一周してクローズドセル。山と道「UL Pad 15+」

山 の 道 具

歩き人たかちです。

スリーピングマットの歴史はいろいろ。

私の場合「クローズドセル → インフレータブル → エア → クローズドセル」。一周して戻りました。

大事な睡眠に関わることだからこそ、頭を悩ませてしまう。一通り使用した結果、自分には"クローズドセル"が合っていました。

スリーピングマットのこと、今まで使用してきたものたち、新しい仲間である山と道の「UL Pad 15+」のことを順にお話します。

*山と道の紹介は最後なので目次から飛んでください

スリーピングマットの種類と特徴

スリーピングマットは3種類。

◾︎ クローズドセルマット
◾︎ インフレータブルマット
◾︎ エアマット

それぞれの特徴、メリット・デメリットから。

クローズドセルマット

画像出典:THEAMAREST

クローズドセルマットとはポリエチレンやEVAなど、独立気泡の発泡素材のこと。避難小屋では、昔ながらの"銀マット"を使用している人も少なからず見かけます。

[ メリット ]
◾︎ 軽い
◾︎ 長さ、形を自由にカスタマイズ
◾︎ パンクのリスクなし
◾︎ 耐久性◎(寿命が長い)
◾︎ 準備・撤収が楽ちん

[ デメリット ]
◾︎ 嵩張る
◾︎ 寝心地は硬め(好きな人は好き)

コンパクトで寝心地のいい最新モデルが続々と登場する中、根強い人気のあるクローズセルマット。

重さは軽いもので100g台、普通のタイプで200〜300g台。150cm以上をフルで使うなら400〜500gほど。フルで使うなら、軽さの恩恵はそれほど受けないですね。

自分の身長や身体の形に合わせて自由にカットできるので、快適性を取るも良し、極限まで軽量化を図るもよし。

形状は「蛇腹(アコーディオン型)式」「ロール式」があります。蛇腹式のメリットは真っ直ぐ広がること。ロール式のメリットはザックの中にも入れやすいこと。

縦走時、メインで使用しているUL系ザックの底部ドローコードにはロール式が取り付けやすい。

弱点は、丸まること。慣れてしまえば特に気になりません。

お遍路

蛇腹だとこんな付け方が楽でした。しかし、前面ポケットがちょっと使いにくくなるという。上部に取り付けると開閉がちょっと面倒。底部のドローコードでもいいのですが、ロール式ほどしっくりこない。

どちらも使用していますが、正直どちらでもいいという感じ。メインで使用しているUL系ザックはロール式との相性がいいので、そちらの使用頻度が高いです。

クローズセルには"嵩張る"という大きなデメリットがありますが、パンクのリスクがなく耐久性は群を抜く。広げるか畳むかというシンプルさは、空気を入れるタイプのマットにはない魅力です。

キャンプ場のようにふかふかの芝生ではない山岳地帯のテント場。綺麗に整地されているところから、石や岩がゴロゴロ、ゴツゴツしているところや傾斜地まで多種多様。地面(パンク)に対する気遣いは結構ストレスになるので、雑に扱えるクローズドセルはストレスフリー。

寝心地は硬めですが、これがデメリットになるかどうかは人によります。エアのような柔らかさを好む人もいれば、逆に硬めを好む人も。

個人的な寝心地の良さは「エア < クローズドセル < インフレータブル」の順。エアの浮遊感は苦手で、クローズドセルのちょっと硬めの感じは割と好きです。

マットの上でバーナーを使ってもいいし、お湯や水をこぼしても大丈夫。長めの縦走やロングトレイル、河原でのキャンプなどではパンクのリスクがなく、雑に扱っても問題ないクローズドセルが使いやすくて安心です。

インフレータブルマット

画像出典:THEAMAREST

インフレータブルマットは「自動膨張式」といわれ、中にフォーム材が入っています。バルブを開けるとフォーム材の復元力で3分の1〜半分、あるいはそれ以上の空気が入り、残りは自分で調整します。"半エアマット"というイメージ。

[ メリット ]
◾︎ パンクしても最低限のクッション性
◾︎ 柔らかさと硬さのバランス◎
◾︎ ザックに収納可能

[ デメリット ]
◾︎ 重い
◾︎ エアほどコンパクトではない
◾︎ パンクのリスク
◾︎ 剥離の可能性あり(寿命が短め)
◾︎ 片付けが面倒

大きなメリットは"パンクしても最低限のクッション性がある"こと。完全なエアマットだとパンクしたら終わりですが、インフレータブルマットは中のフォーム材によって最低限のクッション性を確保できます。

とはいえ、その状態は「これで寝るのか…」という程度。もちろんぺちゃんこよりはマシですが、期待できる程ではない(寝るのは難しい)のでパンクのリスクはつきまといます。

厚さも幅広いですが、重量を考慮すると登山で使用する場合は2〜4cmくらい。フォーム材の安定感と空気の柔らかさのバランスがいいので、寝心地は一番いいと感じます。

キャンプなど車での持ち運びが可能であれば、厚めのものを選べます(寝心地はかなりいい)。

柔らかいマットを好む人もいると思いますが、柔らかすぎると安定感がなくなり動きにくかったり、腰を痛めることも。クローズドセルだと硬い、エアマットだと柔らかすぎるという人にはしっくりくるのでは。

パンク以外のデメリットは"剥離"。フォーム材は中で接着されていて熱や湿気に弱い。剥離は結構厄介です。

剥離した部分はコブのようにボコっと膨らみます。実物を何度か見ましたが、とても寝られるような状態ではありません。マットは外側からの修理しかできないため、剥離を起こしたら寿命。

剥離は、口で膨らませる、使用後に乾燥させないまま保管、お湯をこぼした、熱い状態のクッカーを置いたなどで可能性が高くなります。

空気を入れる専用のものがあればそれを使用し、帰宅したらしっかり乾燥。使用頻度や環境にもよりますが、寿命は大体3〜5年くらい。いつかはダメになります。

エアマットでもそうですが、バルブの部分が剥離を起こしたり、バルブ自体が故障したり。構造が複雑な分、クローズドセルのような耐久性は望めません。

ザックの中に収納できますが、重量は一番重い。そこまで長い縦走はしない(パンクのリスクが低い)、寝心地を重視したいという人にはいいと思います。

バルブの径やモデルにもよりますが、個人的にはインフレータブルの片付けが一番面倒でした。しっかり空気を抜かないと嵩張るので、適当に終わらせてやり直しをくらうことも。

エアマット

画像出典:THEAMAREST

フォーム材の入っていない、空気たっぷりのエアマット。

[ メリット ]
◾︎ 軽量・コンパクト
◾︎ 厚みにより凸凹をほとんど感じない
◾︎ 軽くて保温性の高いものが多い

[ デメリット ]
◾︎ パンクしたら終わり
◾︎ 音がうるさい(ものによる)
◾︎ 圧力がかかった部分が凹んで痛い
◾︎  素材によっては滑りやすい

◾︎ 片付け面倒
◾︎ 内部構造や素材を吟味しないと寒い

コンパクトさでは優勝のエアマット。R値が高くて200g台のものもあり、進化のスピードがすごいです。ザックに収納しても邪魔にならないので、外付けがリスクとなる岩陵帯や狭い登山道ではメリットが大きい。

フォーム材がない分厚みを出せるので、登山用でも6〜10cmくらいのものが多め。地面の凸凹はほとんど感じません。

コンパクトさはとても良かったのですが、私にはデメリットの方が目立ってしまいました。

寝心地は、トランポリンのようなボイーンという感じ、空気が多いことによる浮遊感が苦手でした。クッション性が欲しい方にはいいと思いますが、座る、寝る、寝返りを打つなど、あらゆる姿勢で試した方がいいです。

懸念すべきはやはり"パンク"。ペラペラなので、パンクしたら使い物になりません。山岳地帯のテント場では気を遣います。

インフレータブルマットでもそうですが、小さなパンクは非常に目視しづらいです。耳を澄ませて穴を見つけ出す(かなり困難)、ティッシュを敷いて見つけ出す、浴槽に入れてしまうなどの方法で。

基本的には修理キットが付属していて、自己修理可能。エアマットはリペアキットで大丈夫ですが、インフレータブルの場合は接着剤も使います(大体付属している。瞬間接着剤はNG)。エア系のマットは、パンクがないか定期的に確認せねばなりません。

そして、私がそれ以上に「うーん…」となったのは"音がうるさい"こと。

このあたりも軽減されたモデルが多いかもしれませんが、動く度にギュムッギュムッみたいな軋み音がします。試したときは大して気にならなかったのですが、静かなテント場ではまあうるさいこと…寝返りを打つのが申し訳ないくらいでした。

あとは、ふと膝立ちをして一点集中で圧力をかけてしまったとき。その部分だけ凹んで地面の小石が当たり「いてっ!」となるのが地味にストレスでした。パンクの原因になるので一点集中で圧力をかけない方がいいですが、やはり気を遣います。片付けも結局面倒でした。

エアマットは、中の構造や素材によって保温性が大きく異なります。保温性を上げる条件は「空気をできる限り動かさない」こと。中で空気が動き回るような構造だと、なかなか温まりません。フォーム材がなく空気量が多いエアマットだからこそ、その辺りは要チェック。

空気だけだと温まりにくいので、中に化繊綿やダウンを入れて保温性を上げているモデルもあります。

軽量・コンパクトを重視する場合はいい相棒になると思います。また、パンクのリスクが少ないキャンプ場や、寒さをそこまで気にしない車中泊などでは積極的に選んでもいいかと。

エアマットは各社力を入れているので、進化のスピードが非常に速いです。山行スタイルによってはエアマットが最適ということももちろんあるので、とにかくたくさんあるモデルたちを比較検討してください。

スリーピングマットの選び方

R値のこと

スリーピングマットは「厚い=温かい」ではありません。パッケージを見ると、こっそり"R値"という数字が記載されています(*対応温度表記のものもあれば、何も書いていないものもあります)。

R値とは「熱抵抗値」のことで、熱に対する抵抗力がどれほどあるかという断熱力を示す値。季節ごとの選択基準にはなりますが、直接"温かさ"を示すものではありません。

今まで、メーカー各社独自の基準でR値を設定していたため、同じR値でも温かさが違いました。それが、2019年に「ASTM E3340-18」という共通の測定基準が策定され、R値が統一されることに。

全メーカーが採用しているわけではありませんが、採用しているメーカー同士であればR値での大まかな比較が可能になりました。採用しているものには「ASTM」に「✓」のついたマークが記載されています。

↓SEA TO SUMMITのR値ガイド↓

画像出典:SEA TO SUMMIT

↓ビッグアグネス↓

画像出典:ビッグアグネス

↓THEAMAREST↓

画像出典:THEAMAREST

大まかにまとめると↓

R値 推奨季節
0〜2.0
2.0〜4.0  春夏秋(3シーズン)  
 4.0~6.0  冬・積雪期
6.0~ 厳冬期・極地向け

R値よりも対応温度で示された方がわかりやすいかもしれませんが、ざっくりと日本の3シーズンなら2~4、厳冬期は5~6という感じ。

R値は"足し算が可能"なので、「R値2のマット+R値3のマット = R値5」というように2枚以上を組み合わせて使用することもできます。厳密には重なり具合や相性などで前後しますが、単純計算でわかりやすい。

雪山ではクローズドセルとインフレータブルorエアを組み合わせることも多いので、厳冬期用を1枚持つよりも3シーズン用を2枚(1枚はクローズドセル)持っている方が通年で使いやすいです。3シーズン中もあるときはクローズドセル、あるときはエアと変えることができるので。

R値の基準は統一されましたが、あくまで目安。R値2.0で3シーズン大丈夫な人もいれば、春秋は寒さを感じる人もいる。自分の体感、いつ、どこで、何目的で使用するのかを考慮して選択してください。

*スリーピングマットが寒いと感じる場合、ダウンなどを着込む以外に「マットの上にレインウェアなどを敷く」ということも有効です。マットと寝袋の間で低温が遮断され、着るより温かいことも。

寝心地

疲れ果てた身体が"しっかり休まるかどうか"は、とても大事なポイント。睡眠不足は事故のもとです。

◾︎ 柔らかさと硬さのバランス
◾︎ 石や岩などの突き上げ感
◾︎ どんな体勢でも違和感がないか
◾︎ 寝返りが打ちやすいか
◾︎ 身体が滑らないか

◾︎ 素材との相性(音・触り心地など)

種類が同じでも厚さやフォーム材の量などはモデルによってさまざま。縦縞か横縞かなど、デザインによっても寝心地が変わります。

身体に痛みが出ないか(腰など)、身体の動きに対してのクッション性はどうかなど、あらゆる体勢、あらゆる動きで確認します。

滑りやすいものだとテント内でよくズレたり、寝ている間に滑り落ちたり。裏面に滑り止めのついたタイプもあります。

また、素材の音がうるさい、肌に合わないということもあるので、素材との相性も大事なポイント。

ゴツゴツした地面を模した台などがあるお店もあるので、できればそういった環境で試した方がいいです。

長さ・幅・形状

快適に眠るか、最低限で眠るか。

自由にカットができないインフレータブルとエアは、特に長さを考慮します。幅に関してはどのタイプも大体50〜60cmで、大きくは変わりません。 

快適性重視 = 膝下あたり〜身長分まで
軽量化重視 = お尻〜太ももくらいまで

ザックの背面パッドやザック自体を敷くことで足元はカバーできるので、短いもので90cmくらいから。どこまで快適にしたいかによって長さを選びます。

形状は長方形やマミー型、四隅をカットされたもの、肉抜きモデルなど。肉抜きモデルは保温性が多少犠牲になっているので、より幅広い季節使用する場合は要検討。

今まで使ったマットたち

ノーブランドのクローズドセル

初めは、安さでサーマレストのパチモンのようなものを買いました。Amazonで2,000円くらいのもの。

大きさも重さも特に不満なく使用していましたが"へタリが早かった"

山岳地帯、キャンプ、車中泊など使用環境の違いや使用頻度で大きく変わると思いますが、3シーズン、1年使用したくらいで明らかにヘタリました。

「安物買いの銭失い」ですね。割と評価の高いものでしたが、使用頻度が高かったためかすぐにさよなら。何んせよ、山岳環境には合わなかったようです。

モンベル「U.L. コンフォートシステム アルパインパッド25 120」

「この寝心地がいいよ」と聞いて次に購入したのが、インフレータブル式のモンベル「U.L. コンフォートシステム アルパインパッド25 120」

画像出典:モンベル

*写真は2022.9時点のモデル

使用していたのは旧モデルで、それからモデルチェンジを2回くらいしています。

 サイズ  120×幅50×厚さ2.5cm
(収納 ∅13×25cm)
重量 483g
(スタッフバッグ込497g)
素材

表地:30デニール・ポリエステル
   リップストップ[TPUラミネート] 
クッション材:ウレタンフォーム

*2022.9時点のモデル

「バルブを開けとけば空気感が半分くらい入る」といわれましたが、実際は3分の1くらいでした。当時は専用のポンプバッグがまだなかったので、結構一生懸命空気を入れていました。

画像出典:モンベル

*2016年以前のモデルはバルブの形状が異なるため、対応していません。

現在のモデルはこれで楽々ですが、ポンプバッグは別売り(20L程度のスタッフバッグとして使えます)。付属のスタッフバッグでできればいいのに…という感じですね。

一応口で入れることも可能ですが(弁が付いているので空気は戻らない)、バルブの径が大きいので入れにくいです。また、口で入れると中に湿気が入り、劣化や剥離の原因になるのでおすすめではありません。

寝心地は確かに一番良くて、厚みは旧モデルも2.5cmくらいあったと思います(登山で使うなら2.5cm推奨。他は重いのでキャンプや車中泊で)。

長さは「90,120,150,180」と豊富で、これはモンベルの強み。

地面の凸凹の感触はあまり覚えていませんが、気にしたことはほとんどなかったと思います。ただ、エアマットと同じく膝立ちしたときは痛いかもしれません。

結局、重いし、空気を入れるのも抜くのも面倒だったので使わなくなりました。

↓モンベル HP↓

https://webshop.montbell.jp/sp/goods/disp.php?product_id=1124661

モンベル「U.L. コンフォートシステム エアパッド120」

アルプスの岩稜帯を歩く上で、一番コンパクトな「U.L. コンフォートシステム エアパッド120」を購入。こちらも使用していたのは旧モデルです。

画像出典:モンベル 

*写真は2022.9時点のモデル

 サイズ  長さ120×幅50×厚さ7cm
(収納サイズ∅9×20cm)
重量 367g
(スタッフバッグ込376g)
素材

 表地:30デニール・ポリエステル・
リップストップ[TPUラミネート]

*2022.9時点

購入時はすでに専用のポンプバッグがあり、空気を入れるのはとても楽でした。3回くらいでパンパンになります。

*エア式は長時間直射日光に当てると内部の空気が膨張するので、破裂しないように8~9割程度で使用します。また、パンパンに入れると反発力で寝心地も悪いです。

厚さは7cmあるので、地面の凸凹は感じません。持ち運びはコンパクトですが、私にとってはデメリットの方が多かったです。

特に気になった点は「音がうるさい・膝立ちしたときに痛い・撤収が面倒」ということ(詳しくはエアマットの項目で記載)。

それに加え、夏以外の時期はちょっと寒さを感じました。中には空気の移動を最小限に抑えられるよう隔壁があります。また、縦縞ではなく横縞なのも一つひとつの部屋を小さくして、できる限り空気の移動を抑えるため。

しかし、やはり空気だけなので秋になると地面の冷たさを感じました。ノーブランドのクローズドセルの方が、保温性があったように思います。

保温性を考えると、車中泊使用が一番いいかもしれません。空気を入れる・抜く作業も結局面倒で使わなくなりました。

↓モンベル HP↓

https://webshop.montbell.jp/sp/goods/disp.php?product_id=1124669

サーマレスト「Zライトソル S」

 

いろいろ後悔して結局クローズドセル返り。

  Zライトソル S
 サイズ  51×130cm
 (収納サイズ:51×10×14) 
重量 290g
R値 2.0
素材

架橋ポリエチレン

*2022.9時点のモデル

サーマレストのクローズドセルは「Zライトソル」、「Zライト」、「リッジレストクラシック」の3種類。サイズ展開はそれぞれ異なります。

*ロールでアルミ蒸着ありの「リッジレストソーライト」は、2022年4月に販売終了

  特徴 R値 厚さ
Zライトソル アルミ蒸着あり
蛇腹式
サイズはSとR
2.0
春夏秋
2.0cm
Zライト アルミ蒸着なし
蛇腹式
サイズはRのみ
1.7
夏向け
2.0cm
クラシック アルミ蒸着なし
ロール式
サイズはRとL
2.0
春夏秋
1.5cm

私が使用しているのは、アルミ蒸着のある「Zライトソル」のSサイズ。アルミ蒸着により輻射熱を効率よく活かし、アルミ蒸着のない「Zライト」に比べて保温性が20%高くなっています。

「リッジレストクラシック」はアルミ蒸着がない上に厚さが1.5cmですが、R値はZライトソルと同じ2.0。

アルミ蒸着のあるモデルは「寒いときは銀面を上、暑いときは銀面を下」にすることで、多少の温度管理ができます。寒いときは銀面を上にすることで、身体により近い場所で熱を反射させるということ。

公式では一応こうなっていますが、その差を感じられるほど敏感ではないので、正直どちらでもいいと思います。裏表で肌触りが微妙に違うので、好きな方でいいかなと。

R値2.0は3シーズン用の基準で一番低い値ですが、12月上旬のキャンプ場(標高1000m弱、0℃前後)では1枚で事足りました。寝袋は冬用です。

画像出典:THEAMAREST

また、凸凹の独自パターンはマットとの接地面積を少なくして、マットからの熱伝導を少なくすることで保温性を上げています。

この凸凹で寝心地が悪いということは特にありません。厚さも2cmあるので十分。気になるような岩の突き上げがあっても許容範囲。

好きな長さにカットできるのはクローズドセルのメリット。2列切り落として105cmで使用しています。1列約13cmで、もう1列切ろうか悩みましたがとりあえずそのまま。

軽量化を図る人はさらに、マミー型にしたり、四隅を切り落としたりしています。

クローズドセルは1枚1枚の接続部が薄いですが、なかなかちぎれません。3〜4年くらいの使用で、端の方が擦れている程度。ノーブランドのときも、ちぎれる、破れる、抉れるといったことは特にありませんでした。

ロールに比べると接続部が薄いことによる保温性の低下はあるかもしれませんが、使用には問題なし。

多少のヘタリはあると思いますが、安物のときのようにはっきりとしたヘタリはまだ感じません。やはり耐久性はいいですね。

パンクや剥離の心配もないし、雑に扱っても問題ない。クローズドセルは嵩張りますが、それ以上のメリットが大きいです。

NEMOの「スイッチバック」を使用している人も結構見かけます。使い心地はほとんど同じようです。R値も一緒でサーマレストよりもちょっと安い。

山と道「UL Pad 15+」 

サーマレストとともに使用しているのが、山と道の「UL Pad 15+」の100cm。

↓使用した感想↓

◾︎ 厚み・クッション性は必要十分
◾︎ 高反発で凸凹を感じにくい
◾︎ 寝心地は少し硬め。個人的には好き
◾︎ 保温性はサーマレストより上に感じる
◾︎ 細かい傷はつきやすい

  サイズ 重量
Sサイズ 100×50×1.3cm  113g 
Lサイズ 175×50×1.3cm 198g
 XLサイズ 

200×50×1.3cm

*2022.9時点

226g 

↓HP記載の特徴↓

◾︎ 断熱性の高いXLPEフォーム製
◾︎ シボ加工により耐久性と断熱性が向上
◾︎ 内部に水分が浸透しない非吸水性素材
◾︎ 化学発泡剤未使用で環境に低汚染

前身の「UL Pad 15」に比べて0.3cm厚くなり、表面の強度と耐久性、断熱性、クッション性が向上されました。 

使用感は「必要十分」。サーマレストより0.7cm薄いですが、"薄くなった"という印象は特に感じません。3〜4年使用したサーマレストと比べているので新品だと感想が変わるかもしれませんが、私はこの1.3cmで十分という結果。

寝心地はちょっと硬め。高反発な素材なので、指で押してもサーマレストの方がはっきりと柔らかい。

しかし、実際に寝てみると「んー…まあ、ちょっと硬いのかな?」くらいの差に感じます(これも新品同士だと違うかも)。「最低限+α」のクッション性で、個人的には結構好きです。

高反発ゆえに地面の凸凹をいい感じに吸収してくれるので、埋まっている岩が出ているような場所でも不快感は特にありませんでした。テント場戦争に負けたとしても、その点はちょっと安心感があるかもしれない。

表面には"シボ加工(熱プレス)"が施され、細かいボツボツの見た目。これにより、耐久性とクッション性が向上。保温性は30%上がったとのこと。

保温性に関してもサーマレストと比べて劣っていないというか、むしろ温かい気がします。山と道はR値を出していないので数値で比べることはできませんが、人によっては4シーズン使えるのではないかと。

九重の坊ガツルキャンプ場

今のところ、一番寒いときの使用でテント内が-5℃。11月頃の九重坊ガツルキャンプ場です。-5℃まで下がると思っておらず、3シーズンのシュラフとの組み合わせで。

地面もテントもバリバリに凍っていましたが、地面からの冷気は全く感じませんでした。むしろ、マットとの接地面が一番温かく、マットで暖を取っていました。これ以上寒くてもまだ1枚でいけるなと。

自分の身長ではSサイズの100cmにザックの背面パッド、あるいはザックを足してちょうどよく使用しています。

サーマレストはカットして105cm、230g。こちらは100cm、113g。寝心地も保温性も問題ないため、大きな軽量化になりました。

デメリットは、"傷つきやすい"こと。至る所にこのような抉れた感じの傷がついています。

シボ加工により耐久性が上がったとのことですが、細かい傷はつきやすいです。この点サーマレストは引っ掛かろうがなんだろうが、擦れ傷程度で済んでいます。

使用しているUL系ザックとの相性で横向きにつけることが多いですが、できる限り傷つけないためには縦がいいですね。安全面を考慮しても縦の方がいいので、狭い登山道や岩陵帯、急登、公共交通機関の中では縦向きで。

ハイマツ帯やちょっとした藪漕ぎでは一発で結構なダメージを喰らうので、ご注意ください。

37Lのザックに収納した感じはこんな。ロール式はザックの中にも収納しやすいので、そこはメリットの一つ。私自身、普段はほとんど外付けですが、荷物の少ない避難小屋泊とかではいいかもしれない。100cmなら収納してもスペースに余裕があります。

ドローコードの痕もつきやすい。

使い始めは時間が経てば元に戻っていましたが、最近は戻らなくなりました。山と道のHP上でも「使用頻度や長時間一定の圧力がかかることでこれは避けられない」と記載してあります。

ロール式の弱点は"丸まる"こと。ロール式を初めて使用しましたが、荷物を置いておけばいいのでなんてことありませんでした。

そして、山と道の最大の欠点は在庫がないことですね。

購入時はたまたま100cmがありましたが、200cmを買って半分に切っても良かったと思っています。ガシガシ使って何年持つかはまだ不明ですが、どうせ使い続けるならその方が安く送料も1回分で済む。

買って合わなかった場合は悲劇ですが、100cmがすぐに売り切れてしまうのでそんな買い方もありだと思います。

私自身、どこでも寝られるというアウトドアにおいてありがたい体質なので、この"必要十分"な感じがむしろ心地よい。

寝心地を大きく損なわず保温性も十分で、クローズドセルマットの軽量化を図りたいという方には検討の価値ありだと思います。

↓山と道 HP↓

UL Pad 15+ | 山と道 U.L. HIKE & BACKPACKING

まとめ

活動するために必要な「睡眠」を左右するスリーピングマット。必要十分だと思えるマットに出会うまでお金も時間もかかってしまいましたが、実際にフィールドで一晩寝てみないとわからないというのが本音です。振り返ると奥が深いスリーピングマットの世界。

寝心地、コンパクトさ、軽さ、扱いやすさ、準備・撤収作業、リスクの低さ、保温性、耐久性、素材…

モデルがとにかく多い中で、何を優先して選ぶか。私の場合は、寝心地は寝られる程度でいいからストレスなく扱えるもの、特に準備・撤収が面倒ではないものということでクローズドセル。ロングトレイルで使用することを考えても、自分の山行スタイルに合っているのはクローズドセルでした。

睡眠に関しては個人差が大きいし、気になる点も人それぞれ。「おすすめ」の一言で決断するのは危険だと思いますが、普段クローズドセルを使用していてもう一段階軽量にしたい、軽量にしても大丈夫という方は「UL Pad 15+」も検討してみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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