2024.10.29
歩き人たかちです(@takachi_aiina)
青森県の美しい清流「奥入瀬渓流」。広葉樹林のトンネルが約14kmに渡って続いている、満足度が高いハイキングコースです。
紅葉と新緑、どちらも歩きたいところですが、まずは紅葉を。
十和田湖に面したキャンプ場に泊まり、翌日、蔦沼のハイキングコースを歩いて蔦温泉に入浴して帰る、1泊2日の東北紅葉旅。
2日目:蔦沼ハイキング & 蔦沼温泉
奥入瀬渓流ハイキングコース概要
▲ コースタイム:4〜5時間
奥入瀬(おいらせ)渓流は、十和田湖から流れ出る唯一の川。十和田湖の「子ノ口」から、奥入瀬渓流館がある「焼山」まで約14km続いています。
奥入瀬渓流館の標高が約250m、子ノ口が約400mなので、14kmかけての標高差は150mほど。渓流とほとんど同じ高さに車道と歩道がつくられているため、勾配が緩い、とても歩きやすいハイキングコースです。
出典:ジェイアールバス東北株式会社
距離は長いですが、「雲井の滝」など途中の見どころスポットにはバス停があり、どこから歩き始めても、やめてもいい。十和田湖までの森林浴を自由に、マイペースに楽しめます。
下り基調で歩きたい場合は十和田湖の「子ノ口」から、十和田湖をゴールにしたければ「焼山」から。
レンタサイクルもあるので、広葉樹林のトンネルを、風をきって走れます。レンタサイクルの場合は、"下流に向かう子ノ口スタート"がいいと思います。
「奥入瀬渓流」公共交通機関でのアクセス
出典:一般社团法人 十和田湖国立公園協会
◼︎ 八戸駅発:おいらせ号(要予約)
奥入瀬渓流ハイキングコースの起点となる「焼山(奥入瀬渓流館側)」と「子ノ口(十和田湖側)」までは、青森駅と八戸駅からJRバスが運行されています。
*八甲田山の麓にある「酸ヶ湯温泉」に向かうバスと同じです
八戸駅発のおいらせ号は予約制。到着はお昼頃なので、日が短い紅葉期に14kmすべて歩くなら青森駅発のおいらせ号の利用がよいです。
歩いたのは10月下旬ですが、15時を過ぎると渓流沿いは日陰が多くなり、明るい広葉樹林の紅葉は少し暗い印象に。輝く紅葉を楽しむなら、できるかぎり早い出発を。
青森駅から「奥入瀬渓流館」へ!平日でも紅葉期のバスは大行列!
始発の新幹線に乗っても10時台の始発のバスには間に合わないため、東京から夜行バスで青森駅へ(間に合っても節約で夜行バスを使います)。バスの待合所で待機し、9時半頃バス乗り場に行くと・・・
大行列!!何百人いるの!?
待合所が静かだったので気がつかなかったし、平日で油断していた。しかも、8〜9割は中国、台湾、韓国あたりの訪日。
数年前、紅葉の八甲田山に行ったときも同じバスでしたが、そのときは、訪日はほとんどおらず。今は、観光地という観光地がすごいことになっていますね・・・
バスの列は何回Uターンするの?ってほど長蛇の列で、臨時便が次から次へと到着。補助席含め50人ほど乗車できるバスでしたが、私が乗車したのは5台目。
それでもまだ手配していたので、10時台だけでも6〜7台は運行されたよう。単純計算で300人以上。
途中にある「萱野茶屋」で少し休憩。外で「長生き鶴亀茶」をいただける場所ですが、コロナ以降振る舞いは中止。2024年10月現在も中止されたままでした。
美味しいお茶だったので残念。中の売店で「茶屋の餅」のお菓子を購入。五平餅なども食べられます。
茶屋の次は「蔦温泉」でトイレ休憩。トイレの横におみやげ屋がありましたが、営業しておらず。外に「ホットチョット」というキッチンカーがあり、軽食とドリンクを販売していました。
到着予定時刻から15〜20分ほど遅れて、10時半頃「奥入瀬渓流館」に到着。
奥入瀬渓流館は、焼山のすぐ近くにある奥入瀬のエコツーリズム拠点施設。施設の一角に小さなビジターセンターが併設され、情報収集ができます。
その時期に見ることができる植物や生物などが展示されています。
クマ目撃情報。早い時期では十和田湖付近で3月、渓流沿いでは5月のGW頃目撃されていますが、7月の目撃情報が圧倒的に多いですね。
カフェも併設されており、青森の名産であるリンゴのケーキやパイがズラリ。
お土産もたくさんあり、ハイキング中に食べるスティックケーキとドーナツを買いました。地元のお菓子を持って歩くのはテンションが上がる。
モンベルのご当地Tシャツもあります
カフェでゆっくりするほどの時間はありませんでしたが、マイカーや、バスでスキップしながら歩く場合はエネルギーを補給してからでもいいですね。
14kmの奥入瀬渓流紅葉ハイク!焼山から十和田湖へ
焼山(奥入瀬渓流館)- 雲井の滝
焼山 (奥入瀬渓流館側)-奥入瀬渓流館-紫明渓-三乱の流れ-石ヶ戸-阿修羅の流れ-雲井の滝
ハイキングスタート。最初の見どころスポットは4.4km先の「石ヶ戸」。
ハイキングコースは、東北自然歩道でもあります。ブナやカエデ類の、色鮮やかな広葉樹林の紅葉に包まれる。
「紫明渓」あたりの景観。広めの河原が広がっていました。
時おり車道に出ながら進む
「紫明渓」周辺はあまり人がいませんでしたが(渓流館から歩いている日本人ばかり)、「三乱の流れ」あたりは訪日が多くなり、あちらこちらで写真を撮っていました。
車道に車を停めている人たちもちらほら。見どころスポットは人が多いので、その間の静かな場所でちょこちょこ休憩。
\ 清流と紅葉 /
萱野茶屋で買った、茶屋の餅
全体的に黄色、オレンジ、赤の紅葉。ちょうどピークを迎えた頃ですが、とっても美しい。
「三乱の流れ」は、5月中旬頃ムラサキヤシオが岩の上に咲き乱れるそうです。
バス停がある「石ヶ戸(いしげど)」。CM撮影にもよく使われるとか。
石ヶ戸あたりから歩き始める人も多いようですが、雲井の滝〜十和田湖間が、一番人が多かったです。特に「雲井の滝」と「銚子大滝」は、人が集まっていました。
「馬門岩」を過ぎて車道へ
奥入瀬渓流を代表する「阿修羅の流れ」周辺に到着。全体的に穏やかな奥入瀬渓流ですが、このあたりは水量が多く、岩の間を勢いよく流れていました。
\「阿修羅の流れ」見どころスポット /
流れはまた穏やかになり、「千筋の滝」に到着。細い水の流れが簾のようで美しい。何気ない滝で立ち止まって見ている人はいませんでしたが、個人的にとても好きでした。
「千筋の滝」から少し歩くと「雲井の滝」に到着。断崖から三段になって落下したおり、高さは20メートル。水量が多く迫力があり、見ごたえのありました。
滝の近くまで行けますが、道が細く狭いので、順番に見ている感じでした。
雲井の滝 - 子ノ口(十和田湖)
雲井の滝-銚子大滝-子ノ口(十和田湖)
\ 雲井の滝から少し離れると静かになった /
雲井の滝から先、ベンチが少しありました
公衆トイレ
15時を回ると渓流沿いは日陰が多くなり、今日の輝く紅葉も終盤。
「九段の滝」。少しだけ、寄り道の滝
ラストの「銚子大滝」に到着。高さ7メートル、幅20メートル、奥入瀬渓流本流にかかる随一の滝。ハイキングコースの中で一番迫力があり、周囲の紅葉に溶け込む素敵な滝でした。
銚子大滝は十和田湖への魚の遡上を妨げているため、"魚止の滝"とも呼ばれています。「十和田湖には魚がすめない」といわれていたそうです。
\ 上から見る銚子大滝 /
銚子大滝を過ぎたら、十和田湖まで一気
「子ノ口」に到着
ここで、きりたんぽを食べると決めていましたが、時間的に購入してから焼き始める感じになっていて「10〜15分かかります」と。
ちょうど、バスの出発時間10分前くらいに到着したので諦めました。
美しき十和田湖
十和田湖に到着し、奥入瀬渓流のハイキング終了。14km、終始色鮮やかな紅葉に包まれ、マイナスイオンたっぷりの渓流ハイクは最高に気持ちが良かったです。次は、新緑の季節に!
1泊310円!十和田湖「宇樽部キャンプ場」で秋キャンプ
宿泊地は、子ノ口から約5km離れた場所にある「宇樽部キャンプ場」。子ノ口15:35発のバスに乗りました。
子ノ口から先、JRバスは終点の「十和田湖」へ向かいます。キャンプ場の入口のバス停は「下宇樽部」です。しかし、間違えて点前の「宇樽部」で降りてしまった。1kmほど歩いてキャンプ場へ。
キャンプ場への林道の紅葉がすでに素晴らしい
宇樽部キャンプ場のフリーサイトは1泊310円と激安!
ロケーション抜群、トイレ綺麗、炊事棟あり(ゴミ箱あり)、シャワー&ランドリーあり、紅葉最高!と文句なし。むしろ、310円で整いすぎ。
渓流館でも販売していたスティックケーキがありました。朝用のドリップコーヒーを購入。
水遊びエリア
水遊びエリアに近いコテージ周辺の紅葉が、一番綺麗に感じました。
湖畔沿いはやはり人気で、木が視界に入らない良い場所はキャンパーでほぼ埋まっていましたが、ソロテントが張れる小さめの場所を発見。
ちょっと斜めだけど、やっぱり湖畔がいい。暗くなる前にササっとテントを張り、湖畔の夕景を見てのんびり。
夕暮れ時からキャンパーの方々が焚き火をしていて、パチパチ鳴る音がいい。
少し奥にサウナ
トイレ
炊事棟(ゴミ箱あり)
炊事棟周辺のバンガロー
シャワー&ランドリー
中には入りませんでしたが、外から見た感じ快適そうでした。
翌朝、受付で買ったドリップコーヒーと、奥入瀬渓流館で買ったりんごのドーナツを。気温は5℃で、手袋をしないと手が冷たい。
バスまでの時間キャンプ場の紅葉を散策していると、ヨーロッパ系の観光客に「ハイキングをしたの?」と話しかけられました。
その男性は昨日、十和田湖を自転車で一周したそうですが「ロード近くでクマに遭遇したよ!」と興奮気味に。しかも、野菜を食べていた、と。まじか。
野菜?そのクマ危険じゃないか?十和田湖は観光客が多いし、ゴミでも食べていたのだろうか?詳細はわかりませんが、そんなクマがいたそうです。
今回、バスの終点「十和田湖」までは行っていませんが、そのあたりは観光地で宿泊施設もあり、子ノ口からバスに乗車した人はほとんど終点へ向かったと思います。
その間にある宇樽部キャンプ場は日本人のキャンパーがほとんどで、2組くらい訪日の人にお会いしましたが、観光地より静かな場所を好む、という感じの方々。
2日目は、蔦沼のハイキングコースを歩き、蔦温泉に入浴して帰ります。
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