歩き人たかちです(@takachi_aiina)
ソーヤーミニ、洗浄していますか?
日本の山には川以外の水場(湧水)がそれなりにあり、しかもそのまま飲めることも多い。有人小屋も多いため浄水器を使う頻度はそこまで多くないかもしれません。山へ行くときは必ず持って行きますが、縦走中も"毎日使う"ことはあまりない(北海道は使う)。道を歩けば自動販売機やコンビニもある。
ということで、洗浄器までは持ち歩かず帰宅後に洗浄しています。
ニュージーランドのロングトレイル「テ・アラロア」を歩くにあたり洗浄器について考えました。洗浄用の大きな注射器を持って行きたくない。でも、4ヶ月洗浄せずに使うのはどうなのか?結論は・・・
ペットボトルのキャップに穴をあける
浄水器に綺麗な水さえ通せればいいので、これで十分でした。
専用の洗浄用注射器の使い方
SAWYERシリーズには洗浄用の注射器「SAWYER CLEANING PLUNGER」が付属しています。しかし、これがなかなか大きい。ソーヤーミニより大きい。
洗浄方法は簡単。注射器に綺麗な水を入れ、浄水するとき水が出る側に装着して水を押し出す。"逆噴射"して中を洗い流します。浄水器本体には「FLOW」の文字とともに矢印が書かれているので迷うことはありません。
UPI公式HPには動画もあります
洗浄の頻度は"適度に"とのことですが、中に汚れが溜まると浄水のスピードが落ちます。ニュージーランドでは見るからにクズいっぱいの川の水を浄水することも多かったので、結構頻繁に洗浄していました。汚れが詰まっていると洗浄時の水の出も悪くなり「あ〜溜まってたかな〜」という具合。汚れが目に見えるような水を浄水するときは小まめに洗浄した方がいいと思います。
洗浄したあとは"しっかり乾燥"。地面に叩き落とすイメージで上から下に振り、中の水をできる限り抜く!水が溜まったままザックの中など風通しの悪い場所に放置するとカビの原因になります。
ペットボトルのキャップを洗浄アイテムにする
注射器は持って行きたくないと考えていたとき、ペットボトルのキャップに穴をあければいいという話を聞きました。確かに。
注射器の先端は、水が出てくる細い径と浄水器の先端を包み込む太い径の二重構造。ペットボトルのキャップに開ける穴の大きさはどちらに合わせても大丈夫です。
私は、怪我の洗浄用に小さな穴をあけたペットボトルのキャップをエマージェンシーの中に入れており(水が貴重な場面で無駄遣いをしないように。使ったことは一度もない)、それと兼用にしようと思い注射器の内側の穴(細い方)に合わせました。
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一瞬で完成
注射器は28g、ペットボトルのキャップは2g。嵩張りも大きく抑えられてこれぞUL!
あとは綺麗な水を入れたペットボトルに装着し、穴の位置がズレないようにしっかり抑えて水を押し出すだけ。何の問題もなく水が通り、洗浄できました。
せっかくなので、大きな径に合わせたバージョンも試しました。こちらの方がしっかり圧がかかって洗浄しやすいです。
出典:UPI
ソーヤーミニ以外のモデル「ソーヤー スクィーズ フィルター SP129」と「ソーヤー マイクロスクィーズ フィルター SP2129」は、別売りの「ソーヤー クリーニングカップリング」を取り付けることで注射器を使わずに洗浄できます(*マイクロスクィーズにはもともと付属)。
ソーヤーミニも取り付けられるようにしてほしいですが、ペットボトルのキャップで十分でした。軽いし、小さいし、お金もかからない。
ロングトレイルにはスピード重視の「ソーヤー スクィーズ フィルター SP129」がおすすめ
出典:UPI
毎日浄水をするようなロングトレイルでは、浄水スピードが最も速い「ソーヤー スクィーズフィルター SP129」がおすすめです。
出典:UPI
◾︎ micro:53g / 全長12cm / 最大径4.5cm
◾︎ squeeze:71g / 全長14.5cm / 最大径5cm
ソーヤーミニと比べたらスピードがやはり全然違う。ソーヤーミニがチョロチョロだとしたら、スクィーズはドバドバ。マイクロスクィーズを使っているハイカーはいなかったのでわかりませんが、ちょっと中途半端な印象。
テ・アラロアで「もっとスピーディに浄水したい!」と思ったことはしばしば。なぜなら、歩みを止めるとサンドフライの餌食になるから・・・
川は一番サンドフライが多い場所で、ちまちま浄水していると瞬く間に刺されます。今浄水したいけど次の小屋で!と、汲むだけ汲んでさっさと立ち去ることもよくありました。でも、本当は汲んだばかりの冷たい水をその場で飲みたい。本当に酷い場所は、小屋から水を汲みに行くためだけにレインウェア上下着てフードを被って完全防備するハイカーも。
あとは単に1日に何Lも飲むし、次の日の分の浄水を合わせると結構な浄水量になります。ロープで吊るして自動浄水をしているハイカーもいましたが、いちいちセットするのも面倒で。また、暑い日は冷たい水をがぶ飲みしたいですが、ソーヤーミニのスピードだと口の中に溜まるのを待って待ってゴクン・・・物足りない!!アウトドアショップに入るたび、買い替えてしまおうか悩んでいました。
SAWYERを使っているハイカーが一番多かったですが、KATADYN「BeFree」も結構見かけました。浄水スピードも速いし、ボトル型なので無駄がありません。0.6Lと1Lの2種類ですが、0.6Lを使用しているハイカーの方が多かったです。
ペットボトルやプラティパス、CNOCなど、径が合えばいろいろなボトルに装着できる汎用性がSAWYERのメリットですが、沢登りなど基本的に川を水を飲みながらというようなアウトドアではボトル型が便利だと思います。
ボトル型では他Seyshell「携帯浄水ボトルPT」も評判良さげ。1つのフィルターでの濾過能力は380リットルなので、1年間毎日1L浄水できるイメージ。PCTを半年で歩くなら1日2L、テ・アラロアを4ヶ月で歩くなら1日3L・・・と考えると、テ・アラロアでギリ足りるかな?くらいでしょうか。
SAWYERは38万リットル、KATADYNは1,000リットルなので、2つに比べると割高 。自分のアウトドア量だとSAWYERは半永久的に使えます。
UPI SAWYER ブランドサイト
まとめ
今回はSAWYERの洗浄用注射器の"代用アイテム"についてご紹介しました。
日本ではあまり気にしてこなかった縦走やロングトレイル中の洗浄ですが、ペットボトルのキャップ一つで清潔さを保てて、尚且つ、軽くて小さい。海外の山やロングトレイルの予定がある方はぜひお試しください。
こんなに身近なもので、こんなに簡単にすべて解決するのか・・・としみじみ。エマージェンシーの道具にも使えるし、ULとはまさにこのこと。新しいものにすぐ飛びつくのではなく、こういうアイテムを自分でも考えていけたらと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
よろしければ、応援よろしくお願い致します。
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