2020.10.30(金)
高知県室戸市 晴れ☀︎20/14℃
歩き人たかちです。
昨日はゆったりと室戸を歩いたので、ゆったりと朝を迎えました。今日の野宿場所は「道の駅 田野駅屋」を予定。最御崎寺から約32km。室戸の海外沿いは素敵なお店が結構あって、2人いればいろいろ食べられるのにと思うこともしばしば。今日も国道55号を元気に歩きます。
室戸の暮らしの中。25番「津照寺」
*24番最御崎寺~25番津照寺:6.5km*
最御崎寺の朝ごはんは6:30から。朝一で朝食に向かいます。
お腹に優しい朝ごはん。私のお腹は精進料理向けです。
朝食前に準備は完璧にしておいたので、ごはんを食べて7時過ぎに出発。
スカイライン側の入口。
最御崎寺を経由して歩くと、厳密には室戸岬にの先端部分は歩かないことになります。せっかく岬に来たのなら先っぽに行くべきか…昨日登ってきた道を下り、先端をぐるっと回って行こうか考えましたが、上から室戸の海も見てみたい。最御崎寺からは見えなかったし…。
スカイラインを下ることにしました。これが結構良くて。
高知は地図を見ても、実際に見ても、本当に海外沿いに暮らしが広がっています。海の街。スカイラインからはそれがよく見える。
室戸市にはとっくに入っていますが、お~室戸だな~と思います。
ジェットコースターのように下ってきました。
今日は風が少しあって、日陰のない55号も少し涼しい。
ハイビスカス?
昨日ジオパークセンターで室戸の成り立ちを学んだので、室戸の暮らしがより美しく目に映ります。
しかし、スカイラインを下ってから国道55号を歩いてしまいました。へんろ道は、スカイラインを下ってすぐに民家のある道に入ります。その3km弱の道が一番室戸市らしい暮らしが広がる場所です。ジオパークセンターの映像で見た、これぞ室戸!という道だったのですが、間違えてしまいました。
なんだか味気ない国道を歩いていて、あれ?向こうに昨日映像で見たような室戸が…と、気が付いたときにはもう国道と合流する地点のちょっと手前まで歩いていました。スカイラインを下り、海風の心地よさに誘われて国道へ出てしまいました。
本当はこの奥の道を歩きたかった。仕方ない…。津照寺のある街ももちろん室戸なので、まだ希望はある。
街の手前でまた国道から離れ、今度こそへんろ道を。瓦屋根の家並みが続く、趣のある道でした。
まもなく到着。
【 25番 津照寺 】
本尊:地蔵菩薩
宗派:真言宗豊山派
開基:弘法大師
西に極楽浄土があると信じられ、人は四国の海岸沿いを歩き始めました。これがお遍路の原型と言われていますが、高知は四国の中でも辺境の地でした。強風と荒波の室戸。室戸には三つの札所があります。津照寺は「津寺」と親しまれ、室津港を見下ろす小高い丘の上に建ちます。山の形が地蔵菩薩の持つ「宝珠」に似ていることから地蔵菩薩を刻み本尊としました。この像には、寺が火事にあったとき、僧に変身して村人に知らせ救ったという逸話があります。また、室戸沖で暴風雨に遭った船に一人の僧が現れ、舵を取って無事に帰港させました。それは地蔵菩薩だったと云われます。明治に寺領が没収され、その後復興が許されたらものの、寺領は大幅に削られました。
参照:四国お遍路88ヶ所歴史読本
著者:株式会社エディスタ
いつも通り納経所前のベンチに荷物を置き本堂へ。
階段の先はこじんまりしたスペース。団体でお参りするには少々厳しそうな感じ。今までの本堂とは雰囲気が大分違う。昭和50年に再建されたとのことで、他のお寺に比べると大分新しいです。
しっかり海も見えます。
昨日、最御崎寺の宿坊がご一緒だったYさんが読経をされていました。
大師堂の方が、どちらかというと本堂という感じの佇まい。こちらは昭和30年再建。大師堂の方が早いのか。
津照寺はとてもコンパクトなお寺でした。
海と山。26番「金剛頂寺」
*26番金剛頂寺まで3.8km*
津照寺を後にして、漁港の街を縫って歩きます。
可愛い亀のバス停。「奈良師かめたろう」とありました。名前?
写真を撮りながら歩いているとYさんが追い付きました。「写真撮り出すときりがないでしょう。」と。その通り。立ち止まってばかりいます。
海沿いでは、国道55号を出たり入ったり。ちょっと民家のある生活道の方へ入り込んで、また合流して。別に国道を歩き続けてもいいのですが、暮らしを見ながら歩くのはとても楽しいです。
しかし、歩いていて思ったのは
「高知県、へんろ道案内少ない…」
徳島県には細かく案内があったので、高知県の少なさが目立ちました。まあ、ひたすら海沿いなので少なくても大して困らないのですが。しかし、これも県ごとに違ってなかなか面白かったです。総じて徳島県が一番親切だと思いました。
途中でYさんと「この信号渡ればいいんですかね?」と2人で確認しながら。
「民宿うらしま」発見。ここから右折します。民宿の駐車所には休憩所がありました。
山に向かって歩いていくと、まもなく登山口に。
金剛頂寺までは距離600mで、標高差130m。
金剛頂寺は山道でした。ここまで焼山寺を除いてほとんど階段だったので、ちょっと新鮮。傾斜は最御崎寺と同じくらい。最後の方はこちらの方が少し急だと思います。
山道から車道に出ると最後は134段の階段。
到着。
【 26番 金剛頂寺 】
本尊:薬師如来
宗派:真言宗豊山派
開基:弘法大師
最御崎寺の「東寺」に対し[西寺」と親しまれています。弘法大師が修行をした「行当岬」の高台に建ちます。大使が背負って旅したとされる「金銅旅壇具」が伝わり、これらは国の重要文化財に指定されています。かつては女人禁制で、女性は海沿いに建つ「不動堂」に札を納め遥拝しました。寺の周囲は原生林が残り、椎の木などが茂ります。境内のすだ椎には県の天然記念物である「奴草」が寄生。鯨の供養塔も建っているので「鯨寺」とも呼ばれます。
参照:四国お遍路88ヶ所歴史読本
著者:株式会社エディスタ
鐘は鳴せるお寺と鳴らせないお寺それぞれ。鳴らせるところでは気分で鳴らしていました。
本堂は大きくてご立派。
山を登ってひと汗かきました。参拝してちょっと休憩。木陰は相変わらず涼しい。
大師像は88ヶ所のお寺のほとんどにありましたが、大体同じ格好をしています。なので、たまに違う姿だと面白い。ここの大師像も歩いている感じのちょっと躍動感のある像でした。見るだけ見て撮り忘れた。
充実の道の駅。キラメッセ室戸
*金剛頂寺〜キラメッセ室戸:1.6km*
納経所の横にへんろ道の案内があり、階段を下りて池の前を通り、なんか建物に辿り着き…
おや?どこだ?ここは?
へんろ道の案内が見当たらないと思っていると、そこにあった階段の下にYさん発見。
Yさんもこちらに気が付きました。「へんろ道ってそっちですかー?」と上から聞くと「いやー、なんか違うみたい。」とYさんも迷子。Yさんが階段を上がってきました。
「Googleですね」と私が調べ、Googleに従います。あれー?こっちなの?と2人で首を傾げつつ進むとようやくへんろ案内を発見。
納経所から階段を下りてそのまま真っ直ぐ(お寺の地図では)行くと「不動尊」の方面の道があり、そっちだったみたい。左の方の「護摩堂」方面に歩いていたらしい。しかし、案内はあっただろうか?今でも正解がわかりません。
Yさんも「なんか、高知入ってから案内少ないよね?」と同じことを感じていました。
山道まで一緒に歩き、そこからは別々で。Yさんは北海道の方でした。お歳は67歳とのことですが、歩きがかなりしっかりしています。最御崎寺の登山口前で遠目で見た時は、姿勢が良くて30代の人と思ったくらい。1時間3kmくらいで歩いていると仰っていましたがとんでもない。普通に4~5kmペースで歩いていました。
金剛頂寺からの下山も普通の山道。原生林の低山ハイクという感じ。よい。
はじめはなだらかで、だんだん山道らしい傾斜になっていきました。途中で「不動岩」の分岐がありますが、そっちは国道を少し戻った場所に出るので、道の駅方面に下ります。
暑い国道に向けて一気に下っていきます。
下り切ると「道の駅キラメッセ室戸」がありました。
ここには「鯨館」という、ちょっとした博物館的な展示があります。私は鯨が大好きなので、時間があったら鯨館に寄ろうと思っていたのですが、鯨館に入ったらおそらく2時間は入り浸っていると思ったのでやめておきました。パッパと見て、満足したつもりになるのは勿体ない。また室戸に来る理由として、こちらも取っておくことにしました。
その代わりミュージアムショップに寄って、室戸のだるま夕日と鯨をモチーフにしたピンバッジを購入。室戸には本当にお世話になったので記念に。国道55号のピンバッジもあり、今思えば55号も買えば良かったなって…。かなり歩いたのに55号…。
この道の駅はロケーションも抜群。ベンチに腰をかけ、水平線を眺めながら一息。最高です。
そして、道の駅には何でもあるくらいの勢いで、野菜もお弁当もパンもたくさんありました。もちろん魚介類も。なので、平日の真昼間にもかかわらず、すごく混んでいました。
店内の写真を撮りたかったのですが、人人人…で撮ることができず。レジの人も次から次へとさばいています。外観は小さめで、正直こんなに充実しているようには見えなかったのですが、ものすごく充実していました。
野宿していいなら、もう鯨館じっくり見て野宿したいくらい。許可されているかはわかりません。まだ11時なので進みますが。
美味しそうなものがいろいろ並んでいましたが、なんだか「芋もち」が目に入ってしまいました。お饅頭やら大福系が食べたかったので、甘い組み合わせで買ってしまいました。
海を見ながら芋もち。でも、1人で3つは厳しかった。
30分程休憩をして出発。
蔵の街。吉良川町並み保存地区
*道の駅キラメッセ~蔵空間:2.9km*
次に通るお店のある町は「吉良川町」です。地図では国道と民家の方どちらにも線がありますが、街並みが好きな方は吉良川町を歩くことをおすすめします。
街に入りこんですぐの平屋に「古民家宿 ひみつきち」と小さく貼られていました。
男女共用の相部屋ではありますが(個室もあります)嬉しいことにフリードリンクならぬ「フリーお米」があるとのこと!無料で地元のお米を用意しています。とHPにありました。学生時代からゲストハウスもいろいろ泊まっていますが、お米どうぞは初めて。道の駅で野菜を買えるし、自炊組には嬉しいですね。
ここにゲストハウスがあったのなら、鯨館寄っても良かったなあ~とまだ鯨を引きずる。
吉良川町に入る手前の国道沿いには「SADOMARU BURGER」という、美味しそうなハンバーガー屋さんもありました。道の駅で芋もちを食べていなかったらこれ食べたかったー。1人だと、あれもこれもができないのが悔しい。
全て国産のものを使ったハンバーガー。わざわざ食べに来る人も結構いるようです。
進んで行くと、段々街並み保存的地区の雰囲気。
この吉良川町には、私の持っている地図にも宿が一軒記載されていました。それが「遍路宿 蔵空間蔵宿」。
古民家カフェと宿を経営していて、看板もも渋くておしゃれ。
歩いていて「何この家超かっこいいんですけど」と思った建物が蔵空間でした。
「土佐備長炭 自家焙煎珈琲」と書いてありました。「土佐」って、無条件に良いと思ってしまうのは自分だけか。
是非ともカフェに入りたいと思いましたが、カフェは12:30~。まだ12時前…。うーん、諦めます。
宿も素敵です。素泊まりか朝食付きになりますが、吉良川町はスーパーもあるので食料は調達可能。カフェで早めの夕飯でもいいし、サドマルバーガー行ってもいいし。
こちらも今日の寝床として考えましたが、ちょっと距離が短いかなと思ってやめました。室戸が楽しすぎて、もうどこでもよかったなと思います。
そして、もう一軒気になったお店が「古民家喫茶 多だ屋」。人生の楽園にも出演されたそうで。ここのご飯も美味しそうですね・・・。
夕方頃に終わるお店が多いですが、吉良川町はいろいろあって泊まると面白そうな街だと思いました。大きな何でもある街よりも、最低限で素敵なお店がある街の方が旅気分になります。
看板がいい。
日和佐以来のこのポスト。
吉良川町、渋くてかっこいい素敵な街でした。国道に戻ります。
海をなぞって田野町へ
*蔵空間~道の駅田野駅屋:16km*
吉良川町を過ぎ、へんろ道はここから山側の道へ延びています。しかし、もう、暑くて…そのまま「羽根峠」を通る海岸沿いの国道を歩きました。金剛頂寺の山道で今日はお腹いっぱい。
川が大海原へ。いいですね、繋がりが見えるのは。
羽根岬の展望スポットに東屋がありました。お手洗いもあって、ここは野宿スポットにとても良さそう。夕方あたりまでは観光の人たちがいそうですが。
羽根岬には「竜宮神社」がありました。とてもこじんまりとした海の神社です。
この海の中には竜宮城があるのか・・・浪漫。
このあとの「加領郷」は、国道沿いに民家がポツポツある地域でした。国道沿いには「お遍路ハウス 加領郷」という遍路宿が1軒あります。
田野町まであと5km。先のバス停にはお遍路さんが休憩していて、まもなく歩き出しました。私もあと少し頑張ろう。
「奈半利」に入りました。
中心地に近づくにつれ、街はどんどん大きくなります。私は隣の田野町へ行きますが、2つ合わせるとかなり大きな街です。「ホテルなはり」が山をバックに目立っていました。
2つの街を繋ぐ大きな橋を渡ります。
あれは「ごめん・なはり線」。名前がかわいい。
田野駅に建つ「道の駅 田野駅屋(たのえきーや)」。到着。
つい最近・・・
道の駅での野宿は営業時間終了まで何もできません。なので、近くの「たのたの温泉」に寄ってから道の駅に行き、許可を得てテントを張ろうと思っていました。
しかし、お腹が空いてしまったので先に道の駅に行くことに。16:00頃着いてごはん選び。購入時にレジでお聞きしようと思いきや中は結構人がいて、自分の後ろにも並んでいたので食べてからでいいかと、先に外のベンチでごはんタイム。
張るならここかなーと見学。
食べ終わって人が引いたタイミングを見計らい、レジのスタッフさんに「お遍路を歩いているのですが、営業終了後にテントを張らせていただいてもよろしいでしょうか?」とお聞きすると・・・
「あー…すみません…つい最近野宿が禁止になりまして…」
えー!?つい最近!?
失態…。野宿OKだったという、半年くらい前の情報がネットにあったので、大丈夫だろうと安易に考えていました。
道の駅には特に「野宿禁止」という貼り紙はありませんでしたが、ここは禁止とのこです。やはり、道の駅は難しいな…。ごはん食べてないでさっさと聞いておけばよかった。
スタッフの方が「ちょっと待ってくださいね。」と言って、他のスタッフに近くで野宿できそうな場所を聞いてくれました。予想通り「たのたの温泉の前にある二十三士公園なら大丈夫だと思います。」とのこと。
萩森リストにもその公園は載っていたので、一応そこも候補にはしていました。お礼を言って道の駅をあとにします。
さて、どうしようか。温泉に入って公園で野宿でもいいのですが、今日の寝床を決めるにあたって、道の駅か遍路宿かで非常に悩んでいました。それが「遍路宿ととろっと」。あまり情報がないのですが、その数少ない情報の中で「すごくおすすめ!」と太鼓判を押されていたへんろ宿。しかも宿泊料金は1000円。1000円なら布団で寝ようかなと野宿諦めモード。
こんなことなら初めから遍路宿にしておけば良かった。もう16時半を過ぎていて、悩みましたがダメもとで電話をしてみました。
出るかなー…と思ったら男性の方が出て、事情を話しました。すると「宿に泊まってもらうのは構わないんだけど、実は明日から私もお遍路歩きに行くんですよ。だから、朝7時前には出てもらわないといけなくなるけど」とのこと。
早朝出発は全然問題ありません。泊めていただけることにもう感謝。そして、今スーパーにいるからちょっと待っててもらってもいいかとのこと。たのたの温泉に行きたかったので、温泉行きますというと「あの温泉高いですよ?」と。
でも、評判がいいので行きました。遍路宿はGoogleに住所登録されていないので、温泉から上がったら連絡をして迎えに来てもらうことに。
日没の時間に申し訳なかったです。でも、気になっていた宿に無事寝床を確保できて一安心。
とろっとろの「たのたの温泉」
*道の駅田野駅屋~たのたの温泉:1km*
駅からと歩くと公園発見。
ここが「二十三士公園」。
橋を渡ったところに東家がありました。お手洗いもあるそうですが、どこだったのかはよく見ていません。
ただ、ここはめちゃくちゃ結露しそうですね。「ここ、結露やばいだろうな」って場所は結構身体で感じます。空気とか湿度とか。
500m駅方面に戻ればコインランドリーもあります。温泉、ランドリー、食料、お手洗いがあるので野宿環境としては何も問題ありません。
日没です。
たのたの温泉は、日帰り入浴700円。お湯がとろっとろで、すごく気持ち良かったです。以前、北海道の「白金温泉」でお湯のなめらかさに感動したのですが、ここのとろとろ感にも感動しました。お湯の質感を感じられるのは、ちょっとした喜び。
露天風呂はありませんが、外に出られたので、温まって涼んでを繰り返しながら長風呂。
施設も綺麗でした。
最高の遍路宿「ととろっと」
18時前にととろっとのSさんにお電話。5分くらいで迎えに来てくれました。
Sさんはとても良い方で、こんな自分を快く受け入れてくださいました。「前はね、21時に電話きたこともあってさ。さすがに参っちゃったけど」と笑って話されていました。21時…さらに上がいましたが、本当にすみませんって感じで。
田野町の道の駅の野宿に関して「野宿禁止にしたら絶対だめだ」と声を上げていたそうですが、結局禁止になってしまったとのこと。Sさんはベテランお遍路さん。ご本人も野宿で歩かれます。今回は逆打ちで、明日は大窪寺へ向かうとのことでした。
すぐに遍路宿に到着。
噂通り、めちゃくちゃいい宿でした。すごく綺麗に管理されていて、いつでも受け入れ態勢ができている状態。
宿代の1000円は「光熱費」という名目ですが「1000円でも高いと思うんだけど」と仰っていました。いやいや、むしろこれで1000円???ってびっくり。想像以上でした。
あれもこれもあります。
4人くらいは泊まれると思います。布団が何人分あるかはわかりませんが。
「ととろっと」ってやっぱり「ととろ」のことなのか?
お風呂ももちろんあって、お手洗いも綺麗で、洗濯機も無料。ソファがあって、布団はふかふか。ほんと、最初からここにすればよかった…。
Sさんはお遍路についていろいろ教えてくださいます。とてもお話好きの方でした。
「時間があればいろいろ話したかったんだけど、これだけは」と話してくださったことが3つ。
①「お寺ではゆっくり過ごす時間を大事にしてほしい」
作法よりも、空気とか雰囲気とかそういうのを大切にしてほしいとのことでした。お寺ごとに空気を感じることが好きでしたが、それは間違っていませんでした。ここまで、見逃した見所はたくさんあるし、いまだにしっかり見ることができていませんが、この一言で「それでも良かったのか」と思いました。
いつもお寺の中を一つひとつ細かく見ずに、お参りが終わると大体ベンチに座ってぼけーっと眺めています。気になった場所だけチラチラ見たりして。だから見逃しが多いのですが、ぼけーっとする時間はやっぱり大切なんだなと。
②「13時か14時頃には足を伸ばす日をつくること」
こんつめて歩いてはいけないと。日本人は特に「今日は絶対ここまで歩かなきゃいけない」という人が多すぎると。毎日そんなことをしていたら身体を壊してしまうから、たまには13時とか14時には足を伸ばしてあげるんだよって。野宿でも、そういう時間にテントを張っても大丈夫な場所もあるしと仰っていました。
Sさんもこれから歩き出しますが「年末までに帰ってくればいいかな」と仰っていました。2ヶ月あります。時間に余裕があるのなら、毎日30km!とかギチギチに予定を立てない方がいいです。
私自身、ゆっくり歩いているつもりでも、寄り道しようとすると結局「時間ないな」と思っています。そうならないようにしているつもりなのですが・・・もっと楽しまないと。
③「ここだけは絶対通ったらあかん」
ここだけは絶対あかん!と教えられた道は、36番からの道。
36番は打ち終わったあとに「打ち戻り」といって、来た道を戻って県道23号を進むか、「横浪黒潮スカイライン」というスカイラインを進むかで道が2手に分かれます。
Sさんには「スカイラインは絶対通ったらあかん。必ず打ち戻りするように」と言われました。
このスカイラインは10kmに及ぶ道。車のためにつくられた道路なので、宿もお店も全然ありません。もちろん民家も。
以前、女性のお遍路さんがスカイラインを選んで歩いていたところ、事件が起きたとのこと。「身ぐるみを全て剥がされた」という事件。車しか通らないから狙われやすく、私が女性だからというのもあって強く言われました。
もちろん、金銭を狙われることもあるので男性も要注意です。Sさんはその事件のことをとても話しにくそうにされていました。なので、私も話されること以上は聞かなかったのですが、その女性はどうなったのか…気になって後日ネットで調べてみましたが、何も出てきませんでした。こういうのが地元の人だけが知る情報なのだと思います。「表には出ないけどいろいろある」とこの先でも言われましが、そういうことなのだと思います。
スカイラインはアップダウンも多く、健脚向き。10kmも何もないので元々打ち戻る予定ではありましたが、情報をいただけて良かったです。気が引き締まりました。
「景色が凄く良いへんろ道」とネットでは紹介されていましたが、ここは通らない方がいいと思います。
Sさんはお遍路情報を親切にたくさん教えてくれますし、本当におすすめの遍路宿です。宿の方や他のお遍路さんの情報がリアルなので。他にもおすすめの通夜堂や善根宿のことも教えてくださいました。
夕方前に宿に着いていたらもっとお話できましたが、明日はSさんも出発なので、キリの良いところでお話終了。
今日もまた助けていただきましたら、ネットの情報はどんどん古くなります。全て鵜呑みにしているとダメだなと改めて。楽しかった室戸市も終わりました。次なる岬は「足摺岬」。明日もぼちぼち歩きます。
★本日の歩行距離:31.8km
★累計:268km
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