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薄い・温かい・蒸れにくい◎モンベルのアクティブインサレーション「UL サーマラップパーカ」

山 の 道 具
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歩き人たかちです。

薄い、軽い、嵩張らない、温かい、蒸れにくい・・・そんないいものないかなというときに発売された、中綿の化繊ジャケット「UL サーマラップパーカ」

"アクティブインサレーション"とも呼ばれ、アウトドアメーカー各社様々なモデルを出しています。

春夏秋冬、オールシーズン使用している「UL サーマラップパーカ」のご紹介。

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「エクセロフト」とは?

エクセロフトとは、ダウンに劣らず温かく、濡れても保温力のある中綿素材。20年以上改良を重ねてつくられた、モンベル独自の素材です。

中綿はポリエステル100%。繊維一本一本にはシリコーンコーティングが施され、雨や汗などの濡れが生じてもかさは減らず、保温力の低下も最小限に抑えます。

3種類の繊維を使用

エクセロフトの特徴は「太さの違う3種類のポリエステル繊維」が使用されていること。それらが絡み合い、1枚のシート状になっています。

画像出典:モンベル

中綿をヘタリにくくするためには太い繊維を使用します。しかし、太い繊維だけで構成された中綿は硬く、隙間が多い。しなやかさに欠け、空気もうまく溜め込めないというデメリットが発生します。

そこで、極太・中太・極細の3種類をブレンドし、それぞれのメリットを活かしつつ、デメリットを補いました。

極 太 繊 維
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バネのような弾力がメイン。ダウンのような"回復力"の役割担います。小さく畳まれたり、丸められたウェアをブワッと広げてくれるのがこの極太繊維。また、極太であることにより、オールシーズン使用してもヘタリにくいというメリットも。

中 太 繊 維
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適度な弾力性と柔らかさを備え、中綿全体を支える役割。極太と極細のあいだで、ロフトの保持と空気の溜め込み、両方の役割りを担い繊維を支えます。

極 細 繊 維
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温かい空気を保持する役割。髪の毛の数百分の一という細さで、極太と中太の隙間に入り込み、熱の動きを遮断。温かい空気をしっかり溜め込んでくれます。

ストレッチエクセロフト

エクセロフトに改良を重ねて登場したのが、「ストレッチエクセロフト」。ご紹介する「UL サーマラップパーカ」には、ストレッチエクセロフトが使用されています。

画像出典:モンベル

エクセロフトの3種類の繊維の中に、さらに、捲かれ縮められたバネのような形をした繊維を投入。3デニールの繊維をコイル状に加工して繊維に混ぜることで、伸びる中綿に変身隙間をさらに埋めてくれるので、保温性も向上します。


ウェア全体をストレッチさせるためには、表生地だけではなく中綿もストレッチされる必要があります。そして、このストレッチエクセロフトにより登場したのが「UL サーマラップ」シリーズ。

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「ULサーマラップ」のスペック

重量・サイズ・素材

 

重量

(実測)

Women’s Sサイズ192g
(スタッフバッグ込199g)
収納サイズ ∅12×19cm
素材 表地:ナイロン100%
肩袖:ナイロン89%
     ポリウレタン11%
中綿:ポリエステル100%
撥水加工 あり(ポルカテックス加工)
※防水ではありません

HPではWomen’sの平均重量が217gですが、Sサイズは200g以下。薄手のフード付きダウンである「スぺリオダウンパーカ」の平均重量が207gなので、良い勝負ですね。

収納サイズは、ペットボトルよりは大きい。スタッフバッグいっぱいに広がった状態なので、押しつぶせばもうちょっとスマートになります。

スタッフバッグは少し余裕のある大きさなので、入れ心地はスムーズ。長年の使用により若干ヘタって以前より入れやすくなった感じはありますが・・・

他のウェアや寝袋でも共通ですが、スタッフバッグの幅に合わせて畳み、細めにクルクル巻くとスルッと収まります。畳まずにぐちゃぐちゃに押し込んでも問題なし。

*レインウェアなど止水ジッパーが使用されているものは、毎回同じたたみ方だと同じ箇所に過度な負担がかかって破損する可能性が高まります。たたみ方をなんとなく変えるのが長持ちのコツ。

全ての生地がストレッチ素材ではなく、腕、肩、脇部分がストレッチ。カラー的に写真ではわかりづらいですが、ストレッチ部分の素材の色が異なります(カラーによっては全て同色)。

腕・肩・脇には15デニールのストレッチシェル素材が使用されています。擦れやすい箇所でもあるので、他の部位に比べて少々厚め。ストレッチ素材以外は12デニール。素材は少しシャリっとした感じ。

フードの形状

 

フードにはちょっとした庇がついています。顔周りの肌に触れる部分には柔らかめの素材。

フードにドローコードはありません。顔まわりをギュッと締めることはできませんが、ベルクロで上下のフィット感を調節し、隙間をできる限り無くすことは可能。

個人差はありますが、私の場合、何もせず被るとブカッとした感じ。ヘルメットを中に被るとピッチリしてちょっと窮屈という感じ。ベルクロを調節すると隙間が少なくなり、ピッタリ目の被り心地でちょうどよくなります。

調節していない状態。

ベルクロで調節した状態。庇がくいっと持ち上がる。

ジッパーは当たっても痛くないように保護されています。

裾のドローコード

 

裾にはドローコードがついているので、ギュッと絞められます。

ポケット中に引っ張る部分が飛び出ていて・・・

これを引っ張ることで裾が締まる仕様。緩めるときはジッパー裏にある内側のパーツで。ポケットに手を入れながらワンアクションで締められる仕組みになっています。

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お気に入りポイント

購入に至ったお気に入りポイントについて。

代謝がいい人にも嬉しい薄さ

代謝がいい人の悩みは"着た方がいいかな?という寒さで着ても、すぐに暑くなって脱いでしまうこと"。私がそうです。夏の暑さには強いので"暑がり"とはまた違うようで。

代謝が良いと、すべてのウェアを基本的に薄手にしないと無駄に汗をかいてしまいます。そのため、この薄さが雪山などの寒いシチュエーションでも使いやすいのです

「ULサーララップ」が登場する以前からサーマラップシリーズはありましたが、それは厚めで個人的に「ここまで厚なくていいんだよなあ・・・」という感じ。

触ると結構薄いので「本当に温かいの?」と疑問に思いますが、意外に温かいです。

例えば、天候が比較的安定している厳冬期の谷川岳など、初めからハードシェルを着ることはほとんどありません。ULサーマラップか愛用のトレールアクションでスタートします。

天狗の溜まり場を過ぎ、本格的にビュービューしてきたらハードシェルという具合です。


トレールアクションについてはこちら

ストレスフリーの動きやすさ◎秋冬登山ウェアにモンベル「トレールアクション」シリーズ
歩き人たかちです。 山をはじめた当初は当たり前のようにフリースを持ち歩いていましたが、"嵩張る"問題で次第に使用頻度が減少。今では化繊ジャケットに移行しています。 しか...

ロングトレイルの場合、晩秋のテント泊、朝晩の気温が5℃くらいならULサーマラップで過ごしています。寒ければレインかインナーダウンを。歩くときは、7〜8℃以下なら羽織ってスタート、日が出て10℃近くなれば脱いでしまいます。

また、この薄さは"中間着"としても大活躍。ハードシェルと合わせても気になりません。ピッタリ目のサイズ感なので、中厚・厚手のフリースなどと合わせると着心地がちょっと悪くなります。

汗抜けが良くて蒸れにくい

代謝がいい人がさらに気になるポイントは"蒸れ"。レインウェアもなるべく着たくない。

ULサーマラップシリーズは、適度な防風性を備え、かつ、蒸れもしっかり逃がしてくれます。半袖の上に着て地肌に触れていたとしても、ベタつく感じは特にありません。

暑くなったらすぐに温度調節をしますが、雪山だと「今はちょっと難しい」という場面もあったり。火照りを感じはじめても、多少放っておいても大丈夫という蒸れ感でおさまることが多いのがポイント。

防風性も適度にあるので、フリースとどちらが蒸れにくいかとなれば、フリースの方が蒸れにくいです。しかし、防風性、透湿性、軽さ、嵩張りを総合的に考えると、ULサーマラップの方が使いやすい。フリースは嵩張りが悩ましく、トレールアクション以外は手放しました。

抜群のストレッチ

ストレッチ性に関しては、申し分ない伸びを発揮してくれます。腕を回しても、前後に動かしても突っ張る感じはなく、とても動きやすい。

スキーやアイスクライミングなど、激しいスノースポーツにも十分使える伸び感。厚手のフリースを着込んでモコモコするようなら、こちらの方がいいのではないかと。実際に、スキーなどで使用している人も多いです。

洗濯機で洗える

化繊のジャケットはダウンと違い、"洗濯機で洗える"のがメリット。他のポリエステル素材同様、脱水が終わったあと半分くらいは乾いています。

長期のロングトレイルなどでジャケットを洗濯できるのは嬉しいポイント。この薄さ、軽さなら嵩張りも致命的にはなりません。

洗濯するとき、ジッパーは全て閉めることを忘れずに。ジッパー付きのウェアは共通ですが、ジッパーを開けたまま洗濯すると、パーツ類により生地を傷めてしまいますまた、ジッパー破損の恐れも。ドローコードは緩め、ネットに入れて洗うと長持ちします。

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ここがイマイチ・・・

 

手首の部分にカフなどはなく、風が入り込まないように細めのつくり。そのため、アウトドア用の腕時計をしていると着脱がしづらいことがイマイチなポイント。着るときは押し込めば着られますが、スマートではありません。

 

時計に被せられないくらいのぴったり感。苦しい・・・

一部、中綿の入っていないストレッチ素材になっていますが、これだけでは伸びは不十分。そのため、脱ぎ着の際は時計をいちいち外します。

ちなみに、手袋も引っ掛かりやすい。冬用の手袋を1枚しているくらいなら平気ですが、雪山ではオーバー手袋をはめていることも多いので、その場合は一度手袋外さないと脱げないという面倒な感じ。

少し重量が増えてもいいからカフを付けるか、ゴムのついた仕様ならもっと使いやすいかなと思います。

あと、願望は"女性用にも胸ポケットをつけてほしい"ということ(男性用には付いています)。胸ポケットはザックのベルトにも干渉しないし、雪山ではカイロを入れて心臓を温めたり、バッテリーを冷やさないように入れたりできるので。取り出しやすいし、個人的にすごく好きなポケット。

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ダウンか化繊か

中綿の保温着を選ぶとき「ダウンがいいか、化繊がいいか」という問題があります。簡単に。

[ ダウンのメリット・デメリット ]

◾︎ 保温力が高い
◾︎ 小さくなる(嵩張らない)
◾︎ 軽い
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◾︎ 濡れや湿気に弱い
※濡れると戻るまで時間がかかる
◾︎ 羽毛抜け
◾︎ 破れると羽が飛び出して大惨事

[ 化繊のメリット・デメリット ]

◾︎ 濡れに強い
◾︎ メンテナンスが容易
◾︎ 破れても飛び出さない
ーーーーーーー
◾︎ 重い
◾︎ 嵩張る
※ダウンと同じ保温力で比較した場合

それぞれメリットデメリットはあるので使い分けるのが一番いいですが、大きく分けるなら"行動中に着るか着ないか"

ダウンは湿気に弱いので、行動着としては不向き。テント場や休憩時の保温着だけで考えるのであればダウンが向いています。しかし、行動中も着ることを前提としたと保温着であれば化繊が向いている。

ギアもウェアも、一つひとつの使用する幅を広げると持ち物自体少なくなります。そのため、ULサーララップを使いはじめてからは、ダウンの使用頻度がぐっと減りました。

テントを撤収してそのまま行動に移るなら断然化繊が楽。これは化繊のメリットでもありますね。

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まとめ

◾︎ 薄くて温かいもの
◾︎ 適度な防風性、透湿性、保温性がある
◾︎ 中間着にもアウターにも使える
◾︎ オールシーズン活躍
◾︎ ストレッチ性のある中綿ジャケット

こんな特徴のものをお探しであれば、一度検討する価値はあると思います。

購入から7年目。オールシーズン使用しているので、さすがにヘタリも出てきましたが、まだまだ使えます。むしろ、ヘタリによって行動時に脱ぎ着が少なくなった気がします(保温性が落ちているようなので、これがいいというわけではありませんが)。

各メーカー、さまざまなアクティブインサレーションがありますが、コスパをお考えであればおすすめです。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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