2024.7.31-8.2
歩き人たかちです(@takachi_aiina)
縦走3日目の最終日。昨日は、ヒサゴ沼避難小屋から黒岳石室まで、広くて、たおやかな、縦走路を堪能。
縦走が終わる一歩手前。足に刻んだ100座を思い起こしながら、苦痛の下山。
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トムラウシ縦走 ③ コース概要
黒岳石室-七合目リフト乗り場
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黒岳石室から黒岳までは800m。ガレや岩は、綺麗に整備されています。山頂は広く、「大雪神社 奥奥の院」が鎮座。大雪山系の美しい山並みを望めます。
黒岳からは一気に標高を下げていきます。七合目のリフト乗り場まで、2km弱。階段が基本の登山道ですが、途中に、岩場の急坂もあります。ロープや鎖はないので、転倒に注意。登山道の両脇は花が咲き乱れ、とても綺麗です。
七合目から五合目の登山道は樹林帯。今回は歩いていませんが、ガスっていると、少し暗めの森歩きという雰囲気。コースタイムは20分程度。ヒグマに注意してください。
Day3:膝痛に耐えながらの苦痛下山
2024.8.2
天気:曇り・霧ときどき晴れ
気温:15〜17℃
風:西南西10m/s → 南西7m/s
黒岳石室-7合目リフト乗り場
黒岳石室-黒岳-七合目:CT1時間10分
もう、膝周りが腫れまくって、パンッパンッ!
え?水溜まってる?みたいな感じに、両膝がパンパンに腫れました。昨日から腫れだしてはいましたが、昨日はまだ、しゃがむことができた。今日はもう、無理。
トムラウシの天気待ちの間、アルプスに行こうとしていました。天気が悪くてやめましたが、アルプスに行っていたら、トムラウシは歩けなかった・・・
最後のトムラウシまでもってくれた膝よ、ありがとう。黒岳からの苦痛すぎる下山、はじまり。
黒岳石室から五合目のロープウェイまで、コースタイムは1時間半程度(最初はロープウェイまで歩く予定でした)。
6時くらいまでゴロゴロして、朝コーヒーして、小屋番さんとお喋りして・・・
ソロで、山小屋の朝、こんなにゆっくりしたのは、はじめてです。たぶん。
天気予報は少し好天しており、7時過ぎに青空がちょこっと見え隠れ。ガスでまっしろけっけ、だと思いこんでいたので、得した気分。
黒岳石室の小屋番さんは男性2人で、1人は本業ガイドの方。普段は、札幌で北海道の山のガイドをしていて、お手伝いで来ていました。
if you haveのザックに興味を持って「ちょっと背負ってみてもいいすか?」など、とても気さく。ヒグマや北海道の山の話を聞いたり、リスの鳴き声を聞いたりしながら、まったりした朝を過ごしました。
8時過ぎ、ようやく下山開始。黒岳に向かうまでのガレ場にも、ナキウサギがいるとのこと。
以前は結構いたようですが、近年は少なくなっているそうで。天敵はオコジョ。小さくて、かわいい顔をしているくせに、雷鳥とかナキウサギとか食べちゃうんだもんなあ・・・
のっぺりした岩が多く、急な坂もなく、歩きやすい。爆弾をかかえた膝には、ありがたい。
大雪山は、どこもかしこもお花畑。日本の山のお話畑は、本当に誇るべき。コマクサも咲いていました。
山頂は、賑やかな雰囲気。今日は、青空が見られると思っていなかったので、嬉しいですね〜 ☀︎
山の稜線は雲とガスがはりついているので、縦走路から景色が見えるかは微妙ですが、そのうち晴れるのかな。
最後の"黒岳"に登頂 ◎
大雪神社の奥の院。黄色い、鉄の鳥居がとってもかわいい!無事、縦走できたことに感謝して、手を合わせます。
今日は、層雲峡に早くおりて、札幌まで行こうと考えていました。しかし、膝を考慮して、層雲峡でまったりすることに。
なので、たっぷり時間がある。せっかく晴れたし、岩に寄りかかりながら、大雪山の山並みを眺めることにしました。こっちで、朝コーヒーすればよかったな。
1時間半くらい腰をおろしていたら、ガスで真っ白に。過酷な下山開始。
黒岳からの下山は、基本的に階段。距離は2km弱ですが、ずーっと階段を登るのはしんどいですね。旭岳よりも、黒岳登る方がしんどいのではないかと思う。
登山道はずっと、お花が続いています。オダギリソウ、ヤマハハコ、キンバイ、トリカブト・・・夏の花が咲き乱れていました。
これまで、自由に動いていた膝が嘘のよう。ほんの一歩の段差が恐怖。ストックがないと、下りはまず無理。
階段というのがまたつらく、横を向いて一歩一歩足をおろす・・・
膝痛って、こんなにつらいのか!!!?
痛い部分をかばうため、普段、山ではそんなに使わない筋肉を酷使したせいか、よくわからない筋肉痛に。それがまた痛いし、それのせいで、膝のどこが痛いのか、もはやわからない状態。とりあえず、痛い。
下っても、下っても、距離が縮まず、そろそろかなーと思った先には「1.2km」の看板。「え?山頂からまだ500mくらいしか進んでないの!?嘘だ!!」と、泣きそうでした。
たまに、滑りやすそうな岩の坂があり、これがまた恐怖。しゃがむ動作ができず、恐怖。
人の声がしたら、とにかく抜いてもらいました。つい最近まで、自分も普通に登り下りしていたのだが。
コースタイム50分のところ、1時間40分もかかりました。2倍・・・
死にそうになりながらも、ここまで来れて一安心。ロープウェイまで下山するつもりでしたが、無理すぎるので、リフトに乗車。リフトから降りるのがまた、恐怖だった。
*ロープウェイ&リフトのセットで¥2,000、ロープウェイのみは片道¥1,500。詳しくは、「黒岳ロープウェイ&リフト」公式サイトでご確認ください
五合目の登山道入口。登山道はリフト横の森の中ですが、見えませんでした。ササに覆われた感じかな?
五合目の施設には、食堂もあります。ガス缶や携帯トイレの販売もあり。
思っていた以上に時間がかかりましたが、層雲峡に下山。
宿は山頂から予約しました。チェックインまで時間があるので、お昼を食べて、温泉に入ります。
「層雲峡」を散策!おすすめの安宿
層雲峡は、もう少し賑わっているイメージでした。でも、このちょっと鄙びた感じ、好き。北海道は旅行者も多いので、静かでよい。
ラーメンとか、カレーとか、お店が数軒ありました。サイコーマートもあります。
「大雪山食堂」でカツカレー。山を歩いたあとは、カツカレーを食べたくなる。ボリュームがあって、サクサクで、美味しかったです。メニューも豊富でした。
温泉は、近くにある「黒岳の湯」に行きました。日帰り入浴¥600で、周辺の温泉の中では、おそらく一番安いと思います。露天風呂も、サウナもあって、とてもいい温泉でした。水風呂で膝を冷やしまくった。
予約したのは「層雲峡ホステル」。中心から700mくらい離れていますが、静かで、すごくいいお宿(ゲストハウス)。
近隣の日帰り温泉の割引もありました。「黒岳の湯」はありませんでしたが、隣の「朝陽亭」や「ホテル大雪」は割引になるので、チェックイン後でもいいですね。
「ホテル大雪」の中には、「Taisetsu Bakery Cafe & Bar」が併設されています(営業時間8:00〜22:00)。
ちょっと覗いてみましたが、とてもおしゃれでした。15時前でしたが、パンはもうほとんどなく、数個残っているのみ。コーヒー持ってるし、寄らずに宿へ。
層雲峡に泊まるならここ!と決めていた「層雲峡ホステル」。
受付には、お酒やカップラーメン、オリジナルTシャツやポーチ、ポストカードなどが販売されています。
夕食の「黒岳カレー」が名物のようですが、¥1,700とお高め。お昼にカレーを食べたので、今回はパス。チェックイン時にオーダーできます(朝食のお弁当¥600)。
くつろぎスペースも、共有スペースも、全空間すてき〜◎フリードリンクがあり、キッチンも使えます。
海外のゲストハウスは、キッチンが汚いことも多いですが、日本の宿はやっぱりいいですね〜。隅々まで綺麗で、おしゃれで、落ち着く。
山小屋とか、山の麓の宿の本棚好き。他にも、雑誌とかいろいろあって、1泊では足りないくらい、充実していました。
部屋はドミトリーにしましたが、個室もあります。日本のドミトリーは、カーテンもしっかりしていて半個室みたいなもんだし、コンセントもあるし、空間として十分ですね。海外の方が1人いらっしゃいました。
ご年配のご夫婦グループも泊まっており、山の話を少し。毎年、お花の時期にここに泊まり、近隣の山を歩きにきているとのこと。
毎年、行きたい場所があるって、素敵ですね。私はまだまだ、知らない場所を優先するので、いつか、そんな山とか山小屋ができたらいいなあ〜と。春の南高尾は欠かさないけど。
翌朝は6:20発のバスに乗り、旭川駅で乗り換えて、札幌まで戻りました。「層雲峡インフォメーションセンター」の前にバス停があります。
トムラウシの短縮登山口まで車に乗せてくださったNさんも、無事、100座目の雌阿寒岳に青空登頂できた、と報告をいただきました。
帰宅したら、パートナーからのお祝いケーキが!こんな、自由奔放な自分に文句も言わず、見守ってくれていたことに感謝しかない。
8年間、コツコツはめてきたパーツが揃いました。重さを測ったら、1046g。幸せな重みです。
日本百名山を終えて
100座完登しましたが、100座のすべてを見たわけではありません。
春夏秋冬、日本には四季がある。1つの季節しか知らない山もたくさんあります。季節を少し変えないと、見られないお花もたくさんあります。リベンジしたい山もあります。
そう考えると、100座だけで何通りあるのやら。百名山といえど、日本の山の、ほんの一部にすぎない。
ああ、百名山て、終わらないんだ
少しの解放感とともに、そんな気持ちにもなりました。
よく、燃え尽き症候群になる、といわれますが、私はまだまだ見たい景色、歩きたい道が山ほどあります。
むしろ、100座登って、山がより好きになりました。8年だって、人生のほんの一部。
でも、知らない世界にときめきながら、夢中になれたことは宝物。そして、これからも、宝探しは続いてゆく。
ゆるっとした山歩きも、コテンパにされるほど苦しい山歩きも、ぜんぶ好き。
どんな山でも、いつだって、自分を、自分の内側を、"破壊"してくれます。いい意味で。
私は、山の風が好きです。太陽の下、風を浴びるために山を歩く、といっても過言ではありません。私にとっての"破壊"は、そんなところ。
人生に、生活に、その"破壊"が必要だから、これからも、足に山を刻み続けます。
ピークよりも贅沢なものがある
縦走路を歩くことは、最高の贅沢だ
日本百名山を経て、トムラウシ縦走を経て、はっきりした自分の気持ち。
今後とも、どうぞよろしくお願い致します。
お世話になっていた、日本百名山の本
次はコレにお世話になろうかな、という本
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
よろしければ、応援よろしくお願い致します。
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