歩き人たかちです。
靴下は5本指が好きです。歩く距離が長ければ長いほど。
今回は、お遍路で使用した「TABIO SPORTS レーシングラン 5本指ソックス」をご紹介します。
靴下屋はカジュアルなイメージが強く、スポーツとしてもあまりピンとこなかったのですが、1200km歩いてみてなかなかいいなと。日帰り登山や走る系のアウトドア、スポーツには最適だと感じました。
TABIO SPORTSとは?
靴下の老舗メーカーであるタビオ株式会社。「靴下屋」や「Tabio」など8つのブランドがあります。「TABIO SPORTS」もその1つで、ランニングをメインにしたラインナップを揃えています。
普通のランニングからトレイルランニングまで、幅広く愛されているTABIO SPORTSの靴下。
お遍路を歩くにあたり5本指靴下を探し、使用してみることにしました。
TABIO SPORTS
5本指のいいところ
◾︎ 蒸れにくい
◾︎ マメができにくい
◾︎ 指の感覚が鋭い(力を入れやすい)
脇と同じように足には汗腺が多く、汗をかきやすい部位。筒形の靴下は指の間に生じた汗をうまく吸収できませんが、5本指はしっかりと吸収し足をドライに保ちます。高温多湿になりにくく、不快な蒸れを軽減してくれます。
靴擦れやマメは、汗や湿気で柔らかくなった皮膚が靴や靴下と擦れ合うことで生じます。そのため、足をドライに保つことはマメ予防には必須。
そして、指を独立して動かせるので小指や薬指もしっかり可動。筒形に比べて1本1本の指に力が入るため踏ん張りが効きます。足裏感覚が強く、大地をしっかり踏みしめられることが5本指ソックスの大きなメリットです。
ちなみに、保温性は空気量の多い筒形の方が高いです。冬場は5本指だと寒さを感じることもあるため臨機応変に。
TABIO SPORTSを選んだ理由
画像出典:TABIO SPORTS
登山用でも5本指のラインナップは少なからずあります。しかし、TABIO SPORTSにした大きな理由は2つ。
◾︎ 足裏の滑り止めが良さそう
小さいサイズがある
ーーーーーーーーーーーー
私の悩みは身長のみならず足も小さいこと。実測22cmほど。靴下においても選択肢は限られます。
靴下は、生地に余りがあると皮膚と擦れ靴擦れやマメの原因となります。逆に、きつい(小さい)と血行を悪くしてしまうので、実測でサイズを選びます。
TABIOのレーシングランのレディースは一番小さいサイズが「21〜23」。このサイズがあるアウトドア用の靴下というのはそれほど多くありません。大手メーカーであれば選択肢は広がりますが、5本指とかガレージメーカーのものを選ぼうとすると一気に狭くなります。
本当はウールの靴下がよかったので、「injinji」も検討しました。
画像出典:mountain-products.com
女性用もありますが、サイズが「XS/S 21.5~25.0」というサイズ。21.5~25って、なんかすごく幅広くないか?と心配になりました。足指の長さも余ってしまうかもしれないし、合わない可能性が高いのでやめておきました。
しかし、アウトドアの5本指ソックスとしては高評価。ウール素材もあるし、サイズが合えば試してみたいソックスです。
*レーシングランの5本指にもウール素材はあります(ウールの配合率は低めなので、どちらかというと化繊ソックスですが)。「21〜23」というサイズがなかったため、ウールは諦めました。
injinji
足裏の滑り止め
ーーーーーーーーーー
画像出典:TABIO SPORTS
この靴下の特徴の1つは"足裏の滑り止め"。走ることを想定しているので、グリップ力強めの滑り止めとなっています。
登山靴は、靴の中で足が動かないように靴下を履いて空間がピッタリうまるような靴を選びますが、1mmも動かないというのは無理な話。むくみが取れてきたり、靴紐が少し緩んだりして遊び出すことはしばしば。
レーシングランを実際に履いて歩くと、グリップ力の高さに驚きました。10kgくらいの荷物を背負って歩いても問題なし。靴の中でしっかり止まっていることがよくわかります。中敷の素材がなんだか滑るなあ…という場合も、しっかり止まりそうです(個人的にスーパーフィートは滑りやすく感じます)。
逆に、グリップ力の高い靴下はこんなに歩きやすいのかとも感じました。無駄なエネルギーを使っている感覚がなく、同じ靴を履いてもレーシングランの場合は足がスイスイ前に出るような感覚。
登山用でここまでグリップがしっかりしている靴下は少ないですが、不整地でアップダウンを繰り返すような場面ではとても有効だと思います。
レーシングランの機能
画像出典:TABIO SPORTS
◾︎ ポリエステル 35%
◾︎ 再生繊維(デオセル) 13%
◾︎ ナイロン 7%
◾︎ ポリウレタン 1%
[ アーチサポート機能 ]
土踏まず部分を効果的に押し上げることで、疲れにくく快適な走りをサポートしてくれます。
[ 立体縫製 ]
足の形に合わせた立体製法で、フィット感抜群。母指球から小指球にかけてふくらみをもたせ、ズレにくく快適な着用感。
また、指先を立体に編みたてることでしっかりフィット。指先へのストレスも軽減。従来の5本指ソックスよりも着用しやすく、さらに破れにくい効果もあり。
[ Yヒール ]
かかと面積を大きくすることで足にフィットし、安定した履き心地。
[ 甲部分のメッシュ ]
指の付け根の甲の部分がメッシュ素材になっていて、通気性が良く不快なムレ感を軽減します。
[ 滑り止め加工 ]
柔らかくグリップ性の高いシリコンラバーを使用。靴の中の滑りを防ぎランニングの集中力を高める。
[ 消臭・吸水速乾 ]
消臭機能に優れたデオセル(R)と吸水速乾機能を備えたポリエステル繊維を使用。汗によるムレや臭いを軽減。
画像出典:TABIO SPORTS
レーシングラン以外にもいろいろありますが、レーシングランはオールマイティで初めの一足としていいと思います。丈が長いものもあるので、ミドルカットならそちらを。
実際に使用してみて
生地の厚さ
HPでは「中厚手」ですが、登山用としては「薄手」の類。普通の靴下とあまり変わりません。多少厚いかな?程度。
靴下のクッション性は疲労軽減にもなるため、薄いと感じる人もいると思います。私は、蒸れ感や速乾性を重視していくうちに薄手を好むようになったので十分ではありますが。
足裏感覚を重視するトレイルランニングなどでは問題ないと思います。
アーチサポート機能
履いたときに感じたのは、「サポート機能の締め付け感が絶妙でありちょうどいい」ということ。
土踏まずをサポートされているというよりは全体的にキュッとサポートされている感じ。きつすぎず、緩すぎず、ちょうどいい。しかし、普通の靴下に比べてストレッチ性が少ないので、ちょっとキツイと感じる人もいるかもしれません。
耐久性
お遍路(1200km超)にはレーシングランを2足持って行き、とりあえず歩き切りました。かかと部分は300〜400kmほど歩いた時点で破れが。
つま先とかかと部分には「コーデュラナイロン」という通常のナイロンの7倍の強度のある繊維が使用されています。そのため耐久性は高いつくりとなっていますが、思っていたよりも早く破れたなと。
しかし、もともと長期用の靴下ではないし、薄さから考えてもこれは想定内。繕いながら最後まで使えたのでいいかなと。日本なら繋ぎの靴下や替えの靴下はどこでも買えるので。
歩く癖によって破れる箇所は人それぞれ。私の場合、かかと以外に穴が開くことはありませんでした(ほつれもなし)。甲のメッシュ部分も問題なし。指の部分は結構強いなと思いましたが、スピードハイクや走る場合は指に体重をかけることが多いので、踵よりも穴が空きやすくなります。
アーチサポートは、新品時のキュッと締められる感覚が減少。しかし、ビロビロに伸びることはなく、普通の靴下よりもちょっとキュッとしているくらい。
ただ、生地は少し硬くなりました。綿は洗濯を繰り返すと生地が硬くなるので(綿44%使用)、その影響だと思います。
履き口の緩みは特になく、使用後もぴったりフィット。足裏のグリップも健在で、剥がれは生じませんでした。
蒸れ感
画像出典:TABIO SPORTS
甲部分のメッシュが効果的だったのか、蒸れ感は気になりませんでした。空気の出入りをなんとなく感じ、快適に歩けました。
臭い
消臭機能は付いていますが、だんだん衰えてきます。"特別優れている"という感じはなく、一般的なアウトドア製品と同じか多少弱い印象。
しかし、化繊の消臭機能には限界があるので、どんなに頑張っても天然素材のウールのようにはいきません。そのため、化繊の消臭機能に関してはどれもさほど変わらないと考えています。
お遍路は山の縦走と違い手洗いできるため、素材に関してはあまり気にしませんでした。しかし、履き続けるならやはりウールが優秀で、肌触りもウールがいいですね。
乾きやすさ
綿が44%使用されているので化繊100%のものよりは乾きにくいです。しかし、薄いので気にするほどの差ではないかと。
ロングトレイルでは干しながら歩くので特に問題ありませんが、汗を吸ったあとの乾きにくさにも関係するため、寒い時期は多少冷たさがあると思います。
特に気にはならないけれど・・・
5本指のデメリットは"履きづらい"ということ。レーシングランの場合土踏まずの部分がキュッとしているので、通常の5本指靴下よりもグッ、グッと履く感じ。
履きづらさを感じる人もいると思いますが、5本指同士で比べるなら微々たる差で、個人的には慣れてしまえば特に気になりませんでした。
また、筒形に比べて5本指ソックスは生地面積が多くなります。そのため、人によっては筒形よりも靴がキツイと感じることも。"厚手の5本指"を選ぶときは特に注意。できれば一度試したほうがいいです。
「レーシングラン・プロ5本指」は、さらにハイスペックなモデル。アーチサポート機能を高め、つま先とかかと部分には「ダブルレイヤード構造」を採用。吸汗速乾と消臭機能に優れたデオセルを肌面に、シューズとの摩擦を受ける外側は耐久性に優れたナイロンを使用しています。綿の使用も18%と少ないため、よりアウトドア向きではないでしょうか。
靴下の豆知識
靴下の履き口の部分には多くの場合、ずり下がり防止のために"ポリウレタンのゴム"が使用されています。ポリウレタンは長い時間水を含んでいると加水分解が進み劣化するため、干すときは履き口を洗濯バサミに挟み、水分が早めに下へ抜けるようにすると長持ちします。
また、収納の際"履き口は折り返さない"ことが長持ちのコツ。ゴムが伸びてしまうので、重ねるだけがおすすめ。
折ると伸びやすい。
モンベルの逸品「KAMICOソックス」
モンベルの「KAMICOソックス」は、個人的にとてもお気に入り。特別登山用ではありませんが、日帰り登山や日常で広く使用しています。
"紙糸プラス"というマニラ麻を原料として紙状にした素材を細長く切り、撚りをかけてつくった糸でつくった紙の素材。普段着のウェアも出ていますが、おすすめは靴下。
少しザラっとした肌触りで汗をかいてもベタつかず、夏は本当に快適です◎
通気性がよく蒸れにくい、乾きやすいという素材で、ポリエステルよりも早く乾くことも。紙だと耐久性を疑いますが、結構強め。長年使用していますが(6年以上)、いまだに破れなし。一時は2,3日1回くらいのペースでローテーションして履いていましてが、かかともまだまだ大丈夫そう。
汗で湿気る感じが圧倒的に少なく、圧倒的にドライ。夏はKAMICOソックスばかり履いています。ただ、冬の乾燥する時期、乾燥肌だとちょっとカサカサしたり痒みが出ることもあるかもそれません。そもそも肌触りがちょっと苦手という人もいると思うので、実際に確認した方がいいです。
水はけが良いので、沢登り用の靴下としても使えます。
筒形のものもありますが、やはり5本指を愛用。
モンベル KAMICOソックス
現在はトレッキングやランニング用のラインナップもあり、アウトドアでも使いやすいです。
まとめ
Tabioのレーシングランはグリップ力、フィット感、蒸れ感が特に優れていて、"走るアウトドア"をする人には特におすすめです。
素材や耐久性のこともありロングトレイル向きとは言い難いですが、日帰り〜1泊2日くらいの山歩きならいいかなと。グリップ力により靴の中の遊びを感じないことは本当に良かったです。
スポーツやアウトドアだけでなく、普段履きにも◎。立ち仕事には特にいいと感じました。私自身もそうでしたが、立ち仕事では靴下一足、靴一足がすごく大事。少しでもサポート感があったり、無駄なエネルギーを使わないというだけで疲労軽減になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
よろしければ、応援よろしくお願い致します。
コメント