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秋と冬、奥秩父小屋泊縦走#1【千曲川源流を辿る甲武信ヶ岳】

関 東 • 甲 信 越

2022.11.7-11.10

歩き人たかちです。

1日目は、甲武信ヶ岳の千曲川源流コースを歩くために上田市に前泊。テレビドラマで知った戦没画学生慰霊美術館「無言館」に訪れました。

今日から2泊3日で奥秩父の山々を縦走。甲武信ヶ岳・金峰山・瑞牆山はそれぞれ登りましたが、今回は繋げて。縦走の目的は千曲川源流コースと甲武信ヶ岳〜大弛峠の道を歩くことと、金峰山小屋に泊まること。奥秩父は大好きな山域で、秋は特別に好き。秋と冬が混ざる季節、静かに景色をスライドさせます。

 DAY1:戦没画学生慰霊美術館「無言館」
★DAY2:毛木平-甲武信ヶ岳
 DAY3:甲武信ヶ岳-金峰山
 DAY4:金峰山-瑞牆山

    アクセス
ーーーーーーー
◾︎ しなの鉄道
上田駅(6:07)-信濃川上駅(8:26)
◾︎ 川上村営バス
信濃川上(8:36)-梓山(9:01)

*バス停「梓山」から毛木平まで約4km


川上村HP

交通|川上村

       行程
ーーーーーーー
天気:晴れ ☀︎
気温:甲武信ヶ岳4℃
風:西北西6〜7m/s

梓山-毛木平駐車場-大山祇神社-ナメ滝-千曲川・信濃川水源地標-甲武信ヶ岳-甲武信小屋

▲ コースタイム:5時間40分
▲ 歩行距離:11.8km
▲ 累積標高差:+1209m

                      -178m

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千曲川源流探訪のはじまり

梓山-毛木平登山口:CT1時間30分

4:50起床。地域クーポン券を無駄にしないよう、たくさん買った食料が机にズラリ。朝からバナナ2本を頑張って食べる。バナナは最強という認識はありましたが、実際にスペインの巡礼路でエネルギーに変換される早さに驚きました。それ以降、ロングトレイルでは基本的にバナナをもしゃもしゃしています。

5:50チェックアウト。切符を買ってしなの鉄道の改札へ行くもまだ開いておらず。6時頃に駅員さんが来て判子を押してもらう。Suicaで世の中は格段に便利になったけれど、判子を押してもらうローカル線も悪くない。

始発に乗って小諸駅で乗り換え。JRになるので改札を出るかと思いきや、ホームを変えるだけでした。小諸駅までの切符だったのでホームにいた車掌さんに聞くと、精算は車内でできるとのこと。

一番前から降りる方式の電車は、焦らないように前方に座る。ローカル電車あるあるとしては、ガタンゴトンの音で次が何駅なのか聞き取れないこと。モニターがないので、ボーッと乗っていると乗り過ごしてしまいます(何度か痛い目にあっている)。

八ヶ岳の麓をガタゴト走っていく。次だなと思ってさらに前へ詰め寄ったとき、背後から「すみません、登山ですか?どこに登ります?」と、アウトドアウェアを身に纏った男性に声を掛けられました。男性はこれから八ヶ岳へ向かうとのこと。信濃川上駅からどこに登るのだろうと不思議に思ったようです。

差額の990円を支払い下車。朝は霧に包まれていた世界は、すっかり晴れ渡っていました。

駅を出るとマイクロバスがすでに待機。梓山公民館脇の公衆トイレと毛木平駐車場のトイレは今日11月7日〜2023年4月末まで冬季閉鎖のため、駅でトイレを済ませる。川上村のHP上、観光・PR情報のページにお知らせが載ります。

1人だけのお客さんを乗せてバスは走り出しました。

秩父多摩甲斐国立公園と書かれた大きな看板のある「梓山」バス停に到着。毛木平登山口までは約4km。11月に入ってロードも気持ちよく歩けるかと思いきや、気温は15℃近くあり意外に暑い。毛木平からの登山よりも汗をかきました。

日陰がね、全然ない。

カラマツ色に染まった斜面がお見事。

日向のロードからようやく林道へ。一気に涼やかに、足元は柔らかに。林道の入口までバスが通じていたら嬉しいなあという、登山者の勝手な願望。

毛木平駐車場に到着。車は7台で、晩秋の平日感丸出し。

これから歩く千曲川源流コースは、案内板からもわかるように一定の傾斜でゆるゆる登り、源流地点から甲武信ヶ岳まではぐぐっと登る。十文字峠方面のコースはアップダウンをしながら登っていくので、コースタイムもちょっと長め。

十文字小屋も奥秩父らしい魅力的な山小屋で、泊まりたい小屋のひとつ。東京からの場合、始発の新幹線でも信濃川上駅に到着するのは10時頃。毛木平到着は12時を過ぎます。公共交通機関で千曲川源流コースを歩くなら、西沢渓谷側から入り毛木平へ下山する方が現実的。毛木平から十文字小屋までは2時間なので、1日目に十文字小屋を利用して甲武信ヶ岳へ向かうのもいいかと。


十文字小屋

十文字小屋:案内

山と山小屋

何度も何度も眺めてしまう本。これを読むと山小屋に泊まらなきゃ!といつも思う。小林百合子さんと野川かさねさんの心地よい言葉と写真。お二人の歩く道は辿りたくなります。奥秩父の山小屋も紹介されています。


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川のはじまり【毛木平-千曲川源流】

毛木平-大山祇神社-ナメ滝-千曲川源流:CT3時間

10時過ぎ、奥秩父の山の中へ。十文字峠への分岐まで、広めの林道を歩いていきます。3シーズンはほとんどローカットで歩いていますが、今回は雪の状況や寒さを考えて相棒のゴローで。しかし、コースが長いためこれは後々後悔することに。結果的にはローカットでも問題ありませんでした(チェーンスパイクは使用)。

久々にオールレザーで足首までガチガチに固められ歩きづらい。足がローカットに慣れてしまうと、あれほど履きやすいと思っていたゴローでさえそんな風に思う。しかしながら、岩場での安定感はやはり抜群。長い相棒だから、1ヶ月に1回くらいは履いてあげないとダメですね。

十文字峠との分岐に着き、千曲川源流の旅へ。

分岐から先のカラマツ林が猛威を奮う。

 

 

 

 

 

これはーーーーーーーーー!!!

以前は西沢渓谷側からの徳ちゃん新道で甲武信ヶ岳へ。あちらもカラマツが綺麗だったという記憶がありますが、こちら側のカラマツロードは半端ない。浅間山の湯ノ平で受けたような感動がありました。

奥秩父は広葉樹林も素敵ですが、カラマツやシラビソの針葉樹林もすごく素敵。カラマツもシラビソも日本固有種で、そのためか、奥秩父の森にはどこか日本的な慎ましさを感じます。アルプスのような派手さはないけれど、奥秩父の紅葉は日本の中でも一番好き。赤・黄・橙、目を見張る紅葉が静かに、しかし、猛然と燃えるさまがとてもいい。秋になると奥秩父が恋しくなる。そして、人がサーッと引いたこの晩秋も◎


千曲川源流遊歩道のカラマツロード


風に乗って、細くて小さなオレンジの葉が舞い落ちてくる。いつの間にか一緒に登っていたようで、小屋についたとき、ザックのメッシュポケットからポロポロとたくさん出てきました。

歩くことが好きだけど、歩くのが嫌になりました。そんな感情によく襲われます。日本がどこでもテントを張っていい国だったら、間違いなくここでストップしてしまう。青と橙、本当に美しい。

川の音を聴きながら、なだらかに遡っていく。日向だったり日陰だったり、川に近づいたり遠ざかったり。徳ちゃん新道とは全く違う雰囲気ですごくいい。夏場に歩くなら、このコースがいいですね。

山のエキスをたっぷり含んで流れていく。


水が豊かな山


 

急坂は源流地点から甲武信ヶ岳の間だけで、なだらかに歩いているうちに2,000mを超えています。

ナメ滝。

 

源流遡行の雰囲気になっていく。樹林帯の様子は特に変わりませんが、水が流れているとメリハリを感じて楽しく歩けます。

 

 

1.45km、0.9km、0.35km・・・看板が細かく刻まれているので、若干まだ?となりながら近づいていく。

雪が多くなってくると、ところどころアイスバーン。登りならチェーンスパイクをつけるほどではありませんでしたが、ツルっといかないように要注意。下りの場合はつけた方が怪我なく歩きやすいですね。「源流地点から先、急坂が滑りやすいから気をつけてね」と、おじさんとすれ違う。

そして・・・

千曲川・信濃川源流地点に到着◎

とりあえず、寒い。日の当たらないひんやりした樹林帯は冷蔵庫のよう。気温は2℃で、暑かったロードから10℃以上下がりました。

源流地点を見にいくと黄色のチェーンが張ってあり、その奥から・・・

石の隙間から湧き出しております!

これが長い旅を経て、全長367kmの信濃川になるのですね。浪漫だ。山歩きのきっかけとなった屋久島で感動したのは"水"でした。水が地球上に存在するすべての命の源であるということを屋久島の森で感じて、自然の奥深くを知りたいと思いました。


千曲川・信濃川源流地点


源流の旅、素晴らしい。源流珈琲を味わうために早速汲む。冷たすぎて手をガチガチにしながら汲む。湧き出しているポイントはもちろん浅く、ちまちました作業。シェラカップや小さめのペットボトルなどがあるとよいです。

ということで、浪漫遡行が終わりここから甲武信ヶ岳に向けて一気に登ります。

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奥秩父の山小屋【源流-甲武信小屋】

千曲川水源-甲武信ヶ岳-甲武信小屋:CT1時間10分

「ガ」がかわいい。

分岐に出るまでが今日一番の急坂。途中からアイスバーンでツルツル。

アイスバーン地帯。岩を掴みながら登っていく。


冷蔵庫の樹林帯に光が入り、分岐に到着。太陽の温もりのありがたさよ。

 

今日はじめての展望地がありますが、富士山は霞み気味。

小径からガレ場へ。ここを登りきると山頂です。

 

 

秋晴れの甲武信ヶ岳、登頂◎

14時30分頃でしたが誰もおらず独占。山頂は特別広いというわけではありませんが、この大きさがちょうど良くて好き。以前もほとんど同じ時期で空いていたためそんな風に思いますが、土日とか混雑期はたぶんわちゃわちゃ。

山梨県(甲州)・埼玉県(武州)・長野県(信州)の境にある2,475mの山。名前の渋さもまたよき。風がちょっと寒いけど腰をかけ、ご無沙汰だな〜と挨拶をして奥秩父の山々を眺める。緑が濃ゆい奥秩父。

甲武信小屋へ向かいます。山頂から10〜15分ほど下る。

途中の岩場からは木賊山方面が綺麗に見えます。以前は甲武信小屋から雁坂峠へ縦走し、道の駅みとみに出ました。紅葉の谷がとても美しく、あちらの道もまた歩きたいし、雁坂小屋も気になるし、笠取山へ縦走もしたい。アルプスの地図を眺めるのと同じように、奥秩父は縦走路を目で追ってしまいます。

 

岩がちの樹林帯を下っていくと赤い屋根が見えて甲武信小屋。小屋の周辺は雪が結構残っており、ひんやりしています。太い丸太小屋で、ところどころ傾いた"THE山小屋"という渋さ。これがいい、やっぱり好きだなあ。昔ながらのこの佇まい、時代を超えて繋げてほしい。

前回は小屋番の徳さんがいらっしゃいましたが、今年は体調が良くなく早めに下山したとのこと。息子さんご夫婦が切り盛りをしていました。

テント場は小屋の目の前で、今日は5,6張ほど。金峰山小屋に泊まりたかったのと、甲武信小屋が好きなので今回は2泊とも小屋泊にしました。テント場寒そうだなあと見ていましたが、めちゃくちゃ寒かったと。

山の看板で一番好きなやつ。何もかも奥秩父にお似合い。

 

 

特注のストーブがお洒落

6,7年ぶりくらいに来ましたが、小屋の中も雰囲気も何も変わらない。甲武信小屋は"寒い"で有名ですが、相変わらず寒い。そこにまた魅力を感じてしまうのですが・・・そのため、暖炉の周りにみんな集まり自然とお喋りがはじまります。その光景も変わらず安心感がある。寒くて温かい、仲良しこよしの山小屋です。

以前は小屋の珈琲をいただきました。チャイもあります。チャイが気になりましたが、今日の私には源流珈琲がある。チャイはまた訪れる口実にしておこう。

今日の宿泊者は10人弱。前回もそんなもんでしたが、「この週末は100人以上予約があるんだよお〜」と徳さんが話していたのを覚えています。コロナ前で山小屋は詰め詰め状態。休日と平日の差に「やっぱり平日ですね〜!」と、一緒に泊まっていた人たちと暖炉の前で話していました。

 

小屋の裏には石楠花。次は石楠花の時期に。

2階の大部屋には均等に布団が配置されています。ずっしりと重い布団も変わっていない。

お隣は、板橋で「みりおんばんぶー」というお好み焼き屋さんを営んでいるご夫婦でした。このブログを読んでくださっている方の中にも、ご存知の方がいらっしゃるのでは?毎週山に行くという元気で明るいご夫婦。山の天気に合わせてお店の休み「山休日」が決まるという愉快なお店。山で出会った仲間が全国から訪れるそうです(1ヶ月後、蛭ヶ岳でまたお会いしました)。お客さんと登山部も結成していると。

小屋番の徳さんが11月誕生日なので、毎年この時期に登るとのこと。今年は早めの下山でしたが、恒例なのでいつも通り泊まりに来たそうです。

ご夫婦は夕日を見に行く準備。私は悩んだ末、珈琲でまったり過ごすことにしました。

今回は素泊まりで。名物のカレーはとても美味しかった記憶。以前は、夕食後に奥秩父の自然のスライドショーを見ました。徳さんが丁寧に説明していたのを覚えています。

食堂のラックにはヤマネ関連の本がたくさんあり、そんなにヤマネが有名だったっけ?と見ていたら、2〜3年前くらいから姿をよく現すようになったとご主人が話してくれました。今では、ヤマネを見るために学芸員の方とかも登ってくるのだとか。

手前にある「甲武信小屋で遊ぶヤマネたち」という写真集は、Canonにお勤めの方が作ってくれたとのこと。愛らしい姿が20ページほどのミニ本に収められています。

放っておくと食料を食べられてしまうので、あえてカレーを置いておくそうです。子どもが産まれたときはブドウとかも。そんな様子が写真集にありました。そろそろ冬眠に入るためもうほとんど姿を現さないようですが、6月下旬〜7月頃にまた小屋に出てきて、8〜9月頃が一番見られるとのこと。ちなみに、冬眠のために40g太らないといけないとか。人間からしたら可愛い太り方だけど、あの小ささで40gは大変なんだろうな。

どこに巣があるのかはいまだにわからないそうですが、昔ながらの小屋には隙間がたくさんあって暮らしやすいのかも。野生動物に好かれる小屋、とても素敵ですね。夏は暑いから避けてしまう山域ですが、ヤマネのために来てみようか。ちなみに、甲武信小屋が一番賑わうのは石楠花の時期です。

そして、今日はなんと"皆既月食"の日。天王星がなんちゃらかんちゃらの442年ぶりの月。小屋から見えるかな〜と話していましたが、ばっちり綺麗に見えました。

煌々と暗闇に輝くまん丸のお月さん。442年前、織田信長は果たしてこの月を見ていたのだろうか。次、この月が見られるのは332年後。今存在する人間や動物はもちろん生きてない。木とか岩とか、そんな自然が静かに光を浴びているのかも。

月食がはじまると、食堂の窓から様子を伺いつつ中と外を何度も往復。地球の影でだんだん欠けていき、ぼや〜っと赤茶けていきました。小屋の消灯が20:00で、最大に赤くなるのが19:59。

小屋の人、テント泊の人、みんなが集まって夜空を見上げる。月が暗くなると箒でさーっとはいたような星屑が次々と現れ、天の川が綺麗に見えました。寒さに耐えながらみんなで見上げる月は格別。

消灯とともに小屋の中へ。毛布1枚、掛け布団2枚の懐かしい重さの中で朝まで爆睡。源流と月食で、浪漫溢れる素敵な1日でした。明日は、国師ヶ岳を経て大弛峠、そして金峰山へ縦走します。


甲武信小屋

甲武信小屋ネット - kobushigoya.net

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コメント

  1. 私は木暮理太郎や田部重治に影響を受けた古い人間のせいか、つい戦場ヶ原と言ってしまうのですが、今は地形図にこの名はなくなっていますね。また、どう考えても千曲川より犀川の方が長くて、日本最長・信濃川の源流が千曲川、そして甲武信ヶ岳ではなく、槍ヶ岳、梓川、犀川ではないかと考えていました。この疑問には昔、茅野の駅前の本屋でふと購入した信州の地理地勢の本が解決してくれました。犀川と千曲川の合流地点では、犀川が千曲川に上から流れ込む地勢になっており、こうした場合、水位が高いほうが支流という定義になると。またこの本では信州を合州国と解説していたのが印象的です。安曇野から信州新町を通って長野市へ犀川が蛇行を繰り返して流れる山地一体は隆起が激しく、こんなことになっているのですね。千曲川は信州で愛される大河川です。梓川にはない源流の碑にそれを感じます。
    昔、甲武信の小屋はなかなか厳しくて、山岳部の学生がテントで夜、騒いでいると、小屋の主に呼び出されて、小屋の前で正座、説教を食らったそうな。ヤレヤレ。

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