2024.6.27(木)
秋田駒ヶ岳 / 日帰り
歩き人たかちです(@takachi_aiina)
梅雨の晴れ間を狙って「秋田駒ヶ岳」にお花登山。秋田駒ヶ岳は、多くの高山植物が咲き乱れる「花の100名山」。
有名なのは"ムーミン谷のチングルマ"で、6月下旬頃から見頃を迎えます。順々に季節の花が咲きますが、今回はチングルマとコマクサに焦点を当てました。
八合目登山口-阿弥陀池避難小屋-▲ 男女岳-ムーミン谷-大焼砂-横岳-焼森山-八合目登山口
▲ コースタイム:4時間45分
▲ 歩行距離:8.14km
▲ 累積標高差:+637m / -646m
初心者にもおすすめ【八合目】からの周回登山!ムーミン谷は時計回りが歩きやすい
出典:田沢湖・角館観光協会
山名 | 秋田駒ヶ岳 ( 200名山・花の100名山 ) |
標高 | ・「男女岳」:1637m (最高峰) ・「男岳」:1623m ・「女岳」:1513m |
登山形態 | 日帰り / 1泊以上の縦走 |
水場 | ・8合目登山口 ・湯森山〜笊森山の間1箇所 |
避難小屋 | ・八合目小屋 ・阿弥陀池避難小屋 ・田代平山荘(乳頭山側・縦走の場合) |
アクサス | ・最寄駅「田沢湖駅」 ・登山バス季節運行 ( マイカー規制あり ) |
周辺の温泉 | ・乳頭温泉 ・田沢湖高原温泉 ・水沢温泉郷 |
八合目登山口周辺、メインの登山道はよく整備された歩きやすい道。あまり人が通らない縦走ルートや登山バスを使わないルートは藪漕ぎの可能性が高いため、事前に調べた方が無難。ルートによって、たまに刈り払いが実施されることも。
標高の高いところからスタートするため、ムーミン谷をぐるっと一周しても累積標高差は630〜640m程度。浮き石のある急坂も一部ありますが、全体的に歩きやすい道のりです。
ムーミン谷は"時計回り"がおすすめ!
阿弥陀池からムーミン谷への下りは浮き石多めの急坂。濡れていると滑りやすく、リスクが少ないのは登り利用。中には、この急坂を登りたくないと戻っている人たちもいました。
もう一点、横岳からのコマクサ群生地"大焼砂"は砂礫地なので、下りの方が断然楽。展望抜群で、景色を楽しみながら下るのがおすすめです◎
私は何も考えず反時計回りで歩き、急坂の下りだし、大焼砂の登りは向かい風の爆風で後悔しました。時計回りで歩いている人が圧倒的に多かったです。
\ 秋田駒ヶ岳メインルートの詳細はこちら /
夜行バスで日帰り秋田駒ヶ岳!登山バスは?公共交通機関のアクセス
秋田駒ヶ岳は"6月〜10月下旬頃の土日祝・6月中下旬〜8月中旬の平日)"マイカー規制が実施されます。その期間中は登山バスを利用して八合目登山口へ。
\ マイカー規制・登山バスに関してはこちら /
以前は、東京 ⇆ 田沢湖駅間の夜行バス「レイク&ポート号」が運行していました。しかし、現在は需要減少や乗務員不足などで運休中。かれこれ4〜5年ほど運休しており、このまま廃線の空気。
\ 夜行バス利用なら"盛岡駅行"を /
新宿(21:40) → 盛岡駅(5:05)
② 鉄道(JR田沢湖線)
盛岡駅(5:18) → 田沢湖駅(6:07)
③ 登山バス(羽後交通「駒ヶ岳線」
田沢湖駅(6:33) → 八合目登山口(7:32)
*田沢湖駅Suica利用不可エリア
*登山バスは現金 or PayPay払い
おすすめの夜行バスは岩手県北自動車株式会社「MEX三沢」。盛岡駅に一番早く到着し、始発の田沢湖線への乗り継ぎがスムーズ。JR田沢湖線の鈍行列車は、午前中は始発の一便のみ。その他は新幹線「こまち」を利用しなければならず、料金が倍になります。新幹線でもいい、早い登山バスでなくてもいいという場合は希望の登山バスの時間に合わせて。
「MEX三沢」は特割で4,300円。最安値ではないですが安い方。基本4列ですが、フットレスト・顔を隠せるシェード・仕切りカーテン・ブランケット・充電コンセントという、なかなか充実している夜行バス。乗務員も2名体制です。男性は特に4列は狭く感じると思いますが、プラス2,000円でダブルシート(2席)利用も可能。
晴れを狙え!チングルマとコマクサと爆風の秋田駒ヶ岳
新宿からの夜行バスには登山者がちらほら。みんな秋田駒ヶ岳でした。盛岡駅に5時前に到着し、田沢湖線に乗り換えて田沢湖駅へ(*Suica利用不可)。
田沢湖駅を出て右手にバス乗り場。この日田沢湖駅からの乗車は27人でした。途中3,4人乗車。マイカー組が乗車する「アルパこまくさ」では、もう一台の登山バスに乗車中。2台ともほぼ満車の状態で八合目登山口へ。
八合目登山口 - 最高峰「男女岳」
[ 八合目-阿弥陀池避難小屋-男女岳ピストン :CT1時間45分 ]
盛岡駅では雲のないすっきり青空だったのに、八合目はガッスガス。割とピーカン予報だったけど・・・信じて登ろう。
八合目小屋は登山者でワイワイしていました。寝床は靴を脱がないといけないので玄関だけパシャリ。
小屋の中には連絡版があります。現在咲いているお花の情報も。
小屋の前には水場兼靴洗い場。冷たくて美味しいです。やはり日本の山は水場がいいですね(ニュージーランドは基本沢水)。
ガスが重たいのでお花を見ながらゆっくりゆっくり。梅雨の晴れ間は空気中の塵埃が少ないせいか、本格的な夏空前のブルーがキリッと爽やかで好きです。でも、この時期は天気がやはり難しい。
歩き出しからお花がたくさん迎えてくれます。急坂は特になく、でも着実に標高を上げていく。
見晴らしポイントに着くもまだまっしろ。田沢湖が綺麗見えるらしいですがお預け。
コバイケイソウ、今年はどうなんでしょう?4〜5年に一度当たり年がくると聞きますが、2年周期だったり場所によっていろいろだそうです。花が完全に外に出てきていない咲き始めはお上品ですね。
木道に突入。やばい避難小屋に着いてしまう・・・と、さらに意識してゆっくり。チングルマが咲き始め、イワカガミも増えてきました。
大きなスミレみたいだなあと写真を撮っていると、ご夫婦がやってきて「何の花ですか?」と。残念ながら私はわからず、奥さんが手に持っていた秋田駒ヶ岳のお花一覧をすかさず広げ、ムシトリスミレだと教えてくれました。
「お花が綺麗でこの先も楽しみでねえ」とご主人。ガッスガスの中の満面の笑みに、ああ、いいなあと。早く晴れないかなーとばかり思っている自分よ、山を楽しめ。
阿弥陀池に到着し、その先に"阿弥陀池避難小屋"を確認。ガスがパァーッと流れて青空が見えると、周囲から「わぁー!」と歓声が上がる。ガスで全然見えなかったけど、男女岳に登っている人が結構いる。
もうちょっとかな〜と、ひとまず避難小屋で晴れ待ち。風もあり、太陽がないと普通に寒い。こちらも寝床スペースは靴を脱がないといけないのでスルー。
本当はこの避難小屋に泊まって翌日"乳頭山"へ縦走する計画を立てていました。何でもいいから山に泊まりたい気分で、この避難小屋のロケーションがとってもメルヘンでいいじゃん!と。
しかし、金曜日の夜行バスが全滅で、お高い新幹線で帰るなら日帰りでいいかと。普段金曜日の夜行バスは避けていて(高いから)、いつものノリで晴れそうな山を直前に決めたら時すでに遅し。縦走したい気持ちと交通費を天秤にかけるのはナンセンスかもしれませんが、登山はなかなかお金のかかる趣味。いかに安く済ませるかを考えて計画するのは楽しくもありますが。
15分くらい避難小屋で行動食を無駄に食べていると、徐々に晴れ間が。男女岳に行ってみることに。
男女岳までは15〜20分程度。ほとんど階段でした。風が強めで、ガスがどんどん流されていく。合間合間に青空が見える。
登頂。風が寒い。
男女岳を下山してムーミン谷の方へ。
阿弥陀池避難小屋 - 横岳
[ 阿弥陀池避難小屋-ムーミン谷-大焼砂-横岳:CT1時間50分 ]
ガスで近くまで行かないと小屋が見えませんでしたが、青空だとめちゃくちゃメルヘン。避難小屋ですか?ってくらいメルヘンなロケーション。東北の避難小屋、ほんと好き。
男岳と横岳の分岐。男岳はガスなのでスルー。
ムーミン谷へ下り始めるも、ここは浮き石が多い急坂。あ、登りにすればよかったと瞬時に思う。登ってくる人が圧倒的に多いのも頷ける。落石の音もしました。要注意。
振り返る。この壁を登り下りします。
谷を下り終わるあたりにシラネアオイが咲いていました。このあたりは遅くまでシラネアオイが残るそうです。
チングルマ地帯に入るとガスがほどよく流れはじめ、チングルマたちに太陽の光が当たった。
チングルマは太陽を追いかける花。太陽の光をいっぱい集めて温め、虫たちを呼び込んでいる。植物は両手を思いっきり広げて太陽を浴びている感じがとてもいい。人間も、太陽好きな人ってみんなかっこよくて素敵。太陽は偉大。
細めの道に木道。土日は行列でしょうか?
チングルマはまさに見頃もあれば、終わりかけもあれば、すでに綿毛の子たちも。でも蕾もたくさんあり、まだまだ楽しめそう。
今回、お花を撮るために違うレンズを持ってきたのですが・・・間違えて以前使っていたCanonのレンズを持ってきていました(現在Fujifilm)。これはショック。チングルマとコマクサを撮ろうと思っていたのに超ショック!!
登山者を虜にするチングルマ。日本の山はやっぱりお花だなーと思う。
ニュージーランドで物足りないと思ったのはお花。同じように雨が多いけど、森の様子は全く違う。日本の豪雪が豊かなお花畑をつくりだしている。これは本当に宝だと思う。
最後の方は木道がベンチと化していた。ムーミン谷は特に休憩スペースないけど、みんなチングルマを見たい気持ちで。
谷を抜けて"大焼砂"の砂礫地へ。コマクサゾーンに入ると風が強い!
コマクサは6月下旬頃〜なので、まだチラチラ咲いているくらい。ピークがどの程度かわかりませんが、咲きはじめの透き通るようなピンクがとても綺麗。
この砂礫地を登りながらも「時計回りすれば」よかったとしみじみ。時計回りにすれば山並みを見ながら下ることができる。爆風の向かい風の中、砂礫地がしんどい。
ぐるり大焼砂
爆風を受けながらコマクサ鑑賞。生き残るためとはいえ、よくこんな過酷な環境を選ぶもんだ。
大焼砂を登りきり"横岳"に到着。ここは爆風ではなかったので時間調整をしつつ大休止。ガスと風で諦めていた珈琲タイム決行。太陽が温かくて苦味がうまい・・・
なんだかんだ40分経っていたので出発。焼森山経由で下山します。
横岳 - 八合目登山口
[ 横岳-焼森山-八合目登山口:CT55分 ]
焼森山山頂にはケルン。吹き曝しです。
阿弥陀池避難小屋方面
下りの途中で乳頭山への縦走路分岐。乳頭山(烏帽子岳)まで、東北らしい広大でたおやかな山並みが続いています。ただ、この湯森山の南側(縦走路側)はあまり刈り払いがされておらず、登山道の掘削と藪で歩きづらいそうです。
岩手山〜八幡平の"裏岩手縦走路"を歩いたとき、秋田駒ヶ岳の方まで繋がっているのかあと眺めていました。その途中は熊がかなり出ると地元の人に言われましたが、どんな道なのか想像するとワクワクしてしまう。
乳頭山周辺の"田代平湿原"の人気がない湿原感が気になっていて、田代平山荘で思いっきりまったりしたいと思っていました。縦走路を見るとやっぱり行けばよかったかなあと思うけど、この山域はまたくる予感。
阿弥陀池〜横岳〜焼森山〜八合目は「シャクナゲコース」。まだ蕾が多かったですが、ちょろっと咲いているところも。
一度に全部見たい気持ちもあるけれど、少しずつ花が移り変わっていくのがいい。本当に、何度も何度も来たくなるから人生の時間が足りない。
途中はミネザクラも咲いていました。6月下旬に桜かあと、すっかり終わった春がちょろっと顔を出してくる。
登山口が見えたとき、一人男性が戻ってきて「白いハクサンチドリが」と・・・え?白いハクサンチドリ?他の登山者に教えてもらったようで、木道を少し戻ると
白いハクサンチドリ!
はじめて見た〜!しかもめちゃくちゃ見頃!斑点もなく、真っ白で上品なハクサンチドリ。男性も60年登山をしていて初めて見たそうで、とても感動していました。
写真を撮っていると女性が一人来て「あ、白のハクサンチドリ!」と。その女性は八幡平の駐車場で見たことがあるとのこと。それでも「あら〜最後にいいもの見れた〜ありがとう〜」と嬉しそうで。
「シロバナハクサンチドリ」と名前もしっかり。ハクサンチドリは変異の多い花のようですが、白はあっちにもこっちにも咲いている感じではなさそうです。
13:30のバスに間に合い乗車。田沢湖駅まで行くバスは時間が決まっているので要確認。途中下車で温泉に入るため、今回は来たバスに乗ります。
マイカー組の駐車場でもある「アルパこまくさ」にも温泉はあります。ただ、木曜定休なのでこの日は休業日。モンベルクラブの会員は入浴料50円引です(550円→500円)。入浴は10:00〜16:00(最終受付15:30)。
おすすめ!水沢温泉郷「駒ヶ岳温泉」 乳頭温泉「鶴の湯」の姉妹館
バス会社 | 羽後交通 ( 乳頭線・駒ヶ岳線 ) |
最寄りバス停 | 休養センター前 *駒ヶ岳温泉まで750m |
料金 | ・大人:600円 ・休憩込:1,000円 *タオルなど別料金であり |
日帰り入浴 | 9:00〜19:00 |
*2024年6月時点の情報です。最新情報は「駒ヶ岳温泉 HP」でご確認ください
\ 「駒ヶ岳温泉」おすすめポイント /
◾︎ 他の日帰り入浴よりちょっと安い
◾︎ 内風呂・露天風呂ともに◎
◾︎ 硫黄の香りは仄かで身体にうつらない
◾︎ 曜日と時間が合えば美味しいお蕎麦も!
◾︎ 乳頭温泉「鶴の湯」の姉妹館。宿泊すると送迎サービスがあり両方楽しめる
当初は縦走予定だったので乳頭温泉「蟹場温泉」を考えていましたが、計画変更になり水沢温泉郷の「駒ヶ岳温泉」へ。バスを乗り継げば乳頭温泉にも行けますが、乳頭温泉は人が多そうなので(登山者が多かった)あえて「駒ヶ岳温泉」をチョイス。
乳頭温泉の日帰り入浴は早めに終わるところが多いですが、駒ヶ岳温泉は19時まで営業。入浴料も600円で、他の温泉に比べて100円程度安いです。
水沢温泉郷に属しますが、温泉宿が集まる地点から1km弱離れています。林道の先にポツンとある温泉宿でとても静か。とてもいい雰囲気。
今回は「アルパこまくさ」行の駒ヶ岳線のバスに乗り高原温泉で下車。3kmほど車道を歩くと水沢温泉郷、さらに1km弱歩くと「駒ケ岳温泉」。ガラガラで最初は女湯貸切状態でした。
全体的に木のつくりで、内風呂はいつまでも入っていられるようなぬるま湯。露天風呂はこじんまりしていて内風呂よりも温度は高め。爽やかな森からの風との相性が抜群でした。硫黄の香りは仄かで、長風呂しても身体につきません。
駒ヶ岳温泉は、乳頭温泉にある「鶴の湯」の姉妹館とのこと。駒ヶ岳温泉に宿泊すると、鶴の湯までの送迎サービスがあるそうです。泊まりは離れ宿の駒ヶ岳温泉で静かなひととき、夜は乳頭温泉も楽しめる。なかなかいいのでは?
静かに温泉を楽しみたい方には「駒ヶ岳温泉」おすすめです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
\ 記事がお役に立ちましたら /
よろしければ、応援よろしくお願い致します。
コメント