歩き人たかちです(@takachi_aiina)
山をはじめるとき適当に購入したヘッドランプがついに破損し、ペツル「ビンディ」を迎えて2年以上経ちました。
メインライトとしてはちょっと・・・という声もある中、私はメインライトとして購入、使用。
9年以上使用した「Energizer」。電池を入れる部分のカバーが破損。
35gの軽量コンパクトなペツル「ビンディ」。メインライトとして適切か?など、「ビンディ」の魅力とももにご紹介します。
今買うならナイトコア「NU20 クラシック」か「NU25 MCT UL」がいい
2024年に発売された、ナイトコア「NU20 Classic」。38gの軽さで、最大360ルーメン。"ULのヘッドランプの決定版"とも言われています。
ペツル「ビンディ」の紹介記事ですが、1年購入が遅かったら「ナイトコア」を選んでいた、と思ったので最初に触れておきます。
「NITECORE(ナイトコア)」は中国のライト系のブランド。中国メーカーと聞くと構えてしまう感じはありますが、プロ仕様の製品開発をしており、海外のULハイカーにも人気のブランド。
日本のオンラインショップで購入できるようになったのは2〜3年ほど前のようで、「ビンディ」を購入したときは認知していませんでした。
\ ペツル「ビンディ」より魅力的なポイント /
◾︎ 200ルーメンで5時間点灯(最大360ルーメンで2時間)
◾︎ 防塵防滴(IP66)
「ビンディ」の一番のデメリットは、充電タイプが「マイクロUSB」であること。「USB-C」で揃えたかったので、このメリットは大きい。
「ペツル」というメーカーへの信頼感は大きし、「ビンディ」だけのメリットもあります。しかし、今選ぶならナイトコア「NU20 Classic」かな・・・
最大400ルーメン、防塵防滴「IP66」、47g、という「NU25 MCT UL」は2025年モデル。
400ルーメンで2時間40分、200ルーメンで5時間使えるので、こちらも十分なスペック。暖光色を備えたモデルです。
ヘッドランプの買い替えで最低限重視したこと
◾︎ 最低200ルーメン
◾︎ 赤色灯がある
◾︎ 重量50g前後
予備の電池を持ち歩くのが煩わしい & 重いので、"充電式"一択で考えました。
ミラーレス一眼カメラが「USB-C」で、次iPhoneを買い替えるときはCタイプになるので、できれば「USB-C」で揃えたかったです(「ナイトコア」の存在を知っていれば!)。
私は積極的なナイトハイクやトレランはしないので、200ルーメンあれば十分。早くても夜明けの1〜1時間半くらい前に行動開始程度なので、早い段階で100ルーメンくらいの明るさで十分になります。
なので、自分の山行スタイルで300〜400ルーメンを超えるようなスペックは不要。
個人的に"赤色灯"は必須。白色は目に当たると危険なので、山小屋や避難小屋では赤色灯を使用します。
以前、仕切りなどはない雑魚寝の山小屋泊で、隣の人が1時頃からパッキング開始。食堂や玄関に移動することなく寝床でそのままパッキングをしていたので、顔に白色灯が当たりまくり。正直、めちゃくちゃ迷惑でした。
日本の登山者は基本的に朝早いですが、海外ハイカーはゆっくり。6時起床でも一番であることが多いので、海外のロングトレイルでも赤色灯は大活躍。
赤色灯は虫が寄ってこないので、暗い時間帯に外で食事をするときも便利です。
重量は50g前後で物色。予備電池が不要なら、小物ながらそれなりに軽量化できるチャンスだったので。
ペツル「ビンディ」の概要
\ ペツル「ビンディ」のスペック /
◾︎ 重量:35g(実測34g)
◾︎ ビームパターン:ワイド
◾︎ 電源:680mAh リチャージャブルバッテリー
◾︎ 充電タイプ:マイクロUSB
◾︎ 防水性能:IPX4(生活防水)
出典:PETZL(スクリーンショット)
白色灯は弱・中・強の3モード、赤色灯は点灯・点滅の2モード。
光速は200ルーメン。走らないので、ナイトハイクでも200ルーメンあれば十分。登山的には最低限の明るさを満たしています。
ビームパターンは"ワイド"。一点に光を集めて遠くを照らすよりも、周囲全体を照射するタイプ。
「ビンディ」は頭に装着する以外に、首に下げたり、何かに巻きつけやすいよう、バンドではなく"コード(ゴム)"を採用しています。これにより、必要最低限のスペックを備えつつ35gという軽さを実現。
充電式タイプは「マイクロUSB」。短いケーブル(7g)が付属しています。
\ 電池の残量は色で確認 /
出典:PETZL

残量0〜33%の状態
電源オフにしたとき、残量表示のランプが点灯します。充電時間は約4時間で、内臓バッテリーの交換は不可。
防水性能は「IPX4」。「あらゆる方向からの水の飛まつによっても有害な影響を受けない」という、アウトドアで最低限クリアしたいレベル。
ちょっとした雨なら大丈夫ですが、沢登りや強雨で使用するなら正直「IPX6」はほしい。
\ 誤作動を防ぐ2通りのロックシステム /
出典:PETZL
② 回転させてロックポジションにする
「ザックの中でヘッドランプが点灯していた」というのは、ヘッドランプあるある。「ビンディ」には、誤作動防止の2通りのロックシステムがあります。
フレームを軸にクルクルと360度回転しますが、ロックポジションのところではカチッと止まる。電源スイッチをフレーム下に配置することで、スイッチが押されるのを物理的に防ぎます。
「長押し」とあわせてロックポジションにしておくことで、大切な電力を無駄に消費しません。
ペツル「ビンディ」使用レビュー!実際に使ってみてメインライトに適切か?
"メインライト"として適切かどうかは、山行スタイルによります。
\ メインライトとして使える人 /
◾︎ 積極的なナイトハイクをしない(マックスの明るさが2時間以内で済む)
◾︎ トレランなどのラン系はやらない
私は長期縦走もロングトレイルもやりますが、"積極的なナイトハイク"と"トレラン"はやらないので、今のところメインライトとして十分使えています。
長時間のナイトハイク(オーバーナイトハイクなど)やトレランをやる場合は200ルーメンでの点灯時間が短い(2時間)ので、メインライトとして使うには不十分です。
\「ビンディ」のお気に入りポイント /
◾︎ 360度の回転が便利!
◾︎ 好きな角度で自立する(ランタン扱いも可能)
◾︎ コードにより使い方が広がる
夜間歩行も問題ない必要十分な明るさ
これまで使っていたヘッドランプも180〜200ルーメンだったので、まだ星が瞬く時間の歩行でも十分だと感じています。
200ルーメンの照射距離は36m。少し先の分岐や道標を確認しながら歩く分には、特に問題ありません。
360度の回転が便利!
「ビンディ」の決め手のひとつに"360度回転"があります。微調整ができて、調理や読書にも重宝します。
カチカチッと角度を何段階か調整できるモデルは多いですが、フレームを軸にクルクル回せるものは珍しい。
緩すぎず、固すぎず、合わせた位置から勝手に動くことはありません。
私は、ヘッドランプを頭に装着するのがあまり好きではなく、"首にかけたい"タイプ。行動中も、首にかけた方が見やすい場合もあります(足元に集中したいときは特に)。
首から下げて下に向けておけば手元が見やすく、人の顔に直接当たらないので迷惑にもなりません。
フレームにより好きな角度で自立する
フレームが台座のようになるので、フレーム + 360度回転によりランタンのように使うことも可能。
ビームタイプが"ワイド"であることもあり、テント内をいい感じに照らしてくれます。
コードにより使い方が広がる
バンドではなくコードなので、どこかに"巻きつける(取り付ける)"ときは便利です。
腕に装着する機会は特にありませんが、キャンプなどで太めのポールに巻いてランタンとして活用するのはあり。
ザックのショルダーハーネスに装着
調節用のパーツはランプの近くまで締められるので、幅広く装着できます。コードは細いので、バンドに比べて気にならない点もよい。
日が昇り、ヘッドランプが必要なくなったときサコッシュに入れると落としやすいので、休憩までショルダーハーネスなどに固定しておくと安心。35gなので、首にかけたままでも気になりません。
【デメリット】ペツル「ビンディ」の気になる点
◾︎ ケーブルの差し込み口にカバーがない(剥き出し)
◾︎ 長めのナイトハイクには向かない
◾︎ 滑り止めはついていない
充電タイプが「マイクロUSB」
多くのものが「USB-C」に統一されている中、「マイクロUSB」であることはデメリット。
付属のケーブルは短く7gですが、ヘッドランプのためだけに持ち歩くのは面倒。紛失したら充電できないリスクもあります。
私のiPhoneはライトニングなので、ケーブルを1本にまとめるならこのタイプが軽量か。
「3in1」とか「6in1」とか、1本のケーブルにまとまっているタイプもありますが、ケーブルが長いものが多い(1m以上)ことがデメリット。
旅やロングトレイルで、飛行機や空港、公共施設のUSBポートから充電するときは「USB-A」がまだ多いので、変換アダプタのセットを持っておくと便利だと思います。
ケーブルの差し込み口にカバーがない
ケーブルの差し込み口にカバーはなく剥き出し
電源スイッチの反対側にあるので使用中は下向きになり、多少の雨なら水が侵入する可能性は低いと思います。ただ、装着するとき間違えないように注意が必要です(雨の日は)。
雨などで濡れた場合は、USBポートを完全に乾燥させてから充電を!
塵埃の混入も少し気になりますが、2年以上使用した現在、特に不具合はありません(雨天でも使用)。
防水性のあるテープなどで覆っておくと多少安心かもしれませんが、粘着が強いとベタベタになるか?マスキングテープくらいで軽く蓋をするのがいいかもしれません。
長めのナイトハイクには向かない
「ビンディ」は、200ルーメンでの最大点灯時間は2時間。真夜中から歩く「オーバーナイトハイク」には不十分です。
御来光を求めて日の出の2時間以上前から歩く、全山縦走などで夜間行動が多い、という場合はメインライトとして使えません。
ただ、充電しながら点灯することは可能なので、ショルダーハーネスにポケットがあれば(あるいはポーチを取り付ける)、モバイルバッテリーに繋ぎながら使用することも可能。ケーブルが邪魔だし、長さによっては厳しいと思いますが・・・
充電が切れる前、最後は3ルーメンで1時間半持つので(リザーブモード)、突然ライトが消えることはありません。
滑り止めはついていない
頭に装着したとき、おでこに当たる部分に滑り止めはないので、キャップなどを被らない場合は滑りやすさを感じる可能性があります。
私は基本的にキャップを被るし、ツバがストッパーになるので気にしていませんが、人によってはデメリットになると思います。
充電式(リチャージブルバッテリー)ヘッドランプの注意点
予備の電池を持ち歩かなくていい充電式は便利ですが、注意点もいくつかあります(*「ビンディ」の場合の注意点を記載)
◾︎ 湿気の少ない場所で保管する
◾︎ 長期間使用しない場合は6ヶ月毎に充電し、完全放電しないようにする(適切な温度で保管しても12ヶ月使用しないと放電する)
◾︎ 湿気の多い環境での使用後や海水に接触した場合は、水でよくすすいで乾燥させる
電池式は使用後に電池を取り外して"液漏れ"などを防げますが、充電式はバッテリーが内臓されているため保管には要注意。
車内など、高温になる環境に放置(保管)するとバッテリーが劣化するだけでなく、発火や爆発の恐れがあります。
また、放電状態が続くとバッテリーが劣化し、充電できない状態になる可能性があるため定期的な充電・使用が必要。使用後は充電してから保管するのがベストです。
まとめ
35gの軽量コンパクトなヘッドランプ、ペツル「ビンディ」をご紹介しました。
「ナイトコア」を知っていれば、また、購入がもう少し遅ければ「NU20 Classic」あるいは「NU25」を選んでいたかな、という思いはありますが、ペツルというブランドへの信頼感は大きい。
360度回転は個人的にとても魅力的だったので、充電タイプが「マイクロUSB」ということ以外は満足しています。
200ルーメンでの照射時間が短いため、メインライトとして使う場合は山行スタイルを考えなければなりませんが、日帰り登山では十分なスペック。予備ライトとしてもおすすめです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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