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蛭ヶ岳山荘泊、初冬の丹沢主稜主脈縦走#1【檜洞丸・蛭ヶ岳】

関 東 • 甲 信 越

2022.12.7-12.8

★DAY1:西丹沢自然教室-檜洞丸-蛭ヶ岳
 DAY2:蛭ヶ岳-丹沢山-塔ノ岳-秦野駅

歩き人たかちです。

ヒルがウジャウジャの丹沢山塊。被害を避けるため、丹沢を歩くのはいつも秋か冬。空気も山もからっからに乾いた12月初旬、未踏の檜洞丸と蛭ヶ岳、そして丹沢の中で一番好きなヤビツ峠への稜線を繋ぎ歩きました。

蛭ヶ岳から焼山の方へ縦走しようと思いましたが、久々の丹沢なのでヤビツ峠方面へ抜けることに。

    アクセス
ーーーーーーー
往路
◾︎ 富士急湘南バス
新松田駅(7:15)-西丹沢自然教室(8:26)

復路
◾︎ 徒歩
蓑毛〜秦野駅約6km

*バスの場合は「神奈川中央交通」を利用。平日は特に、ヤビツ峠からの便は少ないため時間に注意。冬季は凍結や積雪状況により「蓑毛」での折り返し運行となる場合があるため、HP要確認。


富士急湘南バス
[ 新松田駅-西丹沢 ]

路線バス - 富士急湘南バス
路線バスに関するページ。富士急湘南バスの最新情報をご覧いただけます。

神奈川中央交通
[ ヤビツ峠-秦野駅 ]

神奈川中央交通
神奈川中央交通は、グループの総合力を生かして地域に貢献し続けます。


新松田駅からは西丹沢へのバスの他、鍋割山の登山口となる「寄(やどりぎ)」と、大野山の「大野山登山口」へのバスが出ています。

大野山は谷峨駅と山北駅を利用すれば徒歩で繋ぐことも可能。山頂が広い草原のようでとても気持ちのいい山。山カフェをやるようなハイキングにおすすめです。

鍋割山は"鍋焼きうどん"で有名ですが、現在は営業時間があるようです。

◾︎ 月・金 → 定休日
◾︎ 火・水・木→ 11:00〜
◾︎ 土・日・祝 → 10:00
*売り切れ御免。13:00営業終了

あっつあつの鍋焼きうどんはとても美味しいですが、鍋割山荘のHPにて詳細を要確認。

       行程
ーーーーーーー
天気:晴れ☀︎ → 曇り ☁︎
気温:自然教室1〜2℃/蛭ヶ岳0℃
風:西 → 北西1〜2m/s

西丹沢自然教室-ツツジ新道登山口-ゴーラ沢出合-展望園地-▲ 檜洞丸-青ヶ岳山荘-神ノ川乗越-臼ヶ岳-ミカゲ沢ノ頭-▲ 蛭ヶ岳

▲ コースタイム:6時間15分
▲ 歩行距離:9.1km
▲ 累積標高差:+1746m
                      -621m

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丹沢主稜のコース概要

ツツジ新道
ーーーーーーーーー

登山口からゴーラ沢まではトラバース中心の気持ちのいい道。ゴーラ沢の渡渉は、水量が多い場合は困難となるため要確認。水量が問題なければ、非防水のローカットでも問題ありませんでした。

ゴーラ沢から檜洞丸は一定の傾斜で登り続けます。急坂まではいきませんが、緩やかとも言えない傾斜。山頂の800m手前から気持ちのいい木道となります。

檜洞丸-蛭ヶ岳
ーーーーーーーーーーー

檜洞丸から蛭ヶ岳は4.6km。アップダウンを繰り返す道のりで、暑い時期は身体に堪えると思います。

蛭ヶ岳の山頂直下は岩と鎖・ロープの斜面。一つひとつは短い岩場ですが、下りは特に足元注意。雨など、天候の悪いときは滑りやすくなると思います。

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水場

ツツジ新道から蛭ヶ岳までの水場は"神ノ川乗越"の1箇所。南斜面を沢筋に沿って10分ほど下ると神ノ川源流が湧き出ています。ただし、枯れている可能性もあるため要確認。

GPSの軌跡

登山道はありませんが、水場までは踏み跡があります。

蛭ヶ岳山荘では「500ml→ ¥500」あるいは「2L→ ¥1,200」での販売になるため、できる限り担いでいった方がいいですね。

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緩と急[ 西丹沢自然教室-檜洞丸 ]

西丹沢自然教室-ゴーラ沢出合-展望園地-檜洞丸:CT2時間40分

西丹沢方面のバスには登山車が4,5人、途中から大きなザックを背負ったお兄さんが乗車。丹沢山塊を縦走しているのか、「玄倉」で1人下車していきました。

8:30頃、西丹沢自然教室に到着。奥秩父の縦走から1ヶ月ほど山を離れていました。12月に入り山の朝がぐーっと冷えて、ピリリとした空気に目が覚める。気温は1〜2℃。

キャンプ場には、オートキャンプの人たちのテントが何張か。それを横目に車道を歩いて登山口へ。

檜洞丸に登るルートは2つ。今回登るツツジ新道の他に"犬越路"があり、こちらは展望のいいコース。今回は時間の関係でツツジ新道を選びました。

檜洞丸周辺はシロヤシオも綺麗だという噂。5月中下旬〜6月上旬に見頃を迎え、ミツバツツジとのコントラストが美しいようで。しかし、そんな時期にもなれば丹沢は暑いし、ヒルが活発なので想像に留めます。

 

登山口に到着すると、ぐわーっと臨場感のある谷景色。紅葉は終わり、足元が赤茶けた谷ですが美しい。ピークはさぞ綺麗なのでしょう。

 

谷を少し上がり、日の当たる斜面へ。少しの間、広葉樹林のトラバース道。ここが、とっても気持ちがいい!

カサカサ、ポカポカの道は、いい感触にいい音楽。「あ〜いいなあ〜」を連発しながら1人闊歩。丹沢は奥多摩に比べると植林が少なめで、日差しが降り注ぐ明るい山域。

久々の丹沢に、1ヶ月ぶりの山歩き。やっぱり、生活の中に山がないと。ストレスとかリズムとか、そういうのとはまた違う。身体や精神の一部が山に溶け込んでしまうと、定期的に山の空気を吸わないと辛い。


ゴーラ沢までの道が気持ちいい◎


 

ゴーラ沢手前のちょっとした崩壊地

 

山欲丸出しで歩いていると、ゴーラ沢に到着。案内板がありました。対岸の先には「遭難多発」という赤い幟が旗巻いている。広い河原で、迷う人が多いのでしょうか。

水量は問題なし。

2箇所くらい渡渉できる場所があります。

のっぺりした河原ですね

 

 

ここまでの道とは打って変わってひたすら登っていく。気温も上がり、5℃を超えると暑い・・・

 

ツチグリ発見!かわいいなあ。

一定の傾斜で登っていきます。木の根やら、岩やら、山だなあという心臓が高なる感覚が楽しい。冬は冬でよいですね。

 

途中の展望台。もうちょっと展望台っぽいところかと思いきや、普通の休憩ポイントでベンチがあります。振り向くと富士山がすっかり冬の姿です。夏は黒っぽいのに、冬になると空と同じ色に見える不思議。

展望台からさらに傾斜を増して、岩もゴツゴツ、ゴロゴロ。心臓の鼓動が聞こえる。一生懸命、血と酸素を送り出しているらしい。

山頂800m手前から木道に。昨日は雪が降りました。蛭ヶ岳周辺にちょっと期待を込めて。

木道の隙間に埋まった雪がややアイスバーン気味で、滑らないようにと歩いていると・・・

人間の足跡に混ざる大きな足跡。昨日か今日の朝方か、クマさんも木道を歩いていたようで。冬眠前の最後の食料探しか?食べものはまだあるのでだろうか?ちゃんと冬眠できればいいけども。

 

檜洞丸に到着◎

ここまでに会ったのは2人だけ。山頂には、違うルートから歩いてきた女性と先ほどお会いした男性。男性は蛭ヶ岳をピストンしようと思って来たけど、登山口へのナビが間違っていて出発が大幅に遅れてしまったとのこと。仕方がないから今日は檜洞丸で引き返すと。

 

風が少しあり、山頂もなかなか寒いので一息ついて出発。

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登り・下り・鎖[ 檜洞丸-蛭ヶ岳 ]

檜洞丸-青ヶ岳山荘-神ノ川乗越-蛭ヶ岳山荘:3時間10分

山頂のすぐ下には"青ヶ岳山荘"。思っていたよりも可愛らしい山小屋でした。トイレを借りることも可能。

看板も可愛い。いろいろと注文できるようです。休憩は有料。常駐ではないようなので、注文できるかは運なのか?

全体的に広いわけではありませんが、小屋前にはテラスもあり、蛭ヶ岳がどーんと見えて、山頂からは富士山も見える。ロケーションはとてもいいですね。混む事もなさそうだし、こういう山小屋は逆に泊まりたくなります。


青ヶ岳山荘

トップ

蛭ヶ岳に向けてアップダウンスタート。まずはひたすら下っていきます。

 

 

急だったり、歩きやすかったり、階段があったり、ハシゴがあったりと、バリエーション豊か。

 

登り返していると、いい感じの休憩ポイント。広めのベンチに腰をかけていると、背後でガサガサッと獣の音。

振り向くと鹿でした。鹿も「誰かいる!?」という感じでバッと顔を上げたけど、少し睨めっこしたあとは何事もなかったかのように下草をモシャモシャ。近づかない限り動いても逃げず、人間慣れしている個体。

 

再び下って"神ノ川乗越"に到着。この看板の奥、南斜面の沢筋を10分ほど下ると神ノ川源流があります。枯れている場合もあるとの情報ですが、一か八か行ってみました。

残念ながら、看板の後ろにはゴミが散乱・・・とても拾える量ではありませんでした。どうして平気でゴミを捨てられるのでしょう、本当に。

行きは沢筋の窪みを歩きましたが、落ち葉も土もモフモフで歩きづらく、途中から斜面に上がりました。一応踏み跡があります。

10分ほど下ると岩がゴロゴロしている合流地点。

そのすぐ下にありました。勢いはそれほどありませんが、源流もしっかり出ています。よかった、よかった。

浄水せずに飲んでいる人もいるようですが、落ち葉のカスとか結構舞っていたので私は浄水を。今日と明日の分を3L確保。湧き出しているところよりも、少し下の流れのある方が汲みやすいです。

千曲川源流のときは日陰で冷蔵庫のように寒かったですが、こちらは南斜面でポカポカ。

乗越に戻ります。このあたりは鹿のフンロードです。

神ノ川乗越から白ヶ岳までは急登になるので、水を汲んだばかりのザックがずっしり重い。

20分ほどで白ヶ岳。

蛭ヶ岳が近づきました。最後の登りが長そうですね。

下っていると、女性が1人ダウンやら何やら着込んで斜面に座っていました。黄昏ているのか、どっち方面に向かうのかと思いつつ、挨拶をして下っていると空荷の男性が。どうやら先ほどの女性とペアの方で、男性だけ蛭ヶ岳を往復してきたようで。

蛭ヶ岳にさらに近づいたところでもう1人すれ違い。「結構激しめの鎖場があるからね〜」と、小さなザックに反射テープをぶら下げている男性。小屋の人?ではないか。

そして、ラストスパートの登り。遠くから見たときは、山頂直下の斜面が長そうな感じでしたが、近くまで来てみるとそうでもない感じで。

岩・ロープ・鎖の斜面を。夏山が終わると三点確保をするような岩場に触れる機会が減るので、低山の岩場が楽しかったり。階段を登るよりも俄然元気。

登りは鎖を使わずともいけますが、下りは足元注意。思っていたほどの激しさはなく、そんなこんなであと500m。

檜洞丸を振り返り、歩いてきた道を目で追う。朝はすっきり晴れていましたが、途中からちょっと曇りがちに。富士山は頭をちょこんと出しているだけになりました。

最後は丹沢お得意の木段。

蛭ヶ岳に到着◎

雪、全然ないですね。どうやら水っぽい雪だったようで、すっかり溶けてしまったとのことでした。

海が見える山、いいですね。

丹沢山方面。明日はあちらへ向かいます。

寒いのでそそくさと蛭ヶ岳山荘へ。

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アットホームな蛭ヶ岳山荘

蛭ヶ岳に訪れるときは蛭ヶ岳山荘に泊まろうと兼ねてより決めていました。

Tシャツたくさん

扉を開けると、とても賑やかな声・・・というか、この声聞いたことあるなと思ったら、なんと、甲武信ヶ岳でお会いしたお好み焼き屋さんのご夫婦でした(みりおんばんぶー)!まさか、またお会いするとは!

しかしながら、さすがは有名人。ここに歩いてくる間にも「前、〇〇山でお会いしましたよね?」などと声をかけられながら登ってきたそう。小屋には「Twitterフォローしてます」なんていう人もいて。山界で顔がかなり通っている。

甲武信小屋と同じく、蛭ヶ岳山荘も毎年恒例で登りにくるとのこと。馴染みの山小屋があるって素敵ですね。

今日の宿泊者は8人でした。

寝床には仕切り版が置かれ、1人分のスペースが充分に確保されています。枕カバーは使い捨てのものが用意されていました。一応インナーシーツを持参しましたが、特に「持ってきてください」というスタンスではありません。

自炊室は独立した部屋で、ストーブが置かれているのがありがたい。

飲み物も豊富。ドリップコーヒーなども注文できます。

「岳」とか「山を渡る」の漫画もありました。「岳」は山小屋に泊まるたび、ちまちまと読み進めた漫画。夏に訪れた朝日岳の麓にある朝日鉱泉に「山を渡る」があり、ここで続きを読みました。山の漫画はそんな風に楽しんでいます。

夕日の時間まで珈琲を飲みつつ、談笑しつつ。しかし、雲は晴れず僅かにオレンジ色に染めただけでした。期待していただけにちょっと残念。

夕食は17:30からで、食べたかった蛭カレー。ルーが濃厚で美味しい◎ごはんと副菜はおかわり自由、豆類が美味しくておかわり。丸いパインもかわいくて懐かしい味。

蛭ヶ岳山荘からは夜景が綺麗に見えます。都庁やスカイツリー、江ノ島、三浦半島など、小屋のご主人が丁寧に解説してくれます。

驚いたのは、東名高速道路の上に伸びるぼや〜っとした白い帯・・・排気ガスとのこと。一年中ずっと取れないのだと。コロナが始まった2020年、緊急事態宣言が初めて出た4月〜5月だけ唯一、あの白い帯がなくなったそうです。

目に見えると恐ろしいですね。何だあれ?となるほどはっきり見えます。

夕食後も各々談笑したり、雑誌を読んだりしながら20時頃までワイワイ過ごし、とても楽しい夜でした。宿泊者も少なく、小屋番さんも一緒にお酒を飲んでとてもアットホームで温かい小屋。夕日、夜景、朝日すべて楽しめるし、個人的には蛭ヶ岳日帰りは忙しなくてもったいない感じがするので、ぜひ、蛭ヶ岳山荘に泊まってお楽しみください。


蛭ヶ岳山荘

蛭ヶ岳山荘

明日は、丹沢主稜に続く"丹沢主脈"縦走。丹沢山、塔ノ岳を経てヤビツ峠、そして蓑毛へ下山。さらに秦野駅まで歩きます。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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