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【奥秩父主脈百名山縦走①】「甲武信ヶ岳」千曲川源流浪漫遡行!古き良き甲武信小屋は小屋泊がおすすめ!

関 東 • 甲 信 越

 

2022.11.8

歩き人たかちです@takachi_aiina

2022年11月8日〜11月10日の2泊3日、奥秩父主脈の一部「甲武信ヶ岳」〜「瑞牆山」を縦走しました。

3座はそれぞれ登ったので、今回の目的は、千曲川源流コースと甲武信ヶ岳〜大弛峠の道を歩くこと。そして、金峰山小屋に泊まること。

奥秩父は大好きな山域。八ヶ岳や南アルプスのような苔と針葉樹の森、渋くて落ち着く昔ながらの山小屋、とても素敵な山域です。

昨日は、甲武信ヶ岳の「千曲川源流コース」からスタートするため長野県上田市に前泊。戦没画学生慰霊美術館「無言館」に訪れました。

 1日目:戦没画学生慰霊美術館「無言館」
★2日目:毛木平-甲武信ヶ岳
 3日目:甲武信ヶ岳-金峰山
 4日目:金峰山-瑞牆山
天気:晴れ ☀︎
気温:甲武信ヶ岳4℃
風:西北西6〜7m/s


梓山-毛木平駐車場 - 大山祇神社 - ナメ滝 - 千曲川・信濃川水源地点 - ▲ 甲武信ヶ岳 - 甲武信小屋

▲ コースタイム:5時間40分
▲ 歩行距離:11.8km
▲ 累積標高差:+1209m/ -178m

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長野県から甲武信ヶ岳に入る!「毛木平」公共交通機関のアクセス

 

長野県側の登山口がある「毛木平駐車場」は、公共交通機関がありません。

一番近いバス停は、毛木平の約4km手前にある「梓山」。信濃川上駅から「川上村営バス」を利用し、バス停からは徒歩でのアクセス。

信濃川上駅〜毛木平駐車場は18km。グループ登山ならタクシーもありですね。

\ 今回のアクセス /

◾︎ しなの鉄道
上田駅(6:07)-信濃川上駅(8:26)
◾︎ 川上村営バス
信濃川上(8:36)-梓山(9:01)

*「毛木平」10時前到着

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甲武信ヶ岳「千曲川源流コース」概要

 

毛木平からの「千曲川源流コース」はアップダウンがほとんどなく、"千曲川源流水源地点"まで一定の傾斜で緩やかな登りが続きます。カラマツ林が広がり、新緑や紅葉の時季は特に美しいです。

千曲川に沿って登るので、浄水器を持っていれば水は汲み放題。夏場はおすすめのコースです。

「千曲川源流水源地」から先は傾斜が急になり、甲武信ヶ岳まで一気に登りますが、まずは「国師ヶ岳」方面への分岐がある尾根上まで。雪が降る時季はアイスバーンになるので要注意。

尾根に上がると急傾斜はいったん緩み、最後に岩・ガレを登ると甲武信ヶ岳の山頂です。

*途中に山小屋やトイレはありません


何度も眺めてしまう本。小林百合子さんと野川かさねさんの心地よい言葉と写真が山へ誘います。奥秩父の山小屋も紹介されています。


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千曲川源流を訪ねる「甲武信ヶ岳」黄金のカラマツが美しいおすすめコース!

 

バス停「梓山」-毛木平駐車場

 

4:50起床。地域クーポン券(コロナ禍の)を利用して食料をたくさん買えましたが、朝からバナナ2本を食べて頑張って消費。

上田駅からしなの鉄道に乗り「信濃川上駅」へ向かいます。駅員さんが切符に判子を押してくれる。suicaは便利だけど、判子を押すローカル線も悪くない。

小諸駅でJRに乗り換えますが、ホームを変えるだけでした。小諸駅までの切符でしたが、精算は車内でできるとのこと。

降車のために前方に移動すると「登山ですか?どこに登ります?」と、八ヶ岳に行くという男性に声を掛けられました。信濃川上駅からどこへ?と不思議に思ったようです。

「信濃川上駅」に到着。川上村営バスがすでに待機していました。

梓山公民館脇の公衆トイレと毛木平駐車場のトイレは、本日11月7日〜2023年4月末まで冬季閉鎖。「川上村」HP内、観光情報のページに記載がありました。

秩父多摩甲斐国立公園と書かれた大きな看板のある「梓山」バス停に到着。毛木平登山口までは約4km。

11月なのでロードも気持ちよく歩けるかと思いきや、意外と暑い(気温15℃)。日向が多く、毛木平から甲武信ヶ岳よりも汗が出ました。

カラマツの黄金色に染まる斜面

ロードから林道へ入ると涼しくなりました

10時頃、毛木平駐車場に到着。車は7台

毛木平 - 千曲川源流

 

毛木平-大山祇神社-ナメ滝-千曲川源流:CT3時間

広い林道を歩き、500mくらいで「十文字峠」との分岐に到着。千曲川源流を訪ねる山旅がスタート。

ピークは過ぎていますが、残りのカラマツの黄葉に癒される。

ロードの暑さはなんだったんだ、というほど山の中は涼しい。

以前は、西沢渓谷側(山梨県)の「徳ちゃん新道」から甲武信ヶ岳に登りました。あちらもカラマツが綺麗だった記憶ですが、こちらのカラマツトレイルは一段と美しい。

奥秩父は広葉樹林も多く燃えるような紅葉が見事ですが、カラマツやシラビソの針葉樹林もすごく素敵。カラマツもシラビソも日本の固有種なので、奥秩父の森はどこか日本的な慎ましさを感じます。

アルプスのような派手さはないけれど、それが奥秩父の良さ。秋になると奥秩父が恋しくなります。

\ 千曲川源流遊歩道のカラマツ /

風に乗って、細くて小さな黄金の葉が舞い落ちてくる。ザックのメッシュポケットに入り込み、ともに甲武信ヶ岳に登ります。

歩くことが好きだけど、歩くのが嫌になる。そんな感情によく襲われます。美しい。

川の音を聴きながら、なだらかに遡っていく。徳ちゃん新道とは全く違う雰囲気ですごくいい。山のエキスをたっぷり含んだ水は汲み放題。

\ 水が豊かな山 /

急坂は水源地で、緩やかなに歩いているうちに標高2,000mを超えます。

ナメ滝

樹林帯の様子は特に変わりませんが、幅や流れを変える川に源流遡行のワクワクを感じる。

1.45km、0.9km、0.35km・・・刻み方が細かい。

雪が多く残るところは、ところどころアイスバーン。登りはチェーンスパイクをつけるほどではありませんでしたが、下りはつけた方が安全。「源流地点から先、急坂が滑りやすいから気をつけてね」と、おじさんとすれ違う。

そして・・・

「千曲川・信濃川水源地点」に到着!

日が当たらないひんやりした樹林帯は冷蔵庫のようで、気温は2℃。

水源地には黄色のチェーンが張ってあり・・・

奥の石の隙間から湧き出している!

このチョロチョロが、長い旅を経て全長367kmの信濃川になる。浪漫ですね。

山歩きのきっかけとなった屋久島で感動したのは"水"でした。水がすべての命の源であることを屋久島の森で感じて、自然を深く知りたいと思いました。

\ 千曲川・信濃川水源地 /

甲武信小屋で"源流珈琲"を淹れることが、このコースを歩く目的。

冷たすぎて手がガチガチ。湧き出しポイントは浅いので、シェラカップや小さめのペットボトルがあるとよいです。

千曲川源流地点 - ▲ 甲武信ヶ岳

 

千曲川水源-甲武信ヶ岳:CT55分

緩やかな浪漫遡行が終わり、尾根に上がるまでが今日一番の急坂。30分ほどの登りです。

途中からアイスバーンでツルツル

尾根に上がると「国師ヶ岳」方面との分岐。太陽が暖かい・・・

千曲川源流コースは尾根に上がるまで展望地はありません。今日は、富士山は霞み気味。

最後にガレ場を登ると山頂

「甲武信ヶ岳」登頂!

山梨県(甲州)・埼玉県(武州)・長野県(信州)の境にある2,475mの山。渋い名前がよく似合う。

14時半頃でしたが、誰もおらず山頂独占。あまり広くない山頂ですが、この大きさがなんだかちょうどいい。土日はたぶんわちゃわちゃします。

風が少し寒いけど、ご無沙汰〜と挨拶をして奥秩父の山々を眺める。緑が濃ゆい奥秩父。山頂から「甲武信小屋」10〜15分ほどです。

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奥秩父の古き良き山小屋「甲武信小屋」

 

途中の岩場からは「木賊山」方面が綺麗に見えます。以前は甲武信ヶ岳から「雁坂峠」へ縦走し、「道の駅みとみに」出ました。紅葉の谷がとても美しいのでおすすめ。

奥秩父主脈は「雲取山」まで続きます。次は、石楠花の時季に甲武信ヶ岳〜雲取山を縦走したい。あるいは、清里駅〜奥多摩駅を繋ごうかと考え中。

甲武信小屋」に到着

小屋の周辺は雪が結構残っていました。太い丸太小屋で、ところどころ傾いた"THE山小屋"の雰囲気。昔ながらのこの佇まい、これからも残り続けてほしい。

前回は小屋番の"徳さん"がいらっしゃいましたが、今年は体調が良くなく、早めに下山したとのこと。息子さんご夫婦が切り盛りをしていました。

テント場は小屋の目の前で、今日は5,6張ほど。金峰山小屋に泊まりたかったし、甲武信小屋が好きなので今回は小屋泊縦走にしました。テント場は、めちゃくちゃ寒かったそうです。

甲武信小屋のトイレは綺麗に清掃された水洗トイレ。テント泊も小屋のトイレを使います。

山の看板で一番好きなやつ

受付

売店

特注ストーブがあるくつろぎスペース

6年ぶり?くらいに来ましたが、小屋の中も雰囲気も何も変わらない。甲武信小屋は隙間風が入るので"寒い"で有名ですが、変わらず寒い。

しかし、寒いので暖炉の周りにみんな集まり、自然とお喋りが始まるのがこの小屋の魅力。寒くて温かい、仲良しこよしの山小屋です。

小屋では珈琲やチャイを注文できます。以前は珈琲をいただきましたが、今日は"源流珈琲"を淹れてまったり。

この日の宿泊者は10人弱。前回も少人数でしたが、「この週末は100人以上予約があるんだよ〜」と徳さんが話していたのを覚えています。コロナ前で、詰め込んでいたときの話。

寝床は2階。昔ながらの重い布団

小屋周辺は石楠花

食堂・くつろぎスペース

甲武信小屋はカレーが名物。美味しいですが、今回は素泊まり。以前は、夕食後に奥秩父の自然のスライドショーが流れ、徳さんが丁寧に解説してくれました。

以前食べた、夕食のカレーライス

ヤマネ関連の本がたくさん。ヤマネが有名だったっけ?と見ていたら「2〜3年前くらいから姿をよく現すようになった」とご主人から聞きました。今は、ヤマネを見るために学芸員の方とかも登ってくるのだとか。

手前にある「甲武信小屋で遊ぶヤマネたち」という写真集は、Canonにお勤めの方が作ってくれたとのこと。ヤマネの愛らしい姿が20ページほどのミニ本に収められています。

放っておくと食料を食べられてしまうので、あえてカレーを置いておくそうです。子どもが産まれたらブドウとかも。そんな様子も写真集にありました。

そろそろ冬眠に入るためもうほとんど姿を現さないようですが、6月下旬〜7月頃に出てきて、8〜9月頃が一番見られるとのこと。ヤマネの様子は、甲武信小屋のHPにあるブログで確認できます。

ちなみに、冬眠のために40g太らないといけないらしい。かわいすぎる増量ですが、あの小ささで40gは大変なのかな。

どこに巣があるのかはいまだにわからないそうですが、隙間がたくさんある甲武信小屋は暮らしやすいのかも。野生動物に好かれる小屋、素敵ですね。夏は暑いので避けがちな山域ですが、ヤマネを見に来てみようか。

夕日を見に行こうか迷いましたが、大好きな小屋でのんびり過ごしました。

そして、今日は"皆既月食"の日。442年ぶりの月だそうで。小屋からもばっちり見えました。

煌々と暗闇に輝くまん丸のお月さん。望遠レンズはないので肉眼で楽しみました。

442年前、織田信長は果たしてこの月を見ていたのだろうか。次、この月が見られるのは332年後。今存在する人間や動物はもちろん生きてない。木とか岩とか、そんな自然が静かに光を浴びているのかも。

月食がはじまると、食堂の窓から様子を確認しながら中と外を何度も往復。地球の影でだんだん欠けていき、ぼや〜っと赤茶けていきました。小屋の消灯が20時で、最大に赤くなるのが19:59。

小屋とテント泊の人たち、みんなが集まって夜空を見上げる。月が暗くなると箒でサーッとはいたような星屑が次々と現れ、綺麗な天の川が。たまたま皆既月食でしたが、特別な夜になりました。

毛布1枚、掛け布団2枚の懐かしい重さの中で朝まで爆睡。明日は、国師ヶ岳を経て大弛峠、そして金峰山へ縦走します。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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コメント

  1. 私は木暮理太郎や田部重治に影響を受けた古い人間のせいか、つい戦場ヶ原と言ってしまうのですが、今は地形図にこの名はなくなっていますね。また、どう考えても千曲川より犀川の方が長くて、日本最長・信濃川の源流が千曲川、そして甲武信ヶ岳ではなく、槍ヶ岳、梓川、犀川ではないかと考えていました。この疑問には昔、茅野の駅前の本屋でふと購入した信州の地理地勢の本が解決してくれました。犀川と千曲川の合流地点では、犀川が千曲川に上から流れ込む地勢になっており、こうした場合、水位が高いほうが支流という定義になると。またこの本では信州を合州国と解説していたのが印象的です。安曇野から信州新町を通って長野市へ犀川が蛇行を繰り返して流れる山地一体は隆起が激しく、こんなことになっているのですね。千曲川は信州で愛される大河川です。梓川にはない源流の碑にそれを感じます。
    昔、甲武信の小屋はなかなか厳しくて、山岳部の学生がテントで夜、騒いでいると、小屋の主に呼び出されて、小屋の前で正座、説教を食らったそうな。ヤレヤレ。

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