皇海山クラシックルート②【皇海山】

北 関 東 • 甲 信 越

2022.5.18(水)-5.19(木)

歩き人たかちです。

昨日は、原向駅から出発し、車道と林道をえっちらおっちら登って庚申山荘に泊まりました。

2日目の今日は、いよいよ皇海山へアタック。ルートは計画通り、庚申山経由の往復。巻道の六林班峠方面は歩きません。

鋸山前後は、引っかかりの少ない滑る岩場に痩せ尾根、落石、土の急斜面はボロボロゴロゴロ…目の前で3〜5m程滑落した人もいて(怪我もなくご無事でした…!!)、まあ、とにかく、えらいこっちゃ。

急登、アップダウン、獣臭プンプン。ある意味豊かな修験の道です。

     行程
ーーーーーー

2日目
天気:晴れ☀︎
気温:朝7℃ / 山頂 10℃
風:西北西→南西2〜3m/s

庚申山荘ー大胎内くぐりー▲庚申山ー駒掛山ー薬師岳ー▲鋸山ー不動沢のコルー▲皇海山ー不動沢のコルー▲鋸山ー薬師岳ー駒掛山ー▲庚申山ー大胎内くぐりー庚申山荘ー一の鳥居ーかじか荘ー原向駅

▲コースタイム:14時間30分
▲歩行距離:約22km
▲累積標高差:登り 約1500m
       下り 約2500m

急登と死骸と森。庚申山荘ー薬師岳

*庚申山荘ー一の門ー大胎内くぐりー庚申山ー薬師岳:CT3時間*

3時起床。こんな時間はいつも朝ごはんを食べられませんが、今日はハードなので無理矢理詰め込みました。こういう時は勝手におにぎりができあがるやつがいいですね。テント泊でも。

一番早い人は3時半の出発。単独だし、迷いたくないので空が明るみ始めた4時10分に出発。

庚申山荘周辺の温度は7℃。そこまで寒くもなく、歩き始めてすぐに半袖+アームカバーに。

薄暗い山道に熊鈴の音が響く。登山道がべちゃべちゃしていた先に水場があったようですが、気が付かずにそのまま通過。

↓下山時の写真↓

 

初めの方は歩きやすい道で、水がポタポタ垂れる岩の下を通りました。

夜明け。

その後は梯子とか鎖場があり

一の門に到着。一の門をくぐるとお山巡りコースとの分岐。ここから庚申山までは700mで、急登になっていきます。

大胎内くぐり。

反対側から。大きな岩が抉られている感じ。

傾斜が増し増し。岩場やら根っこやらロープやら。

足場の悪い急登を登っていると、強めの獣臭が漂ってきました。なんだ!?なんだ!?と辺りを見回すと、登山道脇の岩の下に鹿の死骸が。

さらにその先に2頭の死骸。肉は全て食われていましたが、頭部と足、毛、皮がある状態で、ハエがブンブン飛び回っていました。散乱した毛の上を歩くという不気味な感じ。

この辺りは崖のようになっていて、落ちたのかな?3頭とも状態がほぼ一緒だったので、群れで行動しているうちに落ちたのかもしれない。

ここ下りたくないなーというような坂が続きます。

急登を登り進めると笹の道になり、オレンジ色の太陽が森を染め始めました。今日もいい天気です。

登るにつれて気温は下がり、温度計は5℃。急登にはちょうどいい気候で、風が吹くとちょっと肌寒いくらい。

 

緩やかになった森の先に"庚申山"がありました。展望は特にありません。森の一角という感じ。

休憩しつつ、日焼け止めを塗る。森がひんやりしていて、急登でも汗は滲む程度です。

 

庚申山からはとりあえず下る。何回アップして何回ダウンしたか覚えていませんが、皇海山までいっぱいアップダウンしました。

御岳山の看板があった。

日光マークとピンクテープは、見える範囲にあるので迷うことはありません。踏み跡も十分。日光マークは反射仕様になっているので、暗がりでも見やすかったです。ただ、真っ暗な時間帯は庚申山荘周辺でも道迷いに要注意。

下っていくと笹道で

急登をまたぐいぐい登る。

そして、いつの間にか下っている。

登ったり下ったりしていると、またしても獣臭。さっきと同じ臭いで、またまたありました、鹿の死骸。さっきのよりも分解が進んでいて、頭部もちょっとあやふや、毛は散乱しまくり。森のお掃除屋さんがどんどん進めているようですね。それにしても、一度の登山で4頭の死骸はなかなか見ないな。

笹原に出たあと、薬師岳に向けてまた登る。

足元にも日光マークがチラリ。

ちなみに、"駒掛山"の標識は木に掛かっていますが、登りでは気がつきませんでした。下山時に見やすい場所に掛かっていたため、知らずに通り過ぎていました。

だんだん緩やかになり"薬師岳"。ここも森の中で、通りすがりの山頂という雰囲気。

薬師岳の看板は進行方向の左側にあり、そこから道が90度曲がります。

しかし、前方のシャクナゲの間に隙間があり、そのまま直進してしまいそうになりました。危ない危ない。急に方向転換する箇所は要注意ですね。踏み跡が多少あるので、間違えて直進している人いると思う。

核心部。薬師岳ー鋸山

*薬師岳ー白山ー鋸山:CT 45分*

 

前方に鋸山の山頂。

薬師岳から少し進むと一つ目の展望所があり、その先さらにガサガサ進んでいくと2つ目の展望所。ここが白山です。こちらの方が皇海山と鋸山の全容がよく見えます。

皇海山にだいぶ近づいてきました。展望のない皇海山はこんもりしていますね。

白山から先が鎖場の始まり。ヘルメットを被るならここがちょうどいいと思います。

鋸山前後の岩場は落石が特に多く、自分も含めて人が通る度に何かしらガラガラ落ちていました。ここからの岩場は自分が落ちないようにすることで精一杯なので、知らず知らずのうちに落石をしてしまっているという感じです。

皇海山から下山するときの急登でも、上にいた人の落石が足に当たり(幸い足)、いてっ!となりました。すごい謝られましたが、そこでは私もヘルメットを被っておらず。鋸山周辺に限らず、ところどころ落石ポイントがあったりします。

シャクナゲの繁るちょっと細めの道を行くと

鋸山どーん!あのてっぺんまで、下の方の岩場をトラバースしてガシガシ登っていきます。

眺望よし。

ということで、岩場スタートと思いきや、いきなり垂直。結構垂直。下が見えないぞ。鎖は細く、大丈夫ですか?みたいな。

下は道幅が狭く、急斜面になっています。滑り落ちないように慎重に。

下から。

垂直でも足をしっかり引っ掛けられればいいのですが、鋸山周辺の岩場の特徴として、全体的に凹凸が少なく、足を乗せる場所に戸惑いがち。大体爪先をちょっと置けるくらいで、指全体の付け根あたりまで置ければ良い方。それがとても厄介でした。しかも、岩肌は滑りやすいというおまけ付き。

ちなみここは落石が多いので、下りきって「どうぞ!」と言ったらすぐに避けた方がいいです。避けてから「どうぞ!」の方がいいですね。

このあとは少し厄介な笹道。笹が斜面の方に倒れていて、その茎が滑る。六林班峠方面もこんな感じなのかな。

岩場のトラバース。ここは鎖を使わずとも通過できるくらいでした。

トラバースしたら長い岩場。鋸山に向かって斜面を一気に登っていきます。前の人がある程度登ってから続く。

ロープが3段階くらいに分かれていました。下るの嫌だなあ・・・

登りきったら展望よし!何人も休めるスペースはないですが、ちょっと休憩。

岩場は3点支持で、基本的には脚力で登っていきますが、足を乗せづらい分、ここまで腕力を結構使いました。フィンガーレスグローブを使用していましたが、素手だとトラロープを掴むのが結構痛いので、滑り止め付きの手袋が何かしらあるといいと思います。細い鎖もちょっと掴みにくい。

再び岩場で痩せ尾根に下り立ちますが、ここで前の男性が3m〜5m程滑落しました。ここにはロープなどがなく、足の置き場が今までよりちょっとマシなくらい。しっかり掴まりながらでないと滑り落ちます。

男性は岩に手を掛けつつ片手で枝を掴みましたが、その枝が引っこ抜けてバランスを崩し、滑り落ちました。下は痩せ尾根なので、そのまま斜面を回転しながら・・・幸い木が生えている斜面だったので、それがクッションとなってストップ。

順番待ちでその場にいた男性と、やばい、やばい、やばい!!!となり、「大丈夫ですかー!!?」と心臓バクバクで叫びましたが、幸い怪我もなくご無事で、自力で上がってこられました。

岩場を慎重に下りていくと「命があってよかった・・・」と男性。もし斜面に木がなかったらと思うと、とても恐ろしいです。

初めて目にする滑落現場に心臓が飛び出しそうで。ただただ目で追うことしかできない無力さを感じるとともに、恐怖心が一気にやってきました。

木が生えていますが、両側切れ落ちています。

長い梯子を下り

また登る。鎖の細さね。

登る。

シャクナゲの中をガサガサ進み、鋸山に到着!!

標識が群馬県ではなく"沼田市"というピンポイント表示なのがなんだかいいですね。

↓鋸山の展望↓

 

皇海山までもう一息・・・まだあるか。

深呼吸をして、エネルギーを補給。ここから"不動沢のコル"まで下り、皇海山まで最後の登り返しです。その間小さなアップダウンもあります。ほんと、何回アップしてダウンするのよ。

ラスボス。鋸山ー皇海山

*鋸山ー不動沢のコルー皇海山:CT1時間30分*

鋸山に着きましたが、まだ油断はできません。反対側も滑りやすい急斜面になっています。

もう、なんていうか、鋸山ボロボロ。ここも落石多数。見るからにコロコロ転がっていきますね。

下から。ロープの支点の木、細い。違う前にロープを引っ張って、支点を確認した方がいいです。

土の急斜面。ストッパーがないので道として一番苦手なやつ。

ロープを持ちつつ慎重に下っていきます。木とか根っこがあるのはまだマシな方。

ロープ続くなあ。

脆い急斜面を下り終わり樹林帯。緊張感からの解放感。こういうとき、根っこに足を引っ掛けて怪我をしたりするので集中。

森の中をちょっとアップダウンをして"不動のコル"に到着。ここは群馬県側の皇海橋ルートとの合流地点。現在は通行できないため、道標が倒されていました。

 

ラストスパート!

登っていくと雪渓が出てきましたが、もうチェーンスパイクもいらない程になっています。

あと700m!

傾斜は増して急登に。

あと400m!

落石注意。

残雪が増えていきますが、ロープやテープは出ているので、迷うことはありません。

雪が腐っててルートを外れて歩くとズボーっと太腿辺りまではまることもあります。下山時にはまりました。

庚申二柱大神。ここを過ぎれば・・・

皇海山、登頂ぉぉぉおおお!!!
Sky Blue いただきました!!!

いやー、会いたかったぞ皇海山。展望はほとんどないですが、木の間から日光白根山が見えました。まあ、皇海山に関してはもう展望はどうでもよくて、辿り着いただけで感無量。

下山もあるので長々と休憩はできませんが、30分程体力回復。山頂は一応docomoの電波が入りましたが、場所によって入ったり入らなかったり。

どこでもドアでワープしたい気分ですが、再びあの脆い岩場を通過して庚申山荘へと下山します。大半の人は六林班峠を選んでいましたが、単独であの長い藪道を歩くとトラウマになりそうなので岩場を戻ります。

鋸山再び。皇海山ー薬師岳

*皇海山ー不動沢のコルー鋸山ー薬師岳:CT 2時間5分*

 

ズンズン下る。

 

あっという間に不動沢のコルを過ぎ、樹林帯を進みます。

 

本当にゴロゴロした山。鋸山に向かって登ります。

よく晴れているし、気温は上がっていますが、意外と爽やかな気候で動きやすかったです。しかし、梅雨の蒸し暑い時期や夏場は辛そうですね。

庚申山荘から2.6Lの水を持ち、消費したのは2L程。夏場だと3Lあっても足りるかどうか。

そんなことを考えながら鋸山に戻ってきました。一息ついて集中力を高める。

 

六林班峠も気になるといえば気になるけども・・・行きません。

垂直に下りた箇所も登りならまだマシ。

ゴロゴロガラガラの急な土の斜面がとても厄介。変に周りの枝を持つと抜けたりするので、低姿勢で、時には座り込んで。

ハシゴも戻って

あっちの方へ向かっていきます。

長いロープ区間に戻ってきました。滑り台じゃん、みたいな。

 

ゆっくりゆっくり下って、岩場をトラバースして、この笹道を戻る。この笹道も何気に急。

そして、白山前の最後の鎖場。

登ってから振り返る。真ん中辺りの笹道に、同じく戻ってきている人たちがいます。

なんとか無事に岩場を通過しました。アップダウンはまだ続きますが、とりあえず一安心。ここを登り返して薬師岳に到着です。

戻る戻る戻る。薬師岳ー庚申山荘

*薬師岳ー駒掛山ー庚申山ー庚申山荘:CT 2時間25分*

薬師岳からは樹林帯の中をひたすら戻っていきます。歩きやすいことこの上ない。

 

クマさんだ。

↓静かな森↓

 

 

駒掛山。そこに看板があったのねって感じ。

 

一瞬の藪漕ぎ。六林班峠はこんなのが続くのかと思うと精神がやられる。男性の背丈のまであるなら、150cmもない自分は完全に埋まる。たぶん、やっぱり、戻ってきてよかったのだと思う。

登りだろうが、下りだろうが、前へ進むのみ。

 

 

庚申山の手前には展望のいい場所があります。行きでここ立ち止まったっけ?もはやそんなことも覚えていません。

皇海山と鋸山、遠くなっちゃいましたね。ここから見ると、鋸山に比べて皇海山大きいなあと。

皇海山、形はかわいいし、名前もキラキラネームだけど、ギャップがすごいのよ。

というとこで、庚申山まで戻ってきました〜。帰りは休まず通過します。

 

下るほど急になっていきますが、庚申山荘まで1.4kmと鼓舞しながら。

獣臭がぷんぷん漂い、鹿の死骸まで戻ってきました。この辺りが一番歩きにくい。

下っていると、目の前を真っ青な鳥が!オオルリか!?すっごく綺麗な青色!!

肉眼で美しい青がわかる程度で、細かい部分までははっきり見えませんが、葉のない枝にとまっていたのでしばらく観察。たぶんオオルリだ。と、思いたい。

鳴き声を録音し、帰宅後に確認すると「ジジジ・・・」という特有のやつは・・・オオルリだあ〜!まさかこんなところで初オオルリとは!ご褒美いただきました。

大胎内くぐりまで戻ってきました。

一の門。あと900m・・・まだ900mあるのか。

梯子を全て下り終わり

 

水の滴る岩まできて

緩やかな優しい道を行けば・・・

庚申山荘ー!!!13時半頃、戻ってきました。

まだ完全下山ではありませんが、もう終わった気分。山荘に泊まっていた人たちはまだ戻っておらず、デポした荷物をパッキングして、外で余った食料をバクバク食べる。

空が青いなあ・・・まったり。

庚申山荘が気持ち良すぎて1時間くらいまったりしてしまいました。その間に同じくピストンの人たちと、六林班峠下山の人たちも到着。六林班峠の感想を聞くと、第一声が「もおー、長い!!」と。やっぱり長いんだなあ。

休みすぎたので、そろそろ下山。暑さもなく、心も穏やかでとても気持ちがいい。

穏やかな森。庚申山荘ーかじか荘

*庚申山荘ー一の鳥居ー国民宿舎かじか荘:CT 2時間5分*

居心地のいい庚申山荘を出発。明日登る人と5人程すれ違いました。

なんて歩きやすい道なのか。なんて爽やかなのか。さっきまで岩と格闘していたとは思えない変わりよう。

 

ルンルン下山して一の鳥居。

林道も楽しく歩きます。

 

緊張が解けて軽やか。

無事に戻ってきました。

かじか荘の日帰り入浴は、コロナ禍の現在11〜15時まで(受付14:30?)。元々入る気はありませんでしたが、日帰り入浴するのは結構厳しいですね。以前は平日20時までだったので、かなり短縮されています。

ここから再び原向駅まで歩いていましたが、2km程歩いたところで、山でお会いした人が車に乗せてくれました。本数の少ないわたらせ渓谷鐵道区間はヒューンと通り過ぎ、赤城駅まで。お陰様でスムーズに帰宅。感謝。

ということで、頭と心の片隅からチクチクと突かれていた存在の皇海山を歩き終えました。なかなかに、えらいこっちゃなお山だったこと。

クラシックルートが好きな人、もう二度と登らないという人で極端に分かれそうですね。

平ヶ岳と比べると、平ヶ岳登りやすかったなと。庚申山経由の往復だと、距離的には平ヶ岳より短いですが、アップダウンの多さとあの岩場がやはり。個人的な感想ですが、今まで登った山と比べると、岩場とか急斜面の危険度はかなり上位に食い込んでくるのではと。

足の置き場がしっかりしていれば高度感はあまり感じないタイプですが、今回は恐怖心もありました。"最低限のものはあるけど、自力で頑張ってね"というような山で、これが修験道であり、クラシックルートなんだなと。

無事に歩き終えたので、クラシックルートを味わうことができてよかったと思いますが、もう一回行くかと聞かれればたぶん行かない。一生に一度の山かもしれないけど、記憶には残り続けるであろうパンチの強さでした。

展望もなく"地味な百名山"といわれる皇海山ですが、ところどころ、特に鋸山からの景色は格別。皇海山は展望ではなく、そこに至るまでの"ありのままの山"を楽しむ感じ。歩き終えたあとの充実感はすごいです。百名山は基本的に整備されているので、まあ、こんな山があってもいいのかな、なんて。

クラシックルート、気をつけながらぜひ!

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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