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日々感謝。1200kmのへんろ道。【23日目:お弁当が美味い三原村】

お 遍 路

2020.11.11(水) 
高知県土佐清水 晴れ☀ 18/9℃

歩き人たかちです。

昨日は足摺岬をぐるっと一周して、西海岸の美しさに終始満足。次の39番延光寺までは土佐清水から40km以上あるので、今日は途中の三原村でストップします。ただ、三原村の宿はほとんどが一日一組限定の「農家民宿」。なので、できれば三原村を突破した平田駅付近まで行きたいと思いましたが、そこまでは38km。三原村は野宿場所も微妙なので、地図にあった「清水川荘」に電話をしてみると営業しているとのことで予約。しかし、なかなかワイルドな宿でした…。

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国道321号で打ち戻り

*ビジネスホテル土佐清水~ドライブイン水車:17km*

昨日、いただいた鰹と一緒に食べたにんにくで疲れが取れたのか、身体がめちゃくちゃ元気になっていました。5:00にスッと起床。こんなにスッと起きたのは歩き始めてから初めてです。にんにくパワー恐るべし。

6時半前に出発。

ここから以布利方面へ抜ける国道321号では歩道の工事を行っていました。「歩道があるだけでありがたい」というお話が蘇ります。ここは、広くてとても快適な歩道が続いています。感謝。

以布利の方へ行くと遠回りなので、以布利トンネルを抜けて大岐へ向かいます。

トンネルも幅広の歩道。

とってもお世話になった以布利の街が見えます。じんべえ広場には今日もお遍路さんが泊まるのかな。

大岐の街に入るとトンビがいっぱい。電線にズラリと並ぶトンビ。飛んでとまってをひたすら繰り返しながらの獲物探し。その下の車道はもちろん糞だらけ。大岐ストリートは上を見ながら歩かないと糞をくらいます。きっと。

「ゲストハウス大岐ビーチ」。おすすめされました。

先日歩いた大岐の浜を見ながら戻っていきます。

大岐の浜を過ぎたところのカーブは、行きも帰りもへんろ道を行かずに国道を歩きました。歩道はなく、車はカーブでも結構スピードを出しているので要注意。一度怖い思いをして、帰りは特に慎重に。右に左に安全な方を歩きます。

同じ道でも行きと帰りでは景色が違います。つい2日前なのに、こんな道だったっけと思うほど。国道でも見える景色はこんなに違うのか。順打ちと逆打ちでは全く違うお遍路になるのだろう。

高知の海ともお別れです。これだけ毎日海沿いを歩けば嫌でも記憶に残ります。さすが、修行の道場高知県。記憶も強い。でも、場所によって海が違うので、とても楽しめました。

ローソンまで戻ってきましたが、あと1時間歩けばドライブインに着くので今回はスルー。なんだかんだここまで休憩をしないまま歩きっぱなし。でも、身体はできあがっているのるで、辛くはない。

黙々と歩いてドライブイン水車。ここでココアを飲みながら大休止。

三原村へ行く道は「真念庵コース」を選びました。県道46号を歩きます。この手前には県道21号で行くコースもありますが、距離が短いのは真念庵コース。しかし、ここは峠になっているので少しずつ登って行きます。県道21号だと距離は2kmくらい長くなりますが、真念庵コースよりも緩やかということ。

真念庵を選ぶ人が多いですが、峠は嫌という人は県道21号を歩いていました。

しかし、Googleで調べると県道21号も200m登ることになっています。真念庵コースは220m弱。距離が長い分21号の方が緩やかなのだと思いますが、そこまで大きくは変わらない気もします。

40分くらい休憩して出発。

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城山峠を越えて三原村

*ドライブイン水車~みはらのじまんや:13km*

ドライブイン水車を後にして大きな「真念庵」という看板を左折します。

真念は、空海が修行した四国の道を全国の庶民に広めた人で「四国遍路の父」と呼ばれています。空海が修行した道は、修行して以降1000年庶民とは無縁の道でしたが、信念が「四国遍路道指南」という書籍を記し、広められました。今でいうガイドブックのような本。

真念庵は真念が創建した別格霊場。納経は近くの「大塚さん」の自宅へ行くとのこと。今に続くお遍路の文化は、この真念のおかげ。私が歩いているのも真念のおかげ。と思いつつ寄らずに先へ進みました。

真念庵ルートはドライブイン水車から220m弱の標高差ですが、何キロにも渡って緩やかに登るので、きつい坂があるわけではありません。

何もない林道と集落を交互に通り過ぎながら進んで行きます。

日向と日陰の温度差が大きい。秋だな〜。日向を歩いていてもそこまで暑さを感じなくなってきました。

城山に入り込むと休憩所がありました。花が飾ってあるのがほっこりします。住民の方が管理してくださっているのでしょう。

真念庵ルートでは、最後の方で県道46号をそのまま行くか、山に入り「城山峠」を越えるかでルートが分かれます。

今日はここまでずっと国道なので山に入りました。昔のへんろ道を楽しめるそうです。

ちょっと国道を離れただけで涼しい。山道は整備が行き届き、とても歩きやすい道でした。

途中に水場。冷たくて美味しかったです。顔を洗ってスッキリ。

展望所があるわけではないですが、緩やかに登って行き気分爽快。

歩きやすいまま「狼内」の集落に到着しました。

日陰で涼しい農道をしばらく。

国道合流。

この国道の途中にはさらに道がもう一本、地蔵峠を越える「真念遍路道」があります。「真念石」があるのでそこから入って行きます。歴史のある道だそうですが、ここを歩いたという人には出会いませんでした。現在も普通に通れるのかなどの詳細は不明。

真念石すら見るのを忘れていました。

宮ノ川トンネルの手前に「みはらのじまんや」の看板がありました。

今日はここで食料を調達する予定。「やまびこカフェ」がとても人気らしく、家庭料理のような日替わり定食を食べられると。期待。

トンネルを抜けると長閑な里山。

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みはらのじまんや*やまびこカフェ

到着。

みはらのじまんやの敷地内にはコインランドリーもありました。

写真を撮っていると車が一台、男性が出てきました。「どこから来たん?」と聞かれ、「東京です。」と答えると「あら~遠くから~。」と言って、じまんやの中へ入って行きました。

私もそのあとお店に入ると「ほれ!頑張って!」と言って、先ほどの男性が缶コーヒーをくださいました。あー、またです。このスッとした感じ。なんて格好いい大人。ありがたくいただきました。

お店は小さな道の駅という感じ。野菜、果物、お弁当もあります。

三原村自慢の手作り弁当はどれも美味しそう。おかず多めのお弁当を。

店内を物色していると「AMAZAKE」を発見。甘酒大好き。これは飲むしかないと買いました。三原村はどぶろくが有名です。

隣のやまびこカフェに行きましたが、日替わり定食は終わってしまったとのこと。14時だしな。売り切れても仕方ない時間。

飲み物は出せますとのことだったので温かいゆずジュースをいただきました。これがまた美味しい。

この山びこカフェは、憩いの場のようになっています。Wifiを使えるのがすごくありがたい。水も自由に飲めるし、持ち込んだ食料を食べても大丈夫。レンジまで供えられているので、買ったお弁当を温めて食べることもできます。

とにかく、どぶろく。

チェックインまで時間もあるし、wifiも使えるし、しばらく居座らせていただきました。

高知にも愛媛のお菓子「ミレービスケット」がたくさん売られています。スタンダードなものしか知りませんでしたが、すごく種類がある。アンチョビとかいちごミルクとか不思議な味がしそうなものも。土佐久礼手前の道の駅で買ってからずっと食べずに持ち歩いていた「ゆず塩」をやっと開けました。これが、すごく美味しかったです。塩加減がすごくいい…。おすすめです。

その土地のお菓子を食べながら歩くのは楽しみ一つ。

いただいた缶コーヒーとともに。

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ワイルドな清水川荘

*みはらのじまんや~清水川荘:1.6km

15時50分頃、今夜の宿「清水川荘」に向かいました。みはらのじまんやから20分程。

途中には星ヶ丘公園の標識。地図にも休憩所とトイレのマークがありましたが、公園の情報を調べると花の情報ばかり。野宿環境としてどうなのかはよくわからなかったのでやめておきましたが、東屋もあるようです。

そのまま村の中心から離れていくと着きました。

HPには「簡易宿泊所」と書かれていますが、本当に簡易な感じ。

ドアにはこんな貼り紙。入れるのかと思ってドアに手を掛けるも鍵がかかっていました…。この貼り紙はいつも貼ってあるようです。

仕方なく電話をしました。男性の方が出て「あ、もう着きました?ちょっと10分か20分待っててもらえる?」と。

もう16時15分ですが…。チェックインの時間にはいてほしい…と思いつつ仕方なく待ちます。10分で来てくれたら嬉しいと思っていましたが20分くらいかかりました。

車から降りるなり「あ~ごめんねぇ、そろそろかなーって気になってはいたんだけど」と。気になっていたなら宿にいてほしい。

中に入り、一番奥の部屋1号か2号の好きな方を使ってと言われました。

しかし、玄関から掃除されているのかいないのかわからないような状態。何より布団がシミだらけ…。シーツ類もちょっと湿気っぽい臭い。髪の毛もところどころついていて、ちょっとこれはさずがに使いたくないという状態。

仕方なく、岩本寺のガレージと同じように、ベッドにインナーシートを被せ寝袋で寝ました。

水道には髭剃りがコップに入ったまま置かれていて、かかっているタオルからは異臭が…

いやー、これで3000円か…野宿にすればよかったくらいの気持ちになってしまいました。屋内キャンプということにします。

お風呂のお湯を入れるから10~15分くらいしたらどうぞと言われ、先にお風呂に入りました。

ヒノキ風呂だったのですが、問題が一つ。シャワーが付いていますが、流した石鹸が湯船に入るよねこれ…というつくり。蓋をしても下から流れて入るよな。今日は私しかいないので、先に湯船に入って、栓を抜きながら石鹸類を使いました。

以前は結構泊まっている人も多かったようですが、どうしていたのだろうか。

奥には冷蔵庫やテーブルなどの共有スペースっぽいところも。

さっさと寝てしまおうと、ごはんを食べて甘酒。おかずはどれも美味しいです。もっと大きいお弁当買えばよかった。

AMAZAKE、最高に美味しかったです。

ここはNPO法人が管理、運営をしています。三原村に泊まる際は、農家民宿の美味しい食事で泊まる方がいいかと・・・

今日はほとんど国道歩きでした。大好きな高知県も明日で終わり。松尾峠を越えて愛媛県に入ります。今日の宿は正直はずれでしたが、野宿道具が役に立ちました。へんろ宿もいろいろです。

★本日の歩行距離:31.6km

★累計:590.4km

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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