歩き人たかちです(@takachi_aiina)
軽量なトレランシューズはソールや踵、足首周りがダメになる前に＂サイド（アッパー）＂が破れがち。
安くはない靴の消費を減らすため、縫合に+αの補修を施してギリギリまで使用してみました。
修理したのは、ロングトレイルで約４５０km使用し、サイド（アッパー）が４箇所破れたアルトラ「ローンピーク８」。補修道具は「スポーツグー（SPORTS GOO）」。
１００km前後が限界だろうと思っていましたが、なかなかの粘りを見せて補修後３００km以上使用。４５０kmで捨てようとしていた靴が、約８００km持ちました。
補修のタイミングによっては、トレランシューズを長く使える優れた補修道具（使い方によっては１,０００km前後）。靴の消費を減らしたい人にはおすすめです！
靴を修理できる「スポーツグー」とは？
「スポーツグー」は、乾くと合成ゴムになる補修剤。接着力が強く、靴の破れやソールの擦り減りはもちろん、さまざまな素材に使えます。
「スポーツグー」と「シューグー」の違い！登山靴にはどちらを使う？
同じような商品に「シューグー/SHOE GOO」があります。説明を見ると若干の用途の違いはありますが、一番気にする違いは＂色＂。
「スポーツグー」は透明色で、「シューグー」は白・黒・自然色（茶・ベージュ系）の３色。
出典：SHOE GOO
「シューグー」に求める色がない場合は透明色の「スポーツグー」がおすすめですが、全体的に機能が高いのは「シューグー」。
「シューグー」は＂滑り止め効果＂があるため、かかとやソールの擦り減りの補修に適しています。
剥がれたソールやパーツの接着にはどちらも効果的。今回はソールの擦り減りの補修ではなく＂アッパーの破れ＂がメインなので、透明色の「スポーツグー」にしました。
ソール剥がれに対応した接着剤として準備するのであれば、「シューグー アロンアルファ」が携行しやすいと思います。
「スポーツグー」の使い方！トレランシューズのアッパー破れを補修
ニュージランドのロングトレイル「テ・アラロア」のラストに使用したアルトラ「ローンピーク８」。ワイルドなトレイルを歩き、泥にがっつり浸かりながら４５０km頑張りました。
左右の外側・内側で４箇所の破れ
左右とも、外側のサイドは約２００kmで破れました。破れは早かったものの、引き裂きに強い「リップストップメッシュアッパー」のおかげか、あまり大きな穴にはならず。一度フロスで縫いましたが耐えきれず。
内側も、左右とも同じような破れが発生。中のメッシュがギリギリ生き残っていますが、破れの範囲はサイドより大きい。
泥漬けの毎日だったため全体的に劣化は進んでいますが、ソールや踵、足首周りはまだ捨てるような状態ではないため補修します。
＼ スポーツグーの使用手順 ／
② 簡単に縫い合わせる
③ 薄塗りを３回ほど繰り返す
④ １２〜４８時間乾燥
補修前に、靴の汚れを落として完全に乾燥。汚れが酷くない場合は、濡らした布で拭く程度でもＯＫ。補修箇所の寿命を少しでものばすため、フロスで簡単に縫い合わせました。
補修剤を伸ばすためのヘラとヤスリが付属しています。塗るとき、内側から抑える用の布を準備。
補修剤は一度に厚く塗るのではなく＂薄塗りを繰り返す＂方が効果的。さらに、同じ範囲に何度も塗るのではなく＂範囲を少しずつ広げて塗り重ねる＂ことで強度が上がります。
１回目。補修剤を破れ箇所の上に出し、付属のヘラで薄く伸ばす。３０分〜４０分ほど放置して固まるのを待ちます。
２回目。１回目より範囲を広げて重ね塗り。再び３０〜４０分放置。
３回目。同じ箇所の写真を撮り忘れた・・・ので左足のサイド様子。
２回目よりもさらに範囲を広げて塗布。３回目は期待も込めて厚塗り。全体的に劣化しているので、別の箇所に破れが発生しないよう最後は広い範囲に塗りました。
ついでにつま先のあたりにも薄く塗って強化
薄塗りなら１２時間、厚塗りなら４８時間乾燥させます。今回は４８時間、直射日光が当たらない、風通しのいい場所に放置。
透明色とはいえ、広い範囲にベタ塗り状態なので見た目は少し不恰好。無駄に塗ってしまった部分などはハサミでカットしても大丈夫です。
ついでに、鼻緒が抜けてフロスとアロンアルファで補修していたモンベル 「ソックオンサンダル」にも塗布。
内側に塗ると硬化した部分が当たって痛いかな？と思い、外側だけ塗りました。
抜けなかった部分にも強化のために塗布。サンダルはリラックス用なので、補修して長く使えるならかなり経済的。
さらに、大きく裂けたテントのスタッフバッグも補修しておきました。
「スポーツグー」を塗るときの注意点
サイドの破れなどに対して補修剤を塗るときは、新聞紙などの詰めもので形を整えた状態で塗るといいと思います。
硬化するとゴムのようになりますが、シワがあるとその形で硬化します。特に屈曲部分はシワができていることが多いため、硬化後に当たりで痛みが発生する可能性も。
気にせず塗布して、最後は厚塗りしたため「大丈夫かこれ？」となりました。結果的に当たりで痛くなることはありませんでしたが、万が一のために形を整えるといいと思います。
また、塗った部分は＂防水＂になるため、広範囲に塗ると通気性や排水性が損なわれる可能性も。
補修後３００km以上歩いてみた
補修後、「みちのく潮風トレイル」を約２週間セクションハイクしました。自然エリアが多い八戸から南下。岩手県の陸中山田駅まで歩き、最後３日間くらいはつまみ食いハイクで約３５０km。
全体的に歩きやすいですが、ロード、砂浜、渡渉、登山道、岩場などのトレイル。
トレイル２日目。スタートから４０kmを超え、早速端の方に剥がれが生じました。この日は「階上岳」登山。
このままペリペリ取れちゃうかな〜、と心配しましたが、端の方だけ浮いている状態が続きます。
トレイル３日目。７０kmを超えて全体的に＂端の浮き＂が目立ってきましたが、破れの部分はしっかり守られています。重ね塗り効果か、まだまだ大丈夫そう。
トレイル８日目。１００kmは余裕でクリアし、２００kmに突入。汚れで変色して見た目はだいぶ不恰好に。
＂浮き＂に加えて＂割れ＂が少し生じていますが、中心（重ね塗り箇所）の粘着力が非常に強く、補修した破れ箇所は問題なし。
最終日のトレイル１２日目。３００kmを超えて見た目はボロボロですが、粘着力はそのまま。念のため一度だけ薄塗りしたつま先部分は剥がれましたが、サイドの破れ部分は最後まで守られました。
ロード多め、歩きやすい道多めの「みちのく潮風トレイル」ならこのままスルーハイク（残り７００km弱）できるのではないか・・・と、期待するほどの粘りと＂取れない＂という安心感。
ロードでソールがかなり擦り減り、踵も破れてきたので、今回はこのセクションハイクを終えた時点で買い替えました。
どの程度の粘着力なのか捨てる前に剥がそうとしましたが、簡単には剥がれず（破れ箇所を出すのに精一杯）。結構な力が必要だったので、粘着力はかなり強いですね。
結果的に、４５０kmで捨てようと思っていた靴の寿命が約８００kmまでのびました。粘着はまだ続いていたので、１,０００kmはいけたと思います。
連続して１日３０km前後歩くロングトレイルでも十分な威力を発揮してくれました。
今回は完全に破れた状態から補修しましたが、破れそうだな〜という危うい時点で早めに薄塗りをしておけば、効果的に寿命をのばせるのではないかと思います。
まとめ
破れや剥がれなど、靴を補修できる「スポーツグー」をご紹介しました。
平均５００kmで買い替えていたトレランシューズを１,０００km使えるとしたら、単純計算靴の消費が半分になります。
価格と使用距離を考えると、トレランシューズはコスパが悪いと常々思っていました。どうしてもサイドが最初に破れてしまい（アッパーの補強具合による）、縫合も一時的。
破れ以外はまだ使える状態の靴の寿命をのばしたい、と「スポーツグー」を試しました。正直、日常生活程度のものだと思っていましたが想像以上の効力を発揮。
アウトドアでも十分使えたので、完全に破れたり剥がれたりする前に補修して、長く愛用できればと思います。ロングトレイルで持ち歩き、何kmくらいが限界なのかも試してみたいです。
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