどつく。明るい雑木林に自生。朝ドラの「らんまん」を見てから、この花に逢ってみたいなと。

画像出典:https://forest17.com/

白い花を銀に見立てた"ギンラン"もあり、こちらは半開き状の花。キンランよりも小ぶり。ラン科の植物は上品ですね。


クマガイソウ[ 熊谷草 ]

南高尾 / 4月25日

◾︎ ラン科アツモリソウ属 / 4〜5月
◾︎ 花言葉「みかけだおし」「気まぐれな美人」「闘志」

"アツモリソウ"の名は平敦盛(平氏)からだが、同じアツモリソウ属のクマガイソウは熊谷二郎直実(源氏)から。球状のふっくらした唇弁が、同じく"母衣"に見立てられた。

アツモリソウは上部に穴が空いてあるが、クマガイソウは中心に穴がある。葉は扇形で対生状に大きく開き、はっきりとした筋がとても美しい。山野の樹林に群生する。


クリンソウ[ 九輪草 ]

八ヶ岳 / 7月11日

◾︎ サクラソウ科サクラソウ属 / 5〜7月
◾︎ 花言葉「幸福を重ねる」

4〜5段に段咲きするクリンソウは、見ると「かわいい」を連発してしまう。"九輪"とは、五重塔などの仏塔の屋根の上についている輪のことで、段咲きの姿が似ていることが名の由来。花を9輪つけるからではないのだ(1段に7〜12輪くらい咲く)。

山地や深山の湿地や沢沿いに自生。サクラソウ属の中では最も大型で、高さは40〜80cmになる。下から順に咲いていく。鮮やかなショッキングピンクのかわいらしい花だが、茎は堅くてとても頑丈である。


クルマバソウ[ 車葉草 ]

利尻山 / 6月22日

◾︎ アカネ科ヤエムグラ属 / 5〜7月
◾︎ 花言葉「復活」「永遠の命と歓喜」

葉が6〜8枚車輪状に開き、段になっている。形から名前を覚えやすく、花よりも葉を見つけて「あ、クルマバソウ!」となる。白くて小さな花をつけ、北海道と本州の山地や森の中に自生。


コチャルメルソウ[ 小哨吶草 ]

奥高尾 / 4月2日

◾︎ ユキノシタ科チャルメルソウ属 / 4〜6月
◾︎ 花言葉「謙遜」

名前がユニークで、芸術的な形をしているチャルメルソウ。ツンツンしているものが花弁で、ラッパ状の形が唐人笛(チャルメロ・チャルメラ)に似ていることが由来。チャルメルソウの仲間には、チャルメルソウ、コチャルメルソウ、オオチャルメルソウなど10種類ほどが日本に自生。花弁の切れ込み数と葉の形により区別する。

山地の沢沿いに自生。普通に歩いていると気がつきにくいので、沢沿いの草地はよく観察したい。


サイハイラン[ 采配蘭 ]

礼文島 / 6月25日

◾︎ ラン科サイハイラン属 / 4〜5月
◾︎ 花言葉「人生の勝負師」

武具である"采配"に形が似ているラン科の花ということで、サイハイラン。茎に細長く半開き状の花をたくさんつける。写真は終わりかけのサイハイラン。ラン科の植物はどこか目を引く姿である。


サクラソウ[ 桜草 ]

出典:photoAC

◾︎ サクラソウ科サクラソウ属 / 4〜5月
◾︎ 花言葉「初恋」「純潔」

桜の花に似ていることから名付けられたが構造は異なる。ソメイヨシノなどの桜よりも芝桜に似ていると思う。真ん中に小さな穴が空いている見た目がなんだかかわいい。

色はピンクや白で、葉は長卵形。葉が覚えやすい形をしている。仲間にはオオサクラソウやユキワリコザクラ、絶滅危惧種のイワザクラなど。


ザゼンソウ[ 座禅草 ]

尾瀬 / 5月25日

◾︎ サトイモ科ザゼンソウ属 3〜5月
◾︎ 花言葉「ひっそりと待つ」「沈黙の愛」

花を囲んでいるのは"仏炎苞"。暗紅色で、雪解けの湿原や森の中でちょっと目立つ。岩穴で僧呂が座禅組んでいるように見えることから"ザゼンソウ"と名付けられた。

肉厚の仏炎苞には保温力があり、中の黄色い棒状の花序は発熱して寒さから自らを守っている。別名は「ダルマソウ」。達磨大師に見立てられた。

標高が高い場所や寒冷地の湿地などに自生。花には悪臭がある。ミズバショウと同じような形をしているが、花期はザゼンソウの方が早い。


サンカヨウ[ 山荷葉 ]

荒島岳 / 5月22日

◾︎ メギ科サンカヨウ属 / 5〜7月
◾︎ 花言葉「親愛」「清楚な人」

ハスの葉のことを"荷葉"といい、ハスと同じような葉つきをするのでサン(山)カヨウ(荷葉)。北海道、東北北部、中部地方の比較的標高が高く、夏でも涼しい森などに自生し、雪解け直後に咲くことが多い純白の花。しかし・・・

尾瀬 / 6月7日

雨に濡れるとガラスのように透き通ることが特徴で、触れると割れてしまいそうな感じになる。この美しさにより人気が高い。雨の日に会いたくなる山の花である。


シャガ[ 著莪 ]

日和田山 / 3月29日

◾︎ アヤメ科アヤメ属 /4〜5月
◾︎ 「私を認めて」「友人が多い」

中国が原産で野生化したシャガ。裏山などの低山でよく見られる花。ヒオウギと葉のつき方や形が似ている。ヒオウギの漢名は"射干"で、ヒオウギとシャガを同じものと勘違いして当てはめたことが名の由来。

白または薄青色で、朝に咲いて夕方にしぼむ。地下茎で増えるため、一箇所に群生。色、形ともに"和"の雰囲気はないと感じる、ちょっとチャラチャラした花(個人的な感想)。


ジュウニヒトエ[ 十二単 

岩櫃山 / 4月12日

◾︎ シソ科キランソウ属 / 4〜5月
◾︎ 「高貴な人柄」「強い結びつき」

日本固有種。白や紫の小花が幾重にも重なっている姿を、日本の伝統装束である"十二単"にたとえた。低山や人里近くの雑木林の中などに自生。見た目にインパクトがあるものの色は控えめで、とても毛深い花である。県によっては絶滅危惧種となっているようだが、近場の低山で見られるのであまり危機を感じていない。


ショウジョウバカマ[ 猩々袴 ]

尾瀬 / 6月5日

◾︎ シュロソウ科ショウジョウバカマ属 / 2〜4月 
◾︎ 花言葉「希望」

春の妖精の仲間。低山や丘、野原の湿った場所、日当たりの良し悪し関係なく自生する。花の大きさの割にちょっと太めな茎が愛らしい。

平標山 / 6月9日

薄めのピンクやムラサキ色は、花後、一時的に赤くなる。絵の具で塗ったような色合いである。スーッと伸びた茎上に赤くなった花を垂らし、この姿が能楽に出てくる"猩々"に見立てられた。猩々とは大酒飲みの架空動物で、毛は赤く、猿に似た顔をしている。ササの葉状の葉は地面に伏せて放射状に広がり、その草姿を"袴"に見立てた。


シラネアオイ[ 白根葵 ]

尾瀬 / 6月17日

◾︎ キンポウゲ科シラネアオイ属 / 4〜6月
◾︎ 花言葉「優美」「完全な美」

淡い青紫色の単一色の花びらを大きく広げるシラネアオイ。花も大きいが葉も大きい。直径は5〜10cmほどになり、山を歩いていて気がつかない方が難しい。日光白根山で初めて発見されたと思われる。アオイ科の植物に葉が似るため"アオイ"がついた。標高が高く、夏も涼しい林の中や森陰などに自生。


シュンラン[ 春蘭 ]

出典:photoAC

◾︎ ラン科シュンラン属 / 3月
◾︎ 花言葉「気品」「清純」「飾らない心」

冬に咲く"寒蘭"に対し、春に咲くため"春蘭"。古くから愛でられてきた日本の野生ラン。色は黄緑色で、横向きに5cmほどの花を咲かせる。透き通るようなヒョロヒョロっとした茎で、この手のラン科の植物は見守りたくなる。

「ホクロ」「ジジババ」とうユニークな別名がある。唇弁にある斑紋をホクロに見立てた。また、花びらを取った形が腰の曲がった老人に例えられた。花びらは塩漬けにして蘭茶を楽しむ。


セッコク[ 石斛 ]

photoAC

◾︎ ラン科セッコク属 / 4〜5月
◾︎ 花言葉「私を元気づける」「豊かな笑顔」

中国名の"石斛"を音読みにして"セッコク"と呼んだ。苔むした樹木や沢沿いの岩場に着生する花で、根は露出し、花には芳香がある。

高尾山では、ケーブルカーの駅構内や6号路、1号路で見ることができる。基本的に高い木に自生しており、6号路などでは望遠レンズがないと撮影が厳しい。ケーブルカーの駅構内のセッコクは近くで見られるためおすすめ。


セツブンソウ[ 節分草 ]

出典:photoAC

◾︎ キンポウゲ科セツブンソウ属 / 3月
◾︎ 花言葉「微笑み」「光輝」「人間嫌い」

新暦の節分2月だが、旧暦では立春の前日で現在の3月半ばにあたる。この頃に花期を迎えるため"セツブンソウ"の名がついた。石灰質の土壌に自生し、関東では秩父に多い。白に黄色、紫と特徴のある色合いで、春を告げる花。絶滅危惧種。


センダイハギ[ 千代萩 ]

礼文島 / 6月25日

◾︎ マメ科センダイハギ属 / 5〜7月
◾︎ 花言葉「柔らかい心」

「伽羅先代萩」ときう歌舞伎の演目から名付けられたといわれる。北海道と本州に自生するが、北へ行くほど多く、海辺の日当たりのいい砂浜や草むらを好む。

黄色の花は同じようなものが多いが、センダイハギは形が特徴的なので覚えやすかった。

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タ〜ハ行

チゴユリ[ 稚児百合 ]

奥高尾 / 4月23日

◾︎ イヌサフラン科チゴユリ属 / 4〜5月
◾︎ 花言葉「私の小さな手をいつも握って」「恥ずかしがりや」

小さい花という意味で"チゴ"、ユリの花と構造が同じなので"ユリ"とついた。林内に自生し、茎の先端に1cm前後の純白で俯き加減の花をつける。

ユリは大きめの花なので、それがミニマムになると名前と形のギャップのせいか、とてもか弱い印象を受けて守りたくなる。小さいというのもそうだが、花言葉を知ってしまうと・・・ね。


ツバメオモト[ 燕万年青 ]

平標山 / 6月9日

◾︎ ユリ科ツバメオモト属 / 5〜7月
◾︎ 花言葉「和解」「崇高な精神」「長命」

イワツバメが飛び交う頃に咲き、葉が常緑多年草のオモトに似ることが由来。個人的に名前をなかなか覚えられなかった花。"オモト"が出てこなかったのである。葉は大きく開き、見た目はまさにユリ科。白い小ぶりな花をつけ、何か主張しているようである。


トキソウ[ 朱鷺草 ]

尾瀬 / 7月3日

◾︎ ラン科トキソウ属 / 5〜7月
◾︎ 花言葉「幻の愛」「届けたい想い」「控えめ」

湿地に咲く、淡いピンクがとても上品な花。朱鷺が翼を広げたときに見える朱鷺色に似ていることから"トキソウ"。5枚の花びらのうち外側3枚が反転し、パタパタと飛んでいってしまいそうな形をしている。色、形ともにとても美しい。尾瀬の湿原の中で、一際好きな花である。


ナルコユリ[ 鳴子百合 ]

利尻山 / 6月22日

◾︎ クサスギカズラ科アマドコロ属 / 4〜5月
◾︎ 花言葉「気品のある行い」「懐かしい音」「心の痛みがわかる人」

筒状の花がいくつか並んでぶら下がる姿が、田んぼに仕掛ける"鳴子"に似ていることから。アマドコロなどと似ているが、アマドコロよりも葉は細く茎は丸い。ナルコユリは、花柄と花の接続部に緑色の突起があることがポイント。

ホウチャクソウも同じような色合いをした釣鐘形の花。微妙な差だが、花は一番大きい。はじめはしっかり見比べないと、どれがどれだかわからない。


ニリンソウ[ 二輪草 ]

南高尾 / 4月25日

◾︎ キンポウゲ科イチリンソウ属 / 3〜4月
◾︎ 花言葉「友情」「協力」「ずっと離れない」

落葉樹林の林床や森陰などに群生する"スプリング・エフェメラル(雪解けの頃に姿を現し、夏前に消えていく春の妖精)"の一つ。山菜にも薬草にもなることから、アイヌ語では"汁ものに入れる草"という意味の「オハウキナ」と呼ばれる。

高尾山や上高地(6月初旬〜中旬)のニリンソウの群生は見事で、ファンの多いかわいい春の花。白と緑がシンプルで、クラシックな形がなんとも愛らしい大好きな花である。

必ず1輪と決まっているイチリンソウに比べて、ニリンソウは2輪とは限らない。花によって1〜4輪咲く。ちなみに、サンリンソウも3輪とは限らない。


ネコノメソウ[ 猫の目草 ]

石裂山 / 4月20日

◾︎ ユキノシタ科ネコノメソウ属 / 4〜3月
◾︎ 花言葉「謙虚」「誠実」「気まぐれ」

ネコノメソウの仲間は他、ヤマネコノメソウ、ツルネコノメソウ、ヨゴレネコノメソウ、ハナネコノメなどなど。いずれも花弁はなく、萼や葯などが色づく。山地の湿った場所に自生。

ヤマネコノメソウ 奥高尾 / 4月2日:蒴果が割れて種子が見えた状態

花後、実ができるとその先端に裂け目ができて中のタネが見える。それが猫の瞳孔に見えることで名がついた。わかりやすい形をしているため、草地でも見つけやすい。


バイカオウレン[ 梅花黄蓮 ]

熊野古道小辺路 / 4月9日

◾︎ キンポウゲ科オウレン属 / 3〜5月
◾︎ 花言葉「2度目の恋」「情熱」「魅力」「忍ぶ恋」

早春、山地の雑木林や森の湿った場所に自生。「オウレン」と名のつく花はいくつかあるが、これは根が黄色いことから。バイカオウレンは"白梅"に似ることに由来する。白い花びらに見えるのは萼片で、中心の黄色い棒が花弁。

小さくて可憐な花だが、上を向いて力いっぱい萼片を広げて咲く姿には元気をもらえる。


ハナイカダ[ 花筏 ]

高尾山 / 4月23日

◾︎ ハナイカダ科ハナイカダ属 / 4〜6月
◾︎ 花言葉「嫁の涙」「気高い人」

葉の主脈上に咲くとてもユニークなハナイカダ。この花を知ったときは見たくて仕方がなかった。見た目通り、花を乗せた葉を筏に見立てて名づけられた。樹高1〜2mほどの低木。花後、8〜10月頃には紫黒色の実をつける。

葉と同じような淡緑色の小花なので見過ごしてしまいがちだが、春の森では葉っぱにも注目したい。

葉の裏から。太陽に透けると、花の影がアートになる。


ハナネコノメ[ 花猫の目 ]

photoAC

◾︎ ユキノシタ科ネコノメソウ属 / 3〜4月
◾︎ 花言葉:特になし

ネコノメソウの中で、一番花らしい見た目のハナネコノメ。白色の萼片が花弁状に4枚つく。山地の渓流沿いなど湿った場所を好む多年草で、見た目のかわいさからネコノメソウの仲間の中で人気が高い。

先端に真っ赤な点をつけて飛び出しているのは雄しべ。白と赤のコントラストがかわいくて、これまた毎年逢いたくなる花だが、花粉の時期で久しく見ていない。


ハルリンドウ[ 春竜胆 ]

photoAC

◾︎ リンドウ科リンドウ属 / 3〜5月
◾︎ 花言葉「高貴」「真実の愛」

竜胆といえば秋の花のイメージだが、春に咲く竜胆もある。タテヤマリンドウと非常によく似ているが、春竜胆は平地や低山に自生。ハルリンドウを高山型にしたものがタテヤマリンドウ。

タテヤマリンドウよりも花が大きめで、色も濃い目。細かい部分では葉の違いなどを見るようだが、正直、とても難しくて実物を並べて見比べたい。どこから高山になるのかもわからない。両者ともに一つの茎に一つの花をつけるが、ハルリンドウの方が群生しやすいようで。


ヒトリシズカ[ 一人静 ]

奥高尾 / 4月16日

◾︎ センリョウ科チャラン属 / 4月
◾︎ 花言葉「静謐」「隠された美」

名前の割に地下茎で殖えて群生しているヒトリシズカであるが、白い花穂を一つ立てて佇んでいる。源義経の恋人である静御前が一人で舞う姿に見立てられた。

美しいと思うかは人それぞれだが、ブラシ状の独特な見た目で、白くのびるのは花弁ではなく雄しべ。葉は4枚つき、テカテカと光沢がある。岡山・香川・九州北部に"キビヒトリシズカ"が自生しているが、そちらは葉に光沢がない。


フクジュソウ[ 福寿草 ]

出典:pixabay

◾︎ キンポウゲ科フクジュソウ属 / 2〜3月
◾︎ 花言葉「幸せを招く」「永久の幸福」「悲しき思い出」

まだ色の少ない早春の雑木林を、濁りなき鮮やかな黄金色で彩るフクジュソウ。お正月の縁起物に用いられ、「一番に春を告げる草」という意味の"福告ぐ草"という言葉が使われていたが、さらにめでたい"寿"に差し替えられた。

現在でも、春一番の山の花といえばフクジュソウ。低山では2月頃から先出し、冬の寒さにぬくぬくしていると見過ごしてしまう花である。野生のものは非常に少なく、絶滅危惧種。


フタリシズカ[ 二人静 ]

出典:https://forest17.com/

◾︎ センリョウ科チャラン属 / 5〜6月
◾︎ 花言葉「いつまでも一緒で」「静御前の面影」

ヒトリシズカに対してフタリシズカ。静御前の亡霊が取り憑いた女と、静の亡霊が同じ姿で踊るという、能の「二人静」に由来。しかし、花穂は2本と定まっておらず、1〜4本と個体によってさまざま。地味といわれる花だが、雄しべが雌しべを包み込んでいるまんまるの小花が愛らしい。


フデリンドウ[ 筆竜胆 ]

出典:photoAC

◾︎ リンドウ科リンドウ属 / 3〜5月
◾︎ 花言葉「真実の愛」「正義」「誠実」「高貴」

ハルリンドウと同じく春に咲くフデリンドウ。こちらも、ハルリンドウとの見分けが〜!といわれるが、フデリンドウは一つの茎に多数の花をつけるため、見た目は一目瞭然。また、乾いた明るい林床に自生することもハルリンドウとは異なる。

太陽の光を受けると青紫色の花を開く。花が閉じた形を筆の穂先に見立てたことが名の由来。


ホテイラン[ 布袋蘭 ]

出典:https://suu-haa.jp/news/area/nanshin/tag/%E4%BC%8A%E9%82%A3%E5%B8%82/

◾︎ ラン科ホテイラン属 / 5〜6月
◾︎ 花言葉「君を忘れない」

いかした髪型をしているホテイラン。唇弁の下には髭のように見える2又の距があり、とってもワイルド。ラン科の花はユニークだが、ホテイランにはロックを感じる。

鮮やかなピンク色で、1本の茎に1つの花。葉もシンプルである。植物学者の牧野富太郎が「最も美しい野生蘭」と称えた。一部の地域にしか自生していない絶滅危惧種。実物を見たことがないため、なんとか生き永らえてほしいと願う花。

"ヒメホテイラン"というものもあり、こちらは唇弁下に2又の距が出ていない。

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マ〜ワ行

マイヅルソウ[ 舞鶴草 ]

利尻島・ポン山 / 6月22日

◾︎ クサスギカズラ科マイヅルソウ属 / 4〜5月
◾︎ 花言葉「清純な少女の面影」

直径1mmほどのとても小さな花。葉を2枚広げた姿を鶴の舞に見立てた。4枚の花びらは反転し雄しべが出ているが、その姿がとても愉快。万歳をして踊っているようである。"舞う"という言葉だけなら、葉よりも花がお似合い。

標高の高い林内などに群生している。葉がわかりやすいので、花がなくても存在感抜群。


マムシグサ[ 蝮草 ]

出典:photoAC

◾︎ サトイモ科テンナンショウ属 / 4〜5月
◾︎ 花言葉「壮大な美」

花(仏炎苞)の形が舌を出す蛇に似ている。そして、茎にはまだら模様があり、それがマムシの模様に似ていることから。山を歩いていると、「あった」というよりも「いた」と思うような花である。

他、テンナンショウの仲間ではミミガタテンナンショウやウラシマソウ、ユキモチソウなど。実は真っ赤になり、密集していて不気味である。

テンナンショウ属は受粉戦略がとても面白い。仕組みを知ると、花をパカっと半分にしたくなる。

毒をもち、性転換し、昆虫をあざむく! 「マムシグサ」の仲間のすごいヒミツ|記事カテゴリ|BuNa - Bun-ichi Nature Web Magazine |文一総合出版
毒をもつ、性転換する、昆虫をあざむくという変わった特徴を兼ね備える植物・マムシグサ。「有毒!注意!危険植物大図鑑」を執筆した保谷彰彦さんが、その3つの特徴について解説します。


ミズバショウ[ 水芭蕉 ]

尾瀬 / 5月30日

◾︎ サトイモ科ミズバショウ属 / 5〜7月
◾︎ 花言葉「美しい思い出」「変わらぬ美しさ」

言わずと知れた尾瀬のアイドル。花後に展開する大きな葉が、中国原産の"バショウ"の葉に似ている。そして、湿原や沼、水の湧き出る水辺に自生するためミズバショウの名がついた。

白いのは仏炎苞で、その中にある棍棒状のものが花穂。ミズバショウはクマの大好物で、花の見頃が終わり、花穂がのびて食べ頃になると湿原に出てくる。また、鹿の遊び道具でもあり、ポキポキ折られているものは鹿の仕業。

礼文島 / 6月25日

咲きはじめはなんとも愛らしいミズバショウだが、巨大化してくるとかわいさはなくなる。葉はどんどん大きくなるが、礼文島で見たものは背丈ほどのオバケ級に成長していた。


ミスミソウ[ 三角草 ](別名:ユキワリソウ)

出典:pixabay

 

出典:pixabay

◾︎ キンポウゲ科スハマソウ属 / 3〜4月
◾︎ 花言葉「自信」「信頼」

雪解けとともに顔を出す、かわいくて逞しい春の花。3つに裂けた葉の角がどれも尖るため"三角草"。別名は「ユキワリソウ」で、この名の方が一般的に知られている印象。雪が解ける頃、雪を割るような姿で花を咲かせることから名がついた。早春の風物詩として親しまれている。

東北〜九州まで分布するが、日本海側の山地に多く自生。白、ピンク、淡紫など色は変化に富んでいる。


ミツバツツジ[ 三葉躑躅 ]

八ヶ岳 / 6月1日

◾︎ ツツジ科ツツジ属 / 3〜5月
◾︎ 花言葉「節制」「抑制のきいた生活」

春に山を彩る落葉低木。ツツジの中では開花が早めで、葉に先立って紅紫色の花を咲かせる。3枚の葉が輪生することが名の由来。品種や変種がとても多いため、山に咲く代表的なツツジだけ覚えたい。


ミツマタ[ 三椏 ]

焼森山 / 3月23日

◾︎ ジンチョウゲ科ミツマタ属 / 3〜4月
◾︎ 花言葉「強靭」「壮健」

三つ叉に分かれた枝の先に、ポンポンのような丸くて可愛らしい花を咲かせる。ミツマタは、和紙や紙幣の原料として用いられてきた。白→黄色→白と変化していく。黄色がよく知られるミツマタだが、赤いものもある。

関東では栃木県の焼森山が有名で、針葉樹林の中に漂うビタミンカラーは、まさに森の妖精のようである。花粉を我慢しても逢いたい花。


ミヤマエンレイソウ[ 深山延齢草 ]

尾瀬 / 6月12日

◾︎ シュロソウ科エンレイソウ属 / 4〜5月
◾︎ 花言葉「奥ゆかしい美しさ」

エンレイソウに似ていて、より深山に自生することが名の由来。別名は"シロバナエンレイソウ"で、こちらの名で呼ばれることが多い印象。根っこは江戸時代から薬草として知られている。3枚の花びらがついた純白の花が、大きな葉に守られているよう。森の中にひっそりと咲き、大変奥ゆかしい。


ミヤマカタバミ[ 深山傍食 ・深山酢漿草]

西大台 / 5月9日

◾︎ カタバミ科カタバミ属 /5〜9月
◾︎ 花言葉「母親の優しさ」「喜び」

カタバミは、日が陰ったり夜になると葉を閉じる。その姿が、片側を食べられたような形に見えることから"カタバミ"と呼ばれた。

ミヤマカタバミは低山にも自生しているが、市街地でもカタバミ類は多くあり、区別するために"深山(ミヤマ)"がついた。亜高山帯に自生する「コミヤマカタバミ」は、葉が小さく角は丸みを帯びている。


ムラサキケマン[ 紫華鬘 ]

石裂山 / 4月20日

◾︎ ケシ科キケマン属 / 4〜6月
◾︎ 花言葉「喜び」「あなたの助けになる」

紫色の細長い筒状の花が多数つく。メダカのような小魚が泳いでいるように見える花である。"華鬘"とは仏像の胸あたりの装飾品のこと。ケマンソウは花が華鬘の形に似ているが、ムラサキケマンは似ていないが、近縁という理由で"ケマン"がついた。

南高尾 / 4月4日

黄色の"ミヤマキケマン"もある。


ヤマエンゴサク[ 山延胡索 ]

尾瀬 / 6月1日

◾︎ ケシ科キケマン属 / 4〜5月
◾︎ 花言葉「思慮深い」

距が長く突き出したユニークな姿は、ムラサキケマンなどと同等の形。昔は、このような距の長い花で引っ張り相撲が行われていた。青紫、または紅紫色をしている。北海道〜本州中部以北に分布する青紫色の"エゾエンゴサク"や、東北に分布する"ミチノクエンゴサク"などがある。

"エンゴサク"が正しく覚えられず、ずっと"エンゴグサ"と言っていた。これも漢字で覚えた方が間違えない。


ヤマシャクヤク[ 山芍薬 ]

出典:pixabay

◾︎ ボタン科ボタン属 / 4〜6月
◾︎ 花言葉「恥じらい」「はにかみ」

シャクヤクは中国から薬として渡来した花。日本の山で、シャクヤクの葉と蕾が似ているものが見つかり"ヤマシャクヤク"と名付けられた。シャクヤクは花びらが多く豪華な見た目だが、ヤマシャクヤクは清楚な白い花びらが一重だけ。

ボタン科ボタン属というだけあって、まさにボタンのようである。


ヤマツツジ[ 山躑躅 ]

南高尾 / 4月25日

◾︎ ツツジ科ツツジ属 / 4〜6月
◾︎ 花言葉「燃える思い」

春の山を歩くと、ミツバツツジのピンクとともに鮮やかな朱色のヤマツツジが目に入る。新緑とのコントラストがとても美しい。

山に咲く赤いツツジでは、他に"レンゲツツジ"があり、大和葛城山が有名。レンゲツツジはツツジの中でも最大で、ヤマツツジよりも大きい。また、一つの枝に2〜3個の花をつけるヤマツツジに対し、レンゲツツジは2〜8個とたくさんの花をつける。

南高尾 / 4月25日

春は、南高尾が楽しいのです。


ヤマブキソウ[ 山吹草 ]

奥高尾 / 4月2日

◾︎ ケシ科クサノオウ属 / 4〜5月
◾︎ 花言葉「すがすがしい明るさ」

バラ科のヤマブキの黄色と同じ花色というだけで名がついた。他の共通点は特にない。明るいヤマブキ色に春のエネルギーを感じる。平地でも山でも見られる一般的な花。


ヤマルリソウ[ 山瑠璃草 ]

高尾山 / 4月4日

◾︎ ムラサキ科ルリソウ属 / 4〜5月
◾︎ 花言葉「家族への思い」「私は考える」

"ルリ"は瑠璃色のこと。よく似たルリソウと区別するために"ヤマ"がついた。山の沢近くを好む花で、綺麗に丸く形どられたとても可愛らしい花。よく群生している。

花の割に葉は大きめ。咲きはじめは赤っぽい、紫っぽい色合いで、徐々に瑠璃色になっていく。


ユリワサビ[ 百合山葵 ]

出典:photoAC

◾︎ アブラナ科ワサビ属 / 3〜5月
◾︎ 花言葉「目覚め」「嬉しい涙」

ユリ似た球根ができ、葉を揉むとワサビの匂いがすることから"ユリワサビ"。別名は「ハナワサビ」。葉もワサビに似ている。沢沿いの湿った場所に自生。


ヨゴレネコノメ[ 汚れ猫の目 ]

奥高尾 / 4月12日

◾︎ ユキノシタ科ネコノメソウ属 / 4〜5月
◾︎ 花言葉:特になし

沢沿いのやや暗い場所に自生する。暗紅色を帯びるため、ネコノメソウの仲間の中では見分けがつきやすく、見つけやすい。葉に灰白色の斑紋があり、それが汚れに見えることが名の由来。


リュウキンカ[ 立金花・立金華 ]

尾瀬 / 5月25日

◾︎ キンポウゲ科リュウキンカ属 / 4〜7月
◾︎ 花言葉「必ず来る幸福」「富」

沼地や湿地帯に自生し、光沢のある黄色はまさに金色。漢字の"立"は茎が立ち上がる性質を、"金花"は黄色の花を意味している。雪解けの尾瀬ではミズバショウとともにいたるところに見られるビタミンカラーで、花期も長め。

花びらは5〜6枚が多いが、たまに7〜8枚くらいある豪華なリュウキンカも。水の中に咲いていると、とても美しい。

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おすすめの花図鑑

種類が多すぎて何を選べばいいかわからない図鑑ですが、個人的には"名前の由来・背景"が書かれているものが面白いと思います。覚えようとしてもなかなか頭に入らない花もありますが、由来を聞くとなるほど〜と。


ヤマケイ文庫から出ているこのシリーズは特におすすめ。とても面白いです。このブログをまとめるにあたって、参考にさせていただきました。春・夏・秋冬と季節ごとに分かれています。


写真ではなく絵で紹介されている、絵本サイズの本。山の花ではなく身近な花を紹介した本ですが、豆知識がいっぱいで大人もすごーく楽しめます。


原寸大やアップの写真によって顕微鏡を除いている気分になる図鑑。細かい構造などがよくわかり、宝石を見ているような気分。こちらも山の花ではないですが、何気ない道端の草花だってとても美しいのだ!ということに心を打たれます。


柔らかい写真と文章に癒される草の辞典。食べ方や花飾りなどに関するレシピや豆知識がちょこちょこ紹介されてあて、丁寧な暮らしを心掛けたいと思う本。道端の草花から山に咲く花までさまざま。

花や野鳥観察がより楽しくなる!山歩きのお供には双眼鏡のレンタルもおすすめです。

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花の山に行こう!【春】

冬が終わりに近づくと、「今年はどこに何を見に行こう?」と自然と考えています。花を中心に山を考えるのも楽しいですね。3〜5月頃に行った、行きたい花の山を少しご紹介(3月は花粉症により、低山は基本的に避けています…)

角田山
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ユキワリソウやカタクリなど、春の妖精がたくさんいる新潟の低山。コースは豊富で行程も短く歩きやすい。日本海の絶景。毎年春に行こうと思うものの、花粉症にやられていまだに行けていない…

高尾山 (南高尾・奥高尾)
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春といえば高尾山。花といえば高尾山。低山ながら植生はとても豊かで、「あれもあるの!?」「これも咲いてるの!?」と山歩き当初から何度なく驚かされてきたホームマウンテン。春は、南高尾と奥高尾を必ず訪れます。スミレの宝庫でもあるので、毎年勉強中(スミレ、難しい…)。

藤原岳・霊仙山
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この2座にはフクジュソウを見に行きたいと思っていますが、やはり花粉により毎年躊躇してしまう・・・

筑波山
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筑波山はツツジの山。4月下旬頃〜ヤマツツジ、トウゴクミツバツツジ、クルメツツジなど、たくさんのツツジが山を染めていきます。筑波山はご無沙汰していますが、ツツジに彩られた登山道はとても素敵でした。

大和葛城山
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レンゲツツジで有名な大和葛城山。まだ見たことはないのですが、金剛山とともに縦走する"ダイヤモンドトレイル"を歩きながら見に行きたいと思っている山です。

赤城山
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ツツジの仲間である"アカヤシオ"。赤城山では「アカギヤシオ」とも呼ばれています。4〜5月頃に各山域で見頃を迎え、かわいいピンクの花が山に色を添えます。アカヤシオは栃木県と群馬県を中心に見られる花で、石裂山に見に行きました。赤城山ではところどころでアカヤシオを見ることができます。

花の百名山を歩くのも素敵ですね

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最後に

山の花を描いたてぬぐいを販売しております。お花好きな方へのプレゼントにもどうぞ。よろしければ、オンラインストアをご覧ください。

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自然の中の"あ、いいな"を形にするものづくり

最後までお読みいただき、ありがとうございます。花を覚えると、山歩きが楽しくなりますね。

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