歩き人たかちです。
山歩きをはじめた頃は、なんやかんやといろいろなウェアを過剰に着たり、無駄に持って行ったり。
今でこそ自分に合うものを厳選して使用していますが、寒暖差の大きい秋は特に難しいレイヤリング。テント泊だとなおさら…
私の場合、日中の気温や体感温度(風などの影響)が8〜10℃を下回るまでは半袖とアームカバーを使用。下回ったら、そろそろ長袖のアイテムを使おうかなという感じ。足し引きが可能な薄手を好んで使用しています。
そんな、秋冬に使用しているウェアをご紹介します。
レイヤリングは足し引で
私自身、おそらくそこまで寒がりではないので、ギリギリまで半袖とアームカバーで歩いています。
体温調節をほとんどせずに動ける人もいると思いますが、私はどの季節でも体温調節を結構するタイプ。どんなウェアでも「中厚手」「厚手」が苦手です。
脱げないものを中厚手・厚手にすると体温調節ができない。行動時のアウターに関しても「着ると暑い。でも脱ぐと寒い」とならないようなものを選んでいます。
"秋冬しか使えないもの"はできる限り避けて、夏に使用していたものもフル活用。タイツや薄手のアンダーなどを足し引きしながら。
リッジマウンテンギア「Merino Half Zip Stand Collar」
画像出典:RIDGE MOUNTAIN GEAR
カラー:chocolate
3シーズン中、長袖を着て行動することはほとんどありません。そのため、アウターとして使うウェア以外では長袖シャツを2枚持っているくらいでした。
メリノウールの長袖がずっと欲しかったのですが、自分が求めるサイズ・薄さ・形状のものがなく…
そんな中、今年の春ついに購入したものがリッジマウンテンギアの「Merino Half Zip Stand Collar」。
[ お気に入りポイント ]
◾︎ 襟による日焼け防止 + 防寒
◾︎ 生地の薄さ・ゆとり感がいい◎
◾︎ 見た目はパリッ!生地感テロッ!
◾︎ 低身長でも着られるサイズ感
◾︎ NZ産ウール100%
Women’s Sサイズで、実測190g。
襟あり、ジッパーありのものは他メーカーにもありますが、一番いいと思ったのは"薄さとゆとり感"がちょうどいいこと。icebreakerには夏にも使いやすいもっと薄手のものもありますが、こちらも幅広い季節で使いやすいと思います(個人的に夏はちょっと無理)。
ぴったりすぎず、ダボダボすぎず、ゆとり感がとてもいい。
ジッパーで多少の体温調節が可能なのはメリット。寒ければ上げて防寒になるし、襟は日焼け対策としても有効。とても使いやすいデザインです。
モンベルのウールウェアを使用したこともありますが割とぴったりしたサイズ感であったのと、若干生地が厚いのか真冬の日帰り山行や雪山でも暑さを感じてダメでした。丸襟、ハイネック、ジッパーモデルと種類は豊富ですが…
*現在は薄手モデルやTシャツもあります
ウール素材の割に生地感はテロッとしていて、見た目はパリッと。非常に繊細な糸を使用しており、ウール特有の毛羽立つような風合いがないことが特徴。日常生活でも馴染むシンプルなデザインとカラーバリエーションも◎
画像出典:RIDGE MOUNTAIN GEAR
女性用もあり、低身長の私(147cm)でも着られる"肩巾"のサイズ感が嬉しい。icebreakerだと一番小さいものでも肩幅が40〜42cmあり、それだとちょっと大きい。着丈がよくてもダボっとしてしまうので、数cmの差がとても大事。
最近では、日中の気温が登山口で7〜9℃、山頂が5℃前後の草津白根山・横手山エリアで使用。暑すぎず、寒すぎず、ちょうどよく歩けました◎今時期はとても使いやすいですね。
真夏は使用していませんが、まだちょっと暑い時期はテント泊での寝間着として。高山では夏の寝間着としてもいいと思います。10月中旬、1000m級の山脈を歩く"信越トレイル"では気持ちよく寝ていました。そのまま下山後の着替えとして。
そして、何よりニュージーランド産のウール100%。ニュージーランドでは残酷な"ミュールジング"が禁止されています。
ミュールジングとは、臀部や陰部のシワに糞がたまりウジ虫がわくのを防ぐため、無麻酔で皮膚や肉の一部を切り取る行為のこと。羊毛の産出量世界一であるオーストラリアでは、全面禁止はされていません。
ニュージーランド産のウールを選ぶことはサスティナブルな選択肢のひとつ。多くのアパレルメーカーでも"ノンミュールジングの使用"を公表しています。産地や生産過程の見えるブランドを選んでいきたいです。
RIDGE MOUNTAIN GEAR
モンベル「U.L. サーマラップパーカ」
夏の防寒から秋冬の行動着としてオールシーズン使用している、モンベルの「U.L. サーマラップパーカ」。
↓詳しくは記事をご覧ください↓
以前は防寒で主にダウンを使用していましたが、夏を中心に化繊の中綿ジャケットの割合が多くなりました。理由は行動時も着たいから。
使いすぎてヘタヘタですが、ヘタリ具合がまた暑すぎずちょうど良くて継続中。しかし、ずーっと欲しいと思っているのは、アークテリクス の「アトムフーディ(旧:アトムLTフーディ)」。本社のスタッフ全員が1着以上は持っているというもの。
思いを寄せているうちにカラーチェンジ、モデルチェンジ、そして名称まで変更。モンベルが寿命を迎えてから…SDGs。
アークテリクス 公式サイト
モンベル「スペリオダウンラウンドネックジャケット」
アウトドアから日常まで使用頻度の高い「スペリオダウンラウンドネックジャケット」。Women’s Sサイズ、実測138g。
丸襟のインナーダウンで、重ね着をしても首元がごちゃごちゃしないのがとてもいい◎
山では、「もしかしたら羽織るかも」という低山の春先や秋になりかけの季節に持ち歩くことが多いです。また、化繊ジャケットをメインに持つようになってからは下に足す防寒としての使用も増えました。
行動着と足し引きを考えて、中厚手のダウンジャケット1枚から薄手の化繊ジャケット+インナーダウンへ。
以前、秋冬メインの防寒は、モンベルの「ライトアルパインダウンパーカ」。晩秋のテント泊や雪山にはこちらを使用しますが、使用頻度は減りました。
ただ、モンベルでは産地の記載がないのが気になるところ…ダウンに関してもウールと同じく、産地などの公表がなければ悪質な飼育や採取のダウンを使用している可能性があります。
例えばパタゴニアでは、飼育や採取の方法について追跡可能である"トレーサブル・ダウン"を100%使用。また、ダウンで有名なNANGAでは産地をすべて公表しています。
画像出典:ispo.com
どのようにブランドを選ぼうか?というとき、「RDS認証」を受けたものかどうかも選択肢の一つ。この認証は、悪質な飼育や採取方法ではないダウンを使用していることを保証する国際認証基準です。
アウトドアブランドではパタゴニアやノースフェイス、マムート、マウンテンハードウェア、NANGAなどなど。アパレル業界でも、ユニクロやH&Mなどのリーズナブルなダウンでもしっかり認証を受けています。
紹介しておいて…にはなりますが、現在使用しているダウン類が寿命になったら(いつになることやら…)次はRDS認証を受けている製品にしようと思います。
モンベル ダウンジャケット
モンベル「スペリオダウンパンツ」
寒い時期のテント・山小屋・避難小屋でのおとも。Women’sのXSサイズで、実測重量174g。
下半身は上半身よりも寒さを感じにくいので、耐えられる寒さはレインパンツやウールタイツで防寒しています。なので、0℃で前後で登場することが多いです。
しかし、ダウンパンツの有無で幸福度はかなり変わるので、荷物にならなければ持っていきたいアイテム。夏でもテント泊なら絶対持って行くという人もいます。
一般的な登山で使用するモデルは、「スペリオダウンパンツ」と「ライトアルパインパンツ」の2種類。ライトアルパインはスペリオよりも厚く、より冬向き、雪山向き(寒がりの方はちょうどいいのかな?)。
購入時はスペリオしかなかったので一択でしたが、ライトアルパインを履いてみるとゴワゴワ感があり、個人的にはここまで厚くなくていいやと。スペリオで寒ければタイツを足します。
ウエストにはゴムが入っており、紐で締められる仕様。ジッパーがあり脱ぎ着がしやすいものもありますが、その分重くなるので私としてはこれで十分です。
ポケットはジッパー付きで、物を入れても安心仕様。手を突っ込むことがほとんどですが。
裾にはゴムが入っていて、ギューッと絞れます。
重量・サイズともによく、他のメーカーに比べるとコスパがいいので気に入っていますが、気になるのはやはりダウンのことですね(上記RDS認証)。
モンベル ダウンパンツ
モンベルのアンダーウェア(秋冬)
ちょい足しの防寒として足し引きしやすいアンダーウェア。薄手〜厚手まで、すべてモンベルを使用しています。
[ 秋冬に使用しているアンダーウェア ]
◾︎ スーパーメリノウールラウンドネックシャツ(薄手・中厚手・厚手)
◾︎ ジオラインラウンドネックシャツ(薄手)
◾︎ スーパーメリノウールハイネックシャツ(薄手 *現、タートルネックシャツ)
[ 下半身 ]
◾︎ スーパーメリノウールタイツ(薄手・中厚手・厚手)
◾︎ ジオラインタイツ(中厚手)
[ モンベルのポイント ]
◾︎ 必要十分の温かさ
◾︎ コスパがいい
◾︎ 日常使いにも◎
◾︎ メリノウールEXP.(厚手)は本当に温かい
3シーズンに使用しているパンツでは寒いなあ…という季節になったら、タイツをプラス。中厚手や厚手のパンツは時期が限られるのと、厚めのパンツを1枚履くよりもぴったりしているタイツをプラスした方が温かいので。
日帰り登山であれば薄手か中厚手、雪山なら中厚手か厚手など、季節や天候、山域で使い分けています。ダウンパンツはまだ要らないな〜という、春秋のテント泊の就寝時にも◎
薄手でも、1枚履くだけで体感温度はだいぶ変わります。
上半身に関しても、アンダーウェアの着用は1枚だけとは決まっていないので、中厚手を1枚着る代わりに薄手を2枚でも◎。2枚にすることで気温に合わせて脱ぎ着ができます。
モンベルの強みは種類が豊富で、その時々で自由に組み合わせられること。「icebreaker」などウール素材の専門メーカーに比べると劣ってしまうと思いますが、必要十分の温かさで行動中もガンガン使いたいという自分の欲求とは相性がいい。
現在はウール100%がなくなってしまったので、100%にこだわる場合は他メーカーがいいと思います。
そして、「スーパーメリノウール EXP.ラウンドネックシャツ(厚手)」はとても温かく、真冬の防寒として日常使いにもおすすめです。むしろ、行動着としては暑すぎるので、雪山でタイツを使うくらい。
「スーパーメリノウールハイネックシャツ(薄手 *現、タートルネックシャツ)」は冬の低山を軽く歩いたり、日常使用で。
メリノウールはメーカーによって触り心地や柔らかさ、伸び具合(ストレッチ性)が違うので、一度実物を見て検討することをおすすめします。「チクチクしない」と記載があっても、人によって感じることもあるので。
モンベルはウールに関しても産地の記載がないので、ダウン同様気になるところ。生産数が多いだけに、産地や生産過程が見えないなら今後の選択肢としては悩ましい…
モンベル アンダーウェア
モンベルの腹巻き
体幹を温めることは一番の防寒。その役目を果たしてくれるのが「腹巻き」です。素肌に直接だと下がってくるので、アンダーウェアの上から。
防寒には厚手のウール、行動中には薄手の化繊を使用しています。
↓詳しくは記事をご覧ください↓
ちょい足し防寒として秋冬の使用頻度はとても多いです。登山口まで、テント泊で、山小屋で、寒い朝の行動時・・・脱ぎ着が自由なので、腹巻きは本当に便利です。
モンベル「トレールアクションパーカ」
雪山と冬の日帰り登山で愛用している、モンベルの「トレールアクションパーカ」。
化繊ジャケットを使うようになってからフリースを使わなくなりましたが、これは使い続けている逸品。
↓詳しくは記事をご覧ください↓
ただ、フリースを使用する上で気になるのは、洗濯時の"マイクロプラスチック"問題。以前から問題視されていますが、1回の洗濯で抜け出る繊維は平均数万本〜数百万本とのこと。生分解されない繊維を魚が食べて、その魚を自分が食べている。自分の身体の中には少なからずマイクロプラスチックが入っているはず。
最近では、「人は一週間でクレジットカード1枚分のマイクロプラスチックを食べている」ともいわれているそうです。
使い勝手に加え、フリースはそんなこともあるのでとりあえず毛のない化繊ジャケットに。しかし、量が減るというだけで繊維は出ます。
アウトドアをする上で、すべてを天然繊維にするのはとても難しい。そこで、そのような繊維の流失をできる限り減らすべく、マイクロプラスチックを海に流さない洗濯ネットを使用。
洗濯後はネットの中に抜け出た繊維が溜まるので、ゴミ箱にポイ。上の写真は、長年使用して毛足が短くなっているフリースから抜け出た繊維。新しいものや毛足の長いタイプだともっと出ると思います。
まずは、エコな暮らしをテーマにしている市販のものを使用してみました。パタゴニアでは、ドイツの非営利団体が開発した「グッピーフレンド・ウォッシング・バッグ」が販売されています。これは、売上の一部が海の環境保護への寄付になるので、次回はこちらを購入してみようと思います。
グッピーフレンド・ウォッシング・バッグ
マイクロプラスチックに関すること
これからは、製造過程から廃棄やリサイクルの段階まで環境に配慮したブランドを選ぶ必要があるとしみじみ感じます。自分に合うサイズが少ないことが悩みではありますが・・・
大手の環境配慮型ブランドとしてはパタゴニアやフーディニが有名ですが、日本発の「STATIC」はとても気になるブランド。素材から製造、リサイクルまで徹底したこだわりを待っています。
STATIC HP
まとめ
私の秋冬レイヤリングの特徴は「薄手を重ねて温かく」すること。
1枚ですべてをカバーするものはないので、山を歩くたびに、使っていくうちに、どんどん薄手嗜好になりました。腹巻きで足りるならそれだけで、薄手のアンダーを2枚着る方が体温調節しやすいならそれで…
冬だけなのか、3シーズンなのか、オールシーズンなのか。幅広い季節で活躍させるには、それだけ「足し引き」のレイヤリングが重要になると思います。自分の快適温度を知り、組み合わせを考えながらブラッシュアップしていくのもまた、アウトドアの醍醐味。
また、「環境配慮型ブランドから選ぶ」ということは今後大事な課題だと思います。買い物は、産地と生産過程を知ることから。品質だけでは見極められないことも多いので、今後のアイテム選びの基準を変えていこうと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
よろしければ、応援よろしくお願い致します。
コメント