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東北のロングトレイル。百名山を繋ぐ「裏岩手連峰縦走縦 」#3【八幡平】

東 北

2020.9.29-10.1
天気:曇り☁︎
気温:7〜10℃

歩き人たかちです。

昨日は、鬼ヶ城コースで出発し、紅葉の三ツ石山へ。見頃の極上トレイルを歩き、大深山荘で楽しい時間を過ごしました。

最終日の3日目は、行程が4時間程。紅葉は終わりかけの"八幡平"を目指します。

行程
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1日目
天気:晴れ☀︎
気温:麓17℃/山頂10℃前後/夕方4℃

馬返し登山口ー〇.五合目ー一合目ー二合目ー二.五合目(新道・旧道分岐)ー旧道五合目ー七合目(鉾立)ー八合目避難小屋ー不動平避難小屋ー▲岩手山(薬師岳)ー御鉢一周ー八合目避難小屋

コースタイム:5時間20分
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2日目
天気:曇り☁︎→晴れ☀︎

八合目避難小屋ー不動平避難小屋ー鬼ヶ城ルートー切通ー網張コース分岐ー大松倉山ー三ツ石山荘ー三ツ石山ー三ツ沼ー小畚山ー八瀬森分岐ー大深岳ー大深山荘

▲コースタイム:9時間35分
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3日目
天気:曇り☁︎

大深山荘ー嶮岨森ー前諸桧ー諸桧岳ー畚岳ー裏岩手連峰登山口ー八幡平登山口バスターミナルー▲八幡平ー八幡沼一周ー八幡平登山口バスターミナルー藤七温泉

コースタイム:約6時間

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しっとりラストトレイル

*大深山荘ー嶮岨森ー前諸桧ー諸桧岳ー畚岳ー裏岩手連峰登山口:CT*4時間15分*

5時頃ゆっくり起床。今日はちょっとどんよりした空模様。6時頃、みんなで掃除をして、それぞれスタートしました。

今日も細かいアップダウンを繰り返しながら歩いていきます。

小屋を出るとすぐに湿原。

八幡平方面からの人とすれ違うまでは、ともに宿泊した方が歩いているのみの静かな朝。マイナスイオンたっぷりの森歩き。

 

 

嶮岨森までなだらかな道が続きます。

岩手山、おはようさん。

鏡沼が綺麗です。

枝振りにエネルギーしか感じない。

こちらはまだまだこれから色づきそうですが、チラチラと目に入る色に癒されます。

いいな。歩いてきた道を眺めると、つい感慨深くなってしまいます。本当に静か。

 

たまらん。

標高、日当たり、気温…様々な条件が重なって紅葉していく。すでに見事な色を帯びているものもあれば、何メートルか先の同種の木はまだまだだったり。

私には1m単位の自然条件の差はわかりませんが、植物にはちゃんとわかるんだなと、秋にいつも思います。

そんなこんなで"嶮岨森"に到着しました。ここは展望がとてもいいポイント。最初の休憩としてはちょうど良いです。

 

八幡平よ、まだ見えないでおくれ。という気持ち。

朝の空気を思いっきり吸い込んで、樹林帯へ下っていきます。肺にスーッと入ってくる森の空気と、秋特有の森の香りに癒される。

 

 

下ったあとは登り

"前諸桧"到着。前諸桧は特に展望はありません。そのまま進みます。

再び下る。

 

 

木道が出てくると、まもなく"石沼"に到着。手前に小さな沼があり、少し進むと大きな石沼。石が点々と沼の中にあります。ポコポコと水面から出ていてかわいい。

しーん。

樹林帯の静かな沼。

水を見ると心が静かになるのはなぜなのか。海も同じ。森に囲まれるのとは違う何かがあります。

 

石沼を過ぎて登りになり、"諸桧岳"を通過。

ここで一度ひらけてハイマツ越しに岩手山の展望があります。一生懸命場所を確認しながら撮影に専念していた男女2人組がいたので、先へ進みました。

展望はいいですが、山頂というよりは通過地点という感じ。座って休憩をするような場所ではありませんでした。岩手山を見ながらどら焼きを食べようと思っていましたが、次のポイントへ持ち越し。

すれ違いも多くなってきました。八幡平側から三ツ石山を目指す人は結構いるようですね。

最後の"畚岳"が前方に。いよいよゴールが迫っています。もっと歩きたいなあ。

 

樹林帯を下る。今日は一段としっとりしています。

 

 

いろいろな風景を楽しめます。

枯れ際のヤマハハコ。

間近になりました。

畚岳への分岐。昨日、巻ける山はすべて巻いたので、最後くらい登っておこうと。畚岳だけポーンと高く、眺めの良さそうな山です。

往復15分なので、そこまで苦ではないですね。

畚岳◎

 

山頂は360°の展望。裏岩手連峰の登山口も八幡平レストハウスも見えています。ついにここまで来たか〜という思いと、ここまで来てしまったか〜という思いが絡まって複雑。

歩き旅は途中途中でいろいろな感情が出てきて、一体どれが本心なのだと思いますが全部本心。楽しい、寂しい、嬉しい、苦しい、少しイラッとしたり、面倒だったり。長く歩けば歩くほど、自分という人間がどんな生き物なのかということに嫌でも向き合う。そこが面白いなと思います。

西側には、東北のなだらかで雄大な山々。人工物が見えません。

地図を見ると湿原や沼が点在しています。登山道のない、名もなき湿原もたくさんあります。きっと動物たちの楽園なのでしょう。

3日間、行程が一緒だった女性も最後は畚岳ということで登ってこられました。素晴らしいトレイルでしたね、と共有できることが素直に嬉しい。

"独りだけど独りじゃない"

ロングトレイルでは、この思いが心強い。

30分くらい休憩して、どら焼きをしっかり食べて下山。裏岩手縦走路の登山口まであと1.7km。

最後まで楽しむ。綺麗。

 

 

 

 

八幡平に行ったあと、畚岳だけ登る人もいるようです。畚岳お目当ての方々に何人かお会いしました。

八幡平がサクッとした感じなので、組み合わせるて楽しめる小さなピーク。みんながスルーするような、小さなピークも割と好きです。畚岳、おすすめです◎

振り返る。これからもっともっとパッチワークが綺麗になるのだと思います。

 

あっという間に登山口到着してしまいました。

振り返って一礼。ありがとうございました!

3日ぶりのアスファルトを歩き、最後の八幡平へ向かいます。

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サクッと秋の八幡平

*裏岩手連峰登山口ー八幡平登山口バスターミナルー▲八幡平ー八幡沼一周ー八幡平登山口バスターミナル:CT 1時間45分*

ここから八幡平山頂レストハウスまで15分~20分、1km程車道を登ります。

レストハウスの他に"八幡平パークサービスセンター"がありました。こちらにも売店があり、レストハウスにはないオリジナルバッジもあります。先に購入して八幡平へ向かいます。

山頂までは、ずっと石畳でした。

大深山荘で一緒だった男性と最後にお会いしましたが、「山頂に行ったという感じではないですね」と笑っていました。

 

 

"ガマ沼"

見る角度や高さによって、沼の色が違います。高いところから見た方が綺麗。

展望テラスもありますが、そこから山頂方面に少し進んだところがいい感じ。雲がかかっていますが、岩手山も一緒に。

 

登山口から20分ちょっとで山頂。美ヶ原なみの早さです。

 

山頂にはデッキがありますが、遠くの山々をちょっとだけ眺められる感じ。基本は樹林帯で"展望"ではないですね。

確かに山頂という感じはありませんが、八幡平は丘や沼、原始林の中を歩くことに真価があると深田久弥は語っています。

私も山頂よりは湿原歩きが目的です。八幡沼を一周します。

ガマ沼へ戻って、八幡沼方面へ。

下っていくとすぐに"陵雲荘"

あわよくば今日はここに泊まり、この先の"安比高原"まで歩こうと思いましたが、紅葉はまだで青葉とのこと。

安比高原のブナ林を紅葉の時期に一度歩いてみたいのですが、またの機会にします。

 

 

 

陵雲荘も立派で綺麗な避難小屋でした。素敵な暖炉もありますね。

目の前は八幡沼で、ロケーションよすぎ。水場はありませんが、レストハウスなどで購入できるので然程困りません。

湿原の紅葉はもう終わりですが、残りの感じがまたいいですね。

今年もお疲れさまでした、という感じの哀愁が漂います。

ザックにマットを括り付けていると、すれ違う方々に「縦走ですか?」とよく聞かれます。木道でも「ちょっと気になってしまったので」と、女性に声をかけられました。その方は、明日秋田駒ケ岳に行くと。

車で東北の紅葉を回っているとのことで、やはりこの時季はみんな東北に大集合か。

チングルマの紅葉があちらこちらにありました。赤い絨毯に白い綿毛。可愛すぎ。

こんなに小さくても低木で、立派な木。お花も綺麗だし、チングルマは姿を変えながら最後まで楽しませてくれます。

 

途中で八幡沼の鑑賞スポットに立ち寄ることができます。湿原は八幡沼を取り囲んでいますが、八幡沼は常に見えるわけではありません。ここまでの沼に比べるととても大きく、もはや湖。

源太森への分岐で、見返峠方面に戻ります。

水面への映り込みが本当に綺麗。

 

木道から石畳に変わったところで、刈り払いをされている方々がいらっしゃいました。私の泥の足元と、マットを付けたザックを見て「お、縦走ですか?」と再び。「岩手山から縦走しました。」と言うと「その道の刈り払いをやったの、ぼくらなんですよ。」と。

7月から岩手山をスタートして、トレイル上をずーっと刈り払い、10月に入った今、八幡平に到着したそうです。おかげさまで藪漕ぎもせず、歩きやすい道で八幡平に到着しました。

「楽しい仕事でしょ~?」と笑顔で話されていて、本当に楽しそうでした。岩手山を見つめる目が印象的で、誇りを持って語る姿がとても素敵でした。この山域と仕事への愛を感じて、すごくいいなあと。

知れば知るほど深い自然。そんな深い懐にどっぷり浸かって、じっくり考えたいと思い8月に退職。本当にやりたいことを考え探していますが、すぐに見つけることは難しい。私も、男性のような目で自然を見つめてみたい。そんな仕事に出会えたらいいなと思います。

温かい気持ちになって、でも身体は冷えているので"藤七温泉"に向かいます。

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開放感と熱々の露天風呂

*八幡平登山口バスターミナルー藤七温泉:CT 25分*

八幡平レストハウスから裏岩手連峰登山口へと戻り、そこからさらに車道を下って藤七温泉を目指します。約2km、20〜25分程です。下りなのでサクサク。

縦走路からも見えていた温泉の煙が見えてきました。

これは"奥藤七温泉"。天然の野天風呂とのこと。この車道沿いのどこかから行けるようですが、工事を行っており入り口は不明。

 

藤七温泉彩雲荘に到着。車道を下っている途中から露天風呂が丸見えでした。開放感抜群ですが、女性は気をつけた方がいいですね。

お風呂は650円。受付で支払い、右側にあるお風呂への通路から入ります。入口から中の撮影は禁止です。

乳白色のとろっとした湯で、とても気持ちのいい温泉。内風呂はとてもシンプル。洗い場は銭湯のような感じでシャワーはなく、桶を使いながら。洗い場は全部で4つありましたが、壊れていたのか使用できるのが2つでした。

混雑時は順番待ちになりそうです。あとは、木造の建物で隙間風が結構寒かった…。縮こまりながらササっと洗いましたが、冬はかなり寒いですね。

露天風呂は女性専用が1つだけあります。しかし、女性の内風呂から一番遠いところにあるのです。つまり、そこへ行くには混浴風呂の前をしっかり通らないといけない。なんでそっちにしたの?って感じなのですが。

女性の内風呂から一番近いのが"二の湯"。内風呂からさっと行けるので、女性はみんなこちらに入っていました。広くはないので6,7人くらい入ると結構キュウキュウな感じ。

男性もさすがに二の湯は遠慮しているようでした。しかし、車道や混浴からは丸見えなので、必ず全身を巻けるバスタオルを持参して下さい。受け付けでも販売しています。1000円でちょっとお高いですが。

露天風呂は内風呂とは全く違って、とにかく熱い!!

入った瞬間「あっつーーーい!」と大声を出してしまいました。おばちゃんたちは「そうー、熱いのよねーあはは〜」と笑っていましたが。

お湯も熱めですが、足元の泥が熱い。端っこの方で岩に足を乗せながらなんとか入りましたが、5分も経たずに撤退。場所によって温度も違うのかなーと思いますが、戻って内風呂を堪能しました。泥パックとかやってみたかったけど。

脱衣所は文字通り脱衣のみで、洗面やドライヤー類はありません。肌寒くなっているので、濡れた髪で若干頭を冷やしながらバス待ち。

盛岡駅への直行便もありますが、1便のみ。

こちらの13:04発、八幡平マウンテンホテル乗り継ぎ便で帰りました。13:45にホテルに着き、14:20に盛岡駅行が発車します。

八幡平から来たバスは超満員でした。え?こんなに人いたっけ?って感じに。考えたら、八幡平への始発のバスが到着する前に八幡平の散策を終わらせていたので、あの時は車の人と観光バスくらいでした。

バスの中はほとんどがツアー人だったようで、途中のホテルで20人以上どっと降りました。

 

八幡平マウンテンホテルは物凄く豪華な感じ。

中のお土産を見つつ、外のベンチで寛ぐ。

ここで盛岡駅への乗り継ぎを行う場合、200円の乗り継ぎ割引があります。バスの運転手さんに盛岡まで行くのか聞かれ、割引券をいただきました。盛岡駅まで割引で930円。

16時頃盛岡駅に着きました。新幹線か夜行か散々迷っていましたが、温泉に入ったし、気持ちが良いうちに帰ろうと新幹線の切符を購入。その前に、下山後のお楽しみにしていた"光原社のくるみクッキー"を買おうと行ったら…

「本日棚卸しのため、臨時休業させていただきます」

・・・涙。

盛岡では"可否館"という喫茶店が有名です。宮沢賢治の「注文の多い料理店」を世に送り出したのが、光原社の創業者の方だとか。で、光原社という社名は宮沢賢治が考えたそうで。

そちらで珈琲でも飲もうかと思いましたが、新幹線ならそこまでゆっくりはできないので諦めました。珈琲豆買えば良かったなとちょっと後悔していますが、また盛岡に来てねと言われているのだと解釈します。また来ます。

ということで、2泊3日の裏岩手連峰縦走終了です。岩手山、三ツ石山、八幡平などは賑わっていますが、それ以外は本当に静寂なトレイルでした。

どの避難小屋も綺麗で快適だし、こっちまで歩けばいいのに〜というような、東北の雄大で、豊かで、瑞々しい、しっとりとした森があります。静かなトレイルを好む方には本当におすすめ◎そして、ぜひ、三ツ石山の紅葉を!正直、あそこまで圧巻だとは思っていませんでした。雑誌などですごいなあ〜とは思っていましたが、実際に見るのはやはり全く違いますね。何事も、肉眼に勝るものはありません。

もっと深い縦走を!という方は乳頭温泉方面に歩くのもいい。他の紅葉山々も温泉もたくさんあるので、一度歩いただけでは物足りない感じがあります。安比高原の紅葉に合わせてまた訪れたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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