2021.10.27(水)
天気:晴れ☀︎
気温:10℃前後
風:北西 3〜5m/s
歩き人たかちです。
九州の山旅、鶴見岳由布岳の次に向かったのは九重連山。
ずっとずっと恋焦がれていた九重。日程、天気、台風による土砂災害、コロナなどでなかなか行けず、ようやく訪れることができました。行きたいと思ってから何年経ったことか…
九重といえばミヤマキリシマ。しかし、秋のススキが揺れる九重にも一目惚れ。どちらも狙っていましたが、はじめてのご縁はススキでした。
九重連山は登山不可のピークも合わせると全部で29座、1700m超が9座あり"くじゅう17サミッツ"と呼ばれています。
地図を見るだけでもどこをどう周ろうか悩んでしまいます。できれば2泊くらいで全部周りたいですが、ミヤマキリシマでの再訪を誓って今回のメインは"坊ガツルのススキ"と"久住山"にしました。紅葉ならば"大船山"が有名ですが、昨年に比べて紅葉が結構遅れているとの情報で、ススキを優先。
自然を前にするといつもちっぽけな自分を感じますが、九重連山では圧倒的にちっぽけでした。
◾︎電車
由布院駅(9:20)→豊後中村駅(9:38)
◾︎コミュニティバス
豊後中村(10:03)→九重登山口(10:41)
*飯田コミュニティセンター乗り換え、500円
*通常であれば由布院駅から"九州横断バス"で長者原へ行けますが、運休だったため豊後中村駅からのコミュニティバスで向かいました。
*九州横断バス(産交バス)*
*九重町コミュニティバス*
ススキ揺れる「タデ原湿原」
朝風呂を堪能し、居心地のいい"由布院らんぷの宿"ともお別れ。
利尻島のように、街から由布岳が高々と聳え、つい見上げてしまいます。由布院の人たちは、由布岳を見ると帰ってきたと思うんだろうなあと想像すると羨ましい。誰でも"あ〜帰ってきたなあ"と感じるものはあると思いますが、それが山っていうのは素敵。
駅に向かっていると、後方からパカラッパカラッと馬がやってきました。観光で乗ることができるようです。
観光地らしい駅。
ホームに向かう階段から綺麗に見えました。猫耳さよなら。
豊後中村まで2駅。"DIESEL"と書かれた1両の可愛い赤い電車。
豊後中村駅はノスタルジー溢れる駅舎。待合のベンチに手づくりの座布団置いてあるの好き。
コミュニティバスに乗った登山者は3人。地元の方と関西の方。
"九重夢大吊り橋"で観光の人が2人くらい降りました。
ここから九重連山まで"九州オルレ"の九重やまなみコースを歩くことができるので、ちょっと気になっている場所。途中にはキャンプ場もあるし、次回はここから歩こうか。九州オルレもいろいろ歩きたい道です。有名な観光地ですが、平日だからか駐車場はガラガラでした。
*九州オルレ*
飯田コミュニティセンターでバスを乗り換えます。
九重登山口である長者原に到着。
目の前には、今年の7月に移転オープンしたモンベルルーム。外からチラ見すると、九重のミヤマキリシマデザインの限定Tシャツが入口に置いてありました。
レストハウスには特に寄らず、準備を整えタデ原湿原へ。
今回ルートを散々迷いました。久住山と大船山を両方登るなら1日目に牧ノ戸峠から久住山を経て坊ガツル、2日目に大船山というのが時間的にベストですが、長者原のタデ原湿原を見てみたかった。
竹田市方面に下る関係で長者原には戻らないし、大船山の紅葉はまだちらほらで、今年はあまり色付かないまま終わるのでは?とも言われていました。九重の紅葉も楽しみにしていましたが、それ以上にススキの風景を見たかったので、大船山は行けたらでいいかと。
しかし、タデ原湿原の木道を歩き始めてすぐ、大船山は諦めました。
これぞ!というススキススキススキ。
こんな気持ちがいい場所をスタスタ歩けるはずもなく、爽やかな風に揺れるススキとともに、私も穏やかな風に吹かれていました。
ススキの名所はたくさんあるし、伊豆の天城山から縦走した三筋山もすごく綺麗でした。でも、木道を歩きながらススキを見るのは初めてかな。三俣山を望みながら歩くのがとても素敵です。
天気はいいですがそれほど人も多くなく、長閑なススキ鑑賞。会う人みんな「気持ちがいいね〜」とニコニコ。あっちで座りこっちで座り、ようやく坊ガツルへの自然研究路に入ります。
森好きの森。タデ湿原-雨ヶ池越
*タデ原湿原分岐-雨池ヶ越:CT 1時間10分*
坊ガツルのススキにもワクワクしながら自然研究路へ。しかし、この道が本当に本当に綺麗でした。
緩やかな傾斜に広がる自然林。タデ原湿原は少し暑さがありましたが、樹林帯に入るとマイナスイオンたっぷりでひんやり。
自然研究路とか自然探索路という道は大抵素敵な森が広がっていますが、ここは好みど真ん中。
歩きやすい道幅、緩やかな傾斜、美しく広がる広葉樹林。川が流れ、苔が鮮やかに映え、鳥が囀り、風がサラサラと抜ける森。
↓長者原自然研究路の森↓
森が大好きなのですが、ハンモックを張って一日中揺られたい、一日中ブラブラ散歩したい、永遠にぼーっとしていたい、そんな森でした。紅葉はこれからでしたが、想像しただけでも脳内鮮やか。新緑のフレッシュグリーンも最高だろうな。
長者原から自然研究路のみ、ぐるーっと周ることができるので、ちょっとした散策にも◎
深呼吸したくなる森がしばらく続きます。珈琲飲みたい。
足元は九重特有の黒土。とても滑りやすい土なので、傾斜が緩やかとはいえご注意。
進むごとに岩の多い道となり、傾斜が少しずつ増していきます。
紅葉も進む。綺麗に色づいている葉もありました。
ルンルン。
目の前がぱあーっと開けて木道歩きになりました。
三俣山は見る角度によって全く違います。
この辺りが"雨ヶ池"になるのですが、雨が降り続くと池になるとのこと。要は大きな水溜り。雨の日の特別な池。
どこもかしこもロケーションがいいので、休憩するにはもってこい。
ススキ野原。雨ヶ池越-坊ガツル
*雨ヶ池越-坊ガツルキャンプ場:CT 40分*
雨ヶ池越からも緩やか。
途中で坊ガツルキャンプ場が見えました。広い…下りたらどれくらいの広さなのか。
大船山も由布岳に負けず劣らずの猫耳。
アセビのトンネル。
長者原から入って良かった。すべてがよい。
コミュニティバスに乗っていた関西の方は、長者原のもう少し先の"大曲"という場所で降りて、三俣山を登ってから坊ガツルキャンプ場に行くとのことでした。"大曲"はバス停ではありませんが、コミュニティバスの通り道なので運転手さんに言えば降ろしてもらえるようです。
三俣山も悩んだので心が揺れましたが、初めての九重なので今回はこの森を歩けてよかった。
石畳の道なり、トントン歩いていると・・・
ズバーーーっと開けました。
すごい・・・これが坊ガツル。
これでもかというほどのススキたち。
爽やかです。秋です。
思わず「何だここは!」と口にしてしまったほど。さきほど上から見ましたが、その映像はリセットされるほど圧巻でした。
法華院山荘関係の車などが出入りするので、歩きやすい砂利道となっています。
九重連山に囲まれた地。平治岳、大船山、三俣山・・・どれもこれも大きいなあ。
13時半前に坊ガツルに到着。テントをパッと立ててサクサク歩けば日没までには大船山を往復できそうでしてが、それでは坊ガツルでまったりできない。
ゴツゴツした大船山はかっこいいけど遠い。ミヤマキリシマの時期に平治岳と合わせて登りに来よう。九重連山は、一度ではとても満腹にはならないということがよくわかりました。大きすぎる。
以前の自分なら確実に大船山に行ったと思います。そのために自然研究路もさっさか歩くはず。しかし、山を歩けば歩くほど目に飛び込んでくるものが多くなり、いつしかそういう歩き方はやめました。それよりも、周りのものをたくさん吸収したい。
「大船山に登らないのはもったいない」とも言われましたが、それでいい。"もったない"思考になると、五感が弱くなり見落とすものが多くなる。その思考で後悔している道もたくさんある。また来ればいい。
坊ガツルキャンプ場は1500張可能という広大なテント場。トイレと炊事棟は一つずつなので、その周辺が人気です。ススキの中には点々とスペースがありますが、伸びたススキは迷路のようで、この時期あまり奥に入り込むと迷子になりそう。
ススキの中はプライベート空間のようで、それはそれで良さそうですが、手前にしておきました。ペグは刺さりやすい◎
トイレは男女別で汲み取り式、いわゆるぼっとん便所。女性用は個室が4つありました。トイレットペーパーはなかったので、日帰りで利用する場合も持ち歩いた方がいいです。
炊事棟の水は冷たくて美味しい◎水のことを考えなくていいのは幸せです。
坊ガツルには避難小屋もあります。中は見ていませんが、寒い時期は避難小屋も良さそう。結構混むのかな?
テントを張ったらお散歩。
暑くなく、寒くなく、湿気がなくて最高。ススキの一部になりそうな気持ちよさ。
↓坊ガツルのススキ↓
法華院温泉山荘まで行ってみました。温泉に入りにまた行きますが、とりあえず。
季節を間違えちゃった子たち。狂い咲きのミヤマキリシマがちらほらありました。集団で咲くと埋もれてしまいますが、これなら個々に目が留まります。
ご立派。
テント場はこじんまりした感じですが、坊ガツルを含めた平治岳と大船山の眺めがよい。温泉が近いのもいいですね。
売店にはいろいろありました。
久住山のバッジは残念ながら売り切れ…長者原のレストハウスにも何かしら売っていると思いますが、"久住山"はないのかな?牧ノ戸峠のレストハウスは九重の山々に加えて阿蘇山や祖母山、韓国岳など九州のバッジが結構揃っているという噂。困ったら牧ノ戸峠のようです。
テント場に戻る。
時間がたっぷりあるので、珈琲を飲みながらゴロゴロ。至福。うん、坊ガツルはこうでなくちゃ。
温泉は小屋の夕飯に合わせて行こうと思って(少しでも混雑回避)16時半頃ダラダラ準備。小屋の夕食は17時とか17時半かなーと思っていましたが、実際は18時でした。
日が陰ると一気に冷える。
再び。
法華院山荘温泉の日帰り入浴は¥500ですが、モンベルの会員カードで半額になります。半額になることを知らなかったので、カードを提示して「¥250です」と言われてびっくり。安い。
温泉に向かうと、扉の前に札がありました。表裏で「使用中」と「空いています」の文字。入るときにひっくり返し、出たらまたひっくり返す。何人入っているかわかるようになっていました。
10枚くらいある札が9枚使用中。あら、混んでたか…と思いつつ入ると、湯船には小屋泊の方が6人ほど。8人くらいまでがゆっくり入れる大きさでした。
すぐ5人くらい一気に上がったので、残った人たちとお話しながらゆったり温泉に浸かりました。
温度は38〜39度くらいで、ぬるめの温泉。いつまでも入っていられる温度だったので、夕日でオレンジに染まる大船山を眺めながら結構長く入っていました。
満足してテント場へ。
テント内でも白い息。すごく冷えそうな感じだったので、インナーダウン、化繊ジャケット、レインパンツと、あるものを着込み就寝。実際、予想を超えて冷え込みました…
今日はどこにも登らず、ススキと森を堪能した1日。2日目は、九州本土最高峰の中岳と久住山を周回します。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
よろしければ、応援よろしくお願い致します。
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